サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

お知らせ:紙パルプ業界への無責任な投資を銀行方針は回避できていないと、レポートで指摘

連絡先:Mandy Haggith | hag@environmentalpaper.eu | +44 7734235704

環境NGOの連合体(EPN)*は、世界の紙パルプ企業に資金提供する銀行の方針を評価した報告書「In the Red」を、2017年8月1日に出版しました。この評価で、紙パルプ部門に最も深く関わる銀行には、環境的・社会的危害を引き起こすプロジェクトや企業への資金提供を避けるための公開された方針がないことが明らかになりました。

この評価では、金融業界が、紙パルプ業界との資金的関与における環境的・社会的リスクの管理にどの程度備えているかを調査しました。これは、いくつかの国の研究者チームが実施したベンチマーク評価であり、紙パルプ業界への資金提供の要求事項をとりまとめた2016年発表の文書グリーン・ペーパー、レッド・ラインの要求事項に照らして、42の民間銀行の紙パルプの方針を評価したものです。

レッド・ラインとは、紙パルプ会社が投資を受ける前に満たさなければならない最低限の要件を明記した規制のための環境・社会基準です。紙パルプ工場やそれへの資金提供機関がこれらの要件を満たさない限り、社会的・環境的被害を引き起こし市民団体によるキャンペーンのターゲットとなる可能性が高いといえます。したがって、EPNの加盟組織は、顧客である紙パルプ企業が最低限の要件を満たすことができない場合には、資金提供機関がこれら企業を回避することを期待しています。金融機関における方針が容認できないレベルであれば、その金融機関はこれらの問題に関する説明責任とコミットメントの欠如を明確に示しているといえるでしょう。

EPNの担当者マンディ・ハギス(Mandy Haggith)は次のように述べています。「評価の結果、銀行の方針は非常に残念です。残念ながら、私たちが評価した銀行のどれも、レッド・ラインに違反する顧客企業から自らを徹底的に防護することはできません。ほとんどのレッド・ライン基準で、膨大な数の銀行がせいぜい部分的にしか防護されていません。我々は、銀行部門には、紙パルプのプロジェクトや企業を損なう無責任な投資を回避するという目的に合致した方針はないと結論付けるしかありません。 我々は、すべての銀行がこのセクターへの関与に関する方針を見直し強化するよう促します」。

RAN Japan による報告書の仮抄訳はこちら

* エンヴィロンメンタル・ペーパー・ネットワーク(EPN)は、紙パルプの持続可能性の問題に取り組んでいる140以上のNGOの世界的なネットワークであり、そのすべてがグローバル・ペーパー・ビジョンを支持しています。

関連ウェブサイト

–  In the Red: report on the assessment of bank policies – http://www.environmentalpaper.eu/in-the-red/

–  The Green Paper, Red Lines criteria – http://www.environmentalpaper.eu/red-lines-for-pulp-mill-finance/

–  Global Paper Vision – http://www.environmentalpaper.eu/our-common-vision/