サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

プレスリリース:三井住友FG株主総会で森林保護方針強化を求めてアピール(2018/6/28)

「森林と人権を守るリーダーになってください」
〜森林破壊企業への資金提供停止を求める署名 約2万筆提出〜

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日28日、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の第16期定時株主総会に参加し(注1)、同社の銀行業務における森林セクターの方針強化を求めるよう、会場前で株主にアピールしました。また本日の株主総会前に、SMFGへ署名19,581筆を電子メールで提出し、森林破壊と人権侵害を起こす企業への融資を即時停止するよう求めました。

RANのスタッフやボランティア8人は、株主総会会場の東京・丸の内の三井住友銀行本店ビルの前で「三井住友フィナンシャルグループ:森林と人権を守るリーダーになってください」と書かれたバナーを掲げ、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する投融資方針を強化すべきであるとアピールしました。また、森林破壊に脅かされるインドネシアのNGOとして現地の声を届けるために、TuK (トゥック)インドネシア副代表のエディ・ストリスノもアピール活動に参加しました。

RAN 責任ある金融シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは「三井住友フィナンシャルグループは、先週、事業別融資方針の制定を発表し、環境・社会的責任を果たすための取り組みを進めてきました。しかし、SMFGは気候変動リスクのある石炭やタールサンドなどの化石燃料、熱帯林破壊や人権侵害を起こすパーム油や紙パルプなどの部門への主要な資金提供者となっています。このような事業への資金提供は同グループをESGリスクにさらすとともに、業界のリーダーとなれるはずの立場を危うくしています。パリ協定やSDGの森林減少阻止目標を達成するため、SMFGはESGに関する投融資方針を飛躍的に強化すべきです」と訴えました。

会場前では株主たちに『三井住友フィナンシャルグループの環境・社会・ガバナンス(ESG)の実績に関する独立評価レポート:森林と人権保護の金メダルを目指して』(注2)を配布し、情報提供も行いました。SMFGが、極度に環境へ悪影響を与える化石燃料に16.5億米ドル、東南アジアの熱帯林をリスクにさらす産品へ約4億米ドルの融資・引受を2016年に提供していたことや、インドネシアで児童労働を含む人権侵害、違法行為、森林破壊に関与する企業とつながっている事例を紹介しました。そして、SMFGは金融ポートフォリオで企業価値に悪影響を及ぼすESGリスクを評価及び開示すべきであると提言しました。

また、株主総会前の本日早朝、オンライン署名「Big Banks Financing Forest Destroyers(大手銀行、森林破壊者に資金提供)」(注3、英語)19,581筆を、SMFGに電子メールで提出しました。本署名はRAN本部のウェブサイトで6月26日と27日の2日間に集中して実施したもので、SMFGに、森林破壊と人権侵害を起こし、現地コミュニティを脅かす企業への資金調達を即時停止するよう求めています。

*SMFGは事業別融資方針を6月18日に制定し、石炭火力発電所、アブラヤシ農園開発および森林伐採を「環境や社会へ大きな影響を与える可能性が高い」事業として特定しました(注4)。

 

注1) RANは、森林セクターでの金融機関の責任と方針強化を求め、株主総会への参加のために、三井住友FG、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループの株式を最小単位で(100株)購入しています。

注2)三井住友FGは、持続可能性への取り組みをうたう2020年東京オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナー(スポンサー企業)です。※当日の配布資料をご希望の場合はご連絡ください。

注3)署名URL:https://www.ran.org/financing_destroyers

注4)三井住友FG「トップコミットメント」
三井住友FG「人権尊重に係る声明」
三井住友銀行「事業別融資方針の制定およびクレジットポリシーの改定について」

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)