サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘土地紛争’カテゴリーの記事一覧

オルタナにRAN川上豊幸が寄稿しました(2018/3/28)

オルタナ「東京五輪、紙調達基準案が抱えるリスク」(2018年3月28日付)〜RAN川上豊幸が寄稿しました〜

「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会(東京2020組織委員会)の紙とパーム油に関する調達基準案が作成され、3月30日まで、一般からの意見募集を行っています。記事を読む

プレスリリース:「熱帯林破壊ゼロの東京五輪」を求めて11万筆の署名をIOCと東京オリンピックに提出(2018/3/28)

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日28日、国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)に、「熱帯林破壊ゼロの東京五輪」を求める署名11,0572筆を提出しました。署名は平昌冬季五輪が世界の注目を集める期間中に米国で実施され、東京大会の施設建設における熱帯材の使用と人権侵害への懸念の声が高まりました。東京2020組織委員会は、持続可能性に配慮した調達基準設定の最終段階に入っています。

本署名は、RANと米国の署名サイト「CREDO Action」(英語、注1)が実施したもので、東京2020組織委員会が新国立競技場など主要施設の建設用木材に環境・社会面でリスクの高いインドネシア及びマレーシア由来の熱帯材を大量に使用している状況を2月5日に公開(注2)したことを受けて緊急に行いました。

署名は、IOCと東京2020組織委員会に、東京大会での熱帯材の使用中止、先住民族と地元住民の権利を尊重すること、森林破壊と人権侵害をもたらす高リスクの木材についての調達基準を強固なものにすることを求めていますま。「CREDO Action」では2月27日から3月26日までの1カ月間に81,831筆が集まり、RAN本部のウェブサイトサイト(注3)では昨年9月21日から3月26日までの期間に28,741筆が集まりました。東京大会の調達木材については、RANなどNGO44団体が2016年12月から継続的に情報公開請求していました。2月に公開された情報によると、2017年11月末時点で、新国立競技場建設のために使用されたコンクリート型枠合板の87%以上がマレーシアおよびインドネシアの熱帯林に由来していました。2017年と2018年に行われたNGOの調査によると、新国立競技場など複数の施設で、マレーシア・サラワク州での違法伐採、熱帯林破壊、人権侵害につながりのあるサプライヤーから調達した木材が確認されました。

RAN 責任ある金融シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは「東京五輪の木材調達は、世界で最も豊かな生態系を誇り、かつ脅威にさらされている熱帯林由来となっており、持続可能な五輪を開催するというコミットメントに明確に違反しています。私たちは、IOCと東京オリンピック大会当局に対し、調達基準の改善、人権の尊重、かけがえのない熱帯林の破壊を止めるよう求めます」と訴えました。

3月16日、東京2020組織委員会は「持続可能性に配慮したパーム油・紙の調達基準(案)」を公開し、30日まで意見公募を行っています(注4)。RANは、両方の調達基準案が強固なデューデリジェンス(相当な注意による適正評価)や調達対象外についての明確な基準設定を義務付けるよりも、「PEFC森林認証プログラム」、「マレーシア・サステイナブル・パーム・オイル」(MSPO)、「インドネシア・サステイナブル・パーム・オイル」(ISPO)など、かなり弱い認証制度も活用できる提案になっていると考えています。さらに、東京大会の調達基準が実質的に強化されなければ、熱帯林破壊と人権侵害に関連したリスクが継続して残ると指摘しました。

インドネシアとマレーシアには多くの先住民族が住み、世界でも最高水準の生物多様性を誇っています。しかし同国は、森林伐採、パーム油、紙パルプ生産に関わる開発で、かつてない速さで進む森林破壊に直面しています。日本は依然として世界最大の熱帯材合板の消費国であり、インドネシアとマレーシアから2016年だけで約200万㎥の合板を輸入しています。RANなどNGOは昨年5月にも、マレーシア・サラワク州の先住民と一緒に、東京五輪施設建設での熱帯材使用を直ちに中止するよう求める14万筆の署名をスイスとドイツの日本大使館に提出しました(注5)

注1) CREDO ACTION, “Tell the International Olympic Committee: No rainforest destruction for Tokyo 2020 Olympics”

注2)RAN「緊急プレスリリース:東京五輪競技会場の建設に高リスクの熱帯材大量使用、国内外NGOから「遺憾」の声〜新たに公開された情報により、主要な五輪施設建設での無責任な木材調達の環境・社会的影響への深刻な懸念に裏付け〜」

注3)RAN, “No more rainforest destruction for Tokyo 2020 Olympics”

注4)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)「持続可能性に配慮したパーム油・紙の調達基準(案)」に関する意見募集について

注5) RAN「プレスリリース:熱帯林破壊や人権侵害のない五輪を求め日本大使館に14万超の署名」

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。

CREDO Actionは社会変化のネットワークで、革新的変化のために5百万人の活動家を組織化し結集しています。

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

オルタナにRAN川上豊幸が寄稿しました(2018/3/23)

オルタナ「東京五輪、パーム油調達基準が抱えるリスクと課題」(2018年3月23日付)〜RAN川上豊幸が寄稿しました〜

「3月16日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会(東京2020組織委員会)は紙とパーム油に関する調達基準案を作成しました。「持続可能性に配慮した紙の調達基準(案)」と「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準(案)」が公表され、一般からの意見募集を3月30日まで行っています。記事を読む

緊急プレスリリース:東京五輪会場建設に熱帯材使用(2018/2/16)

東京五輪競技会場の建設に高リスクの熱帯材大量使用、国内外NGOから「遺憾」の声
〜新たに公開された情報により、主要な五輪施設建設での無責任な木材調達の環境・社会的影響への深刻な懸念に裏付け〜

ブルーノマンサー基金
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
マーケット・フォー・チェンジ
熱帯林行動ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan

国内外のNGO5団体は本日16日、東京2020組織委員会が新国立競技場などの建設における熱帯材の調達状況を公開(注1)したことを受けて、環境・社会面のリスクの高い熱帯材が大量に調達されていることに遺憾の意を表しました。これはNGO44団体が2016年12月に公開を請求した調達木材に関する情報について1年以上経って、継続的な要請にようやく応える形で公表されました。平昌冬季オリンピックが世界の注目を集める中、東京大会の木材調達の持続可能性に関する以前からの懸念が、この開示によって裏付けられました。

写真:オリンピックアクアティクスセンター建設現場で使われているマレーシア・サラワク州産合板(2017年11月20日撮影)

マーケット・フォー・チェンジ(豪)のペグ・パットは「新たに公開された情報を見て、これまで使われてきた熱帯材の膨大な量に驚き、調達木材の持続可能性と合法性を確保する手続きが明らかに欠けていることを遺憾に思います。東京2020組織委員会が、オリンピック競技会場施建設に使用される熱帯材合板について情報を公開したことは歓迎しますが、同時に、東京大会の無責任な木材調達が環境・社会的影響をもたらす恐れがあるという深刻な懸念が裏付けられました」と訴えました。公開された情報によると、2017年11月末時点で、新国立競技場建設のために使用されたコンクリート型枠合板の87%以上がマレーシアおよびインドネシアの熱帯林に由来しています。

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(米国)のハナ・ハイネケンは「使用されている木材の大半はインドネシアの熱帯林から切り出された非認証の合板です。インドネシアの熱帯林は森林伐採が急激に進む地域の一つで、生物多様性が脅かされている中心地です」と批判しました。

新国立競技場で使われる木材の約3%がマレーシアからの認証合板ですが、その持続可能性については非常に疑問視されています。NGOの調査(注2)では、マレーシアの伐採企業シンヤン社が供給したマレーシア産合板が、新国立競技場の建設現場で使われていることがわかっています。シンヤン社はボルネオの生物多様性のホットスポット破壊や先住民族の権利の侵害に関与し、以前には違法伐採にも関与したことで評判が悪い企業です。また東京2020組織委員会の発表は、オリンピックアクアティクスセンター、有明アリーナ、海の森水上競技場など他の施設でも同様に、マレーシアやインドネシアの熱帯材が調達されていると記載しています。

熱帯林の保護は、気候変動の抑制、生物多様性の保全、数百万人にも及ぶ先住民族や地元コミュニティの生活環境をささえるために非常に重要であるにもかかわらず、日本は依然として世界最大の熱帯材合板の消費国であり、インドネシアとマレーシアから2016年だけで約200万㎥の合板を輸入しています。ハイネケンは「2020年東京大会の施設建設のために、持続可能ではない熱帯材合板が使われることは、オリンピックの持続可能性への誓約を弱体化させます。オリンピック大会当局は、建設業界とその評判の悪い「従来通りのやり方(ビジネス・アズ・ユージュアル)」を優先し、持続可能性を犠牲にしようとしています」と懸念を述べました。

世界の森林減少は2016年に過去最高水準を記録しました。森林火災、農地開発、木材の伐採、鉱山開発を大きな原因として、2,970万ヘクタールの森林面積(ニュージーランドの総面積に相当)が失われました。インドネシアとマレーシアは2016年の森林減少面積の上位10カ国に入っており、その多くはパーム油やパルプ材の商業プランテーション開発が関係しています。急激な森林伐採は2017年も続いています。パットは「インドネシアとマレーシアからの木材製品の調達が高リスクであると考えると、東京大会当局が公表した情報では、大会関連工事で使用される木材が合法的かつ持続可能な方法で伐採されていることの有意な保証にはなりません。むしろ無責任な調達が大量に行われていることを露呈しています」と述べています。

FoE Japanの三柴淳一は「東京2020組織委員会の『持続可能性に配慮した木材の調達基準』の『持続可能性』は名ばかりで、その調達基準には反映されていません。熱帯林を破壊している企業からの合板の調達を禁止し、それらの企業が法制度や認証制度の不備につけ込むのをやめさせるために調達基準を強化しなければなりません。東京2020組織委員会は、透明性と説明責任を改善して強固なデュー・デリジェンスを確立し、持続可能な日本産の木材を積極的に使用するまで、信頼を得られないでしょう」と訴えました。

※詳細はブリーフィングペーパー「2020年東京五輪の熱帯材使用に関する公式な情報開示に対するNGOの解説」(2018年2月16日発行)をご参照ください。

注1)「『持続可能性に配慮した木材の調達基準』の実施状況に関するフォローアップについて:コンクリート型枠合板の調達状況について」(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2018年2月5日)

注2)ブリーフィングペーパー「2020年東京五輪の熱帯材使用に関する公式な情報開示に対するNGOの解説」より

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

朝日新聞でRANハナ・ハイネケンのコメントが紹介されました(2018/1/8)

朝日新聞「持続可能な五輪、手探り 熱帯林の木材使用に批判」(2018年1月8日付)〜RANハナ・ハイネケンのコメント「東京大会は熱帯材から別の木材に切り替える機会だ」が紹介されました〜

「大会を通じて、環境や人権などを大切にする社会を体現できるか。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて課題も見える。

問題になっているのが、競技施設の土台のコンクリートを固める型枠に使う木材だ。新国立競技場の工事をする大成建設などは、「軒庇(のきひさし)」と「屋根集成材」は森林認証を得た国産材を使う方針だが、型枠にはマレーシア・サラワク州の熱帯林乱伐で地域の先住民と紛争が多発している企業「シンヤン」グループの合板が使われていた。記事を読む

緊急プレスリリース2020年東京オリンピックが気候変動に加担:熱帯林の利用は停止せず(2017/11/3)

2017年11月3日

緊急リリース

  • ブルーノマンサー基金
  • サラワク・ダヤク・イバン協会
  •                                                         レインフォレスト・アクション・ネットワーク
  •                                                             マーケット・フォー・チェンジ
  •                                                                        熱帯林行動ネットワーク
  •                                                                                 国際環境NGO FoE Japan

連絡先:

  • Peg Putt, Markets For Change, +61 418 127 580, peg.putt@gmail.com
  • Annina Aeberli, Bruno Manser Fund, +41 79 128 58 73, annina.aeberli@bmf.ch
  • Laurel Sutherlin, Rainforest Action Network (USA), +1 415 246 0161, laurel@ran.org
  • 川上豊幸:レインフォレスト・アクション・ネットワーク(日本) 03-3341-2022, toyo@ran.org

2020年東京オリンピックが気候変動に加担:
由来が明らかでない熱帯材利用
を認めたが、利用停止の誓約はせず
熱帯材の利用停止はせず、透明性向上の約束に影を落とす

 気候に重大な影響を与える熱帯林が急速に消滅しつつある中、2020年東京大会当局は、木材の供給源が不明のまま大会関連建設のために熱帯林を利用し続けると明言した。この意向表明は、東京大会の木材調達活動の合法性と持続可能性に対する深刻な懸念を表明した47のNGOにより署名された公開書簡への回答として行われた。 当局は、東京大会のための熱帯材の使用については、より透明なものにすると約束したが、NGOが「根本的に欠陥がある」と要求した木材調達コード改訂については拒否した。

「東京大会で熱帯材を継続して使用し、合理的なデューデリジェンスを拒否していることは、持続可能なオリンピックを開催するという日本の約束と矛盾している。」とレインフォレスト・アクション・ネットワーク(米国)のハナ・ハイネケンは述べ、また「当局は木材調達コードを改善する必要がある」と述べた。

今年4月、新国立競技場の建設現場でマレーシアの木材会社シンヤン社が供給した熱帯材合板が使われていることがわかった。 シンヤン社はこれまでマレーシアのサラワクで、手つかずの熱帯林の組織ぐるみの破壊、違法伐採、人権侵害に関与してきたと指摘されている企業である。

これに応えて、世界中の47のNGOが、今年9月11日に国際オリンピック委員会(IOC)と東京大会当局に書簡を送り、熱帯材及びその他の高リスクな供給源からの木材の使用の終了、使用される熱帯材の出所と量の開示、木材サプライチェーンの完全な追跡可能性と第三者検証、より強い木材調達ルール、他のすべての森林リスク商品に対する確固としたな調達要件の採用を要求した。

10月19日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、日本スポーツ振興センター、東京都オリンピック・パラリンピック準備局が東京でNGOとの会合を持った。大会当局は、熱帯材を主原料とする型枠用合板の一部に対する明白な例外規定など、組織委員会の木材調達コードの弱点がいくつもあるにもかかわらず、この欠陥のあるコードの改訂を拒否し、コードの要件に準拠しているとして熱帯材使用を擁護した。

当局はさらに、サプライヤーは自らが供給した木材の出所を把握していることは求められておらず、コードは一方で国産材の使用を優先させる方針を打ち出しているものの、コンクリート型枠用合板の場合には持続可能な森林に由来する国産材の使用を優先させる必要はない、と認識していることが明らかになった。東京大会当局は、熱帯材使用についてより透明性を確保することを約束し、関連施設建設現場で使用される型枠合板について量および正当なデューデリジェンス(確認)プロセスを開示することに合意した。

「東京大会の決定は、責任ある形で製造された国産型枠合板が利用可能であるにもかかわらず、それを優先していないことは非常に残念だ。このことで、責任あるビジネスを行おうとしている日本企業に間違ったメッセージを送っている。」と、熱帯林行動ネットワークの原田公は語った。

日本は、熱帯材合板の世界第1位の輸入国で、その原料の多くはマレーシアとインドネシアの熱帯林から来ている。 日本の木材調達は合法性や持続可能性を確保できないことで、広く批判されてきた。東京大会に向けて、日本は、その調達基準をヨーロッパや米国のレベルに引き上げるチャンスがあったが、日本の従来のビジネス慣行を妨げないように妥協することを選んだ。」とマーケット・フォー・チェンジ(豪)のペグ・パットは述べた。

最近の研究は、熱帯林の劣化に警鐘を鳴らしており、その多くは破壊的な伐採によって引き起こされている。 アジア、南米、アフリカの熱帯林はこれまで温室効果ガスの吸収に重要な役割を果たしてきたが、その劣化が続いていることから、熱帯林が炭素排出の吸収源から排出源に転じていることが報告されている。 熱帯の森林の減少と劣化は、地球温暖化ガス排出量の約5分の1を占めている。

東京大会当局は苦情処理メカニズム(通報受付窓口)の構築を進めつつあるが、10月19日の会合で、その最終決定前に公の協議プロセスを行う意図はないと明らかにした。シンヤン社のサラワクでの伐採行為は先住民族の生活を脅かしており、東京大会での苦情処理の仕組みの欠如は、地域社会が救済を求める道筋を奪ってしまった。

ブルーノマンサー基金(スイス)のアニーナ・アエベリは、「大会施設の建設が始まってから1年近く経つにもかかわらず、苦情申し立てのメカニズムがなく、関連ステークホルダーとの協議にも消極的ということは非常に心配だ。」と述べている。

NGOは、日本が真に持続可能なオリンピック・パラリンピックを開催するには、紙パルプ、パーム油、ゴムなどの他の全ての森林リスク商品へのしっかりとした調達要件が必要であると主張している。

以上