サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

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声明:三井住友FG、2050年排出量ネットゼロを約束 (2021/9/3)

「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」もパーム油など農園開発に要求
〜「TCFDレポート2021」発表に伴い方針強化、待たれる人権尊重〜

米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)は、本日3日、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が「SMBCグループ TCFDレポート 2021」を8月31日に公表(注1)したことを受けて以下の声明を発表し、パリ協定の目標に向けての方針強化であると歓迎しつつも、中期目標の設定を先送りしていると批判しました。

RAN日本代表 川上豊幸

まず、SMBCが2050 年までに投融資ポートフォリオで温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロにすると約束したことは、パリ協定の目標達成に向けた方針強化と受け止めて歓迎します。「2050年ネットゼロ」は気温上昇を1.5度に抑えるために必要な長期目標で、日本政府も同様の目標を掲げています。気候危機を加速させている化石燃料への資金提供額がアジア5位のSMBCが、アジア首位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)(注2)に次いでコミットしたことは重要です。

しかし、投融資ポートフォリオのGHG排出量把握と中長期削減目標の開示は行われず、中期目標の開示は2023年に先送りされたことから、パリ協定への整合性を確認することができません。そして2030年までの限られた数年を目標策定に費やすことになり、緊急性に欠けます。また、投融資ポートフォリオGHG排出量の算定には、石油・ガス、電力セクターに加え、GHG排出に大きな影響を与えている石炭採掘を含めた化石燃料セクター全般、およびパーム油を含む森林関連セクターを早期に追加することが求められます。

第二に、今回のレポートでは、森林破壊の要因となるパーム油などの農園開発事業に対し、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ方針」(※NDPE方針)を遵守する旨の公表を求めました。しかし、取引先には遵守の公表を求めるだけではなく、グループ全体およびサプライチェーンを含めた遵守状況をモニタリングし、不遵守状況への対応等を通じて、方針の実施と強化を進めることが必要です。また同基準は農園開発事業に限定され、各産品の購入企業には適用されていないことも課題です。MUFGも今年4月にパーム油セクターにNDPEを適用しましたが、同様の問題があります(注3)
※No Deforestation, No Peat and No Exploitationの略

一方、森林伐採事業セクターでは違法労働への支援を行わないことを明記したものの、労働者の権利尊重や地域住民や先住民族の土地権尊重といった人権尊重が明記されていません。特に「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC:Free, Prior and Informed Consent)(注4)の要件は追加されませんでした。NDPEと同様、FPIC 基準は国連「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成や「国連ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)への遵守に不可欠です。

SMBCは前述の通り、パリ協定締結以降の化石燃料への資金提供額がアジア5位、世界18位であることが明らかになっています。また、3メガバンクは東南アジアの森林減少に加担している企業への最大の資金提供者に含まれます(注5)。 SMBCの融資先には、問題案件となっているベトナムおよびインドネシアの新規石炭火力発電所建設、インドネシアで人権侵害を伴うパーム油の農園(注6)、米国で先住民族らによる抵抗が続くオイルサンド・パイプライン(注7)等が含まれています。

 

注1 ) 三井住友フィナンシャルグループ、「SMBCグループ TCFDレポート 2021」の発行について」、2021年8月31日

「SMBCグループ TCFDレポート 2021」

注2)RAN他プレスリリース「『化石燃料ファイナンス成績表2021』発表〜世界60銀行、パリ協定後も化石燃料に3.8兆ドルを資金提供〜」、2021年3月24日

注3)NGO共同声明「MUFGが石炭火力・森林セクター方針を改定、なおパリ協定と整合せず」、2021年4月26日

注4)FPIC(エフピック)とは、先住民族と地域コミュニティが所有・利用してきた慣習地に影響を与える開発に対して、自由意志による、事前の、十分な情報を得た上で同意する、または同意しない権利のことをいう。

注5)RAN他「森林と金融データベース」より
参照:​​RAN他プレスリリース「『森林と金融』メガバンク等の森林方針の評価を発表」、2021年6月22日

注6)RAN、インドフードまたは同社グループ企業への投融資に関する銀行・投資家向けレター、2020年11月13日

注7)RAN声明「メガバンクが支援する北米パイプライン『ライン3』、活動家らの封鎖で工事中断」、2021年7月7日

 

本件に関するお問い合わせ先
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
広報:関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org

プレスリリース:明治を東京五輪パーム油調達コード違反で通報〜ライセンス菓子商品について〜(2021/7/9)

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)と熱帯林行動ネットワーク(東京都渋谷区、以下JATAN)は、7月8日、明治の東京五輪ライセンス商品におけるパーム油調達が東京五輪「持続可能性に配慮した調達コード」に違反した疑いがあるとして、緊急事態宣言下での五輪開催に批判が高まる中、パーム油の利用が本格化する開幕直前に東京2020組織委員会へ通報を行いました。

写真:インドネシア「ルーセル・エコシステム」内のシンキル・ベンクン熱帯低地林地域。
パーム油生産の農園開発のために排水され、火入れで皆伐された泥炭林 ©Nanang Sujana / RAN

通報の対象(注1)は、東京2020大会スポンサー企業である株式会社明治が2019年7月に販売開始した、東京2020公式ライセンス商品「チョコレートスナック」です(注2)。東京五輪「持続可能性に配慮した調達コード」(注3) と「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」(注4)では、法令遵守、環境保全、先住民族等の権利尊重の基準を満たした形での生産を求めています。しかし、RANが2019年に発表したインドネシアの熱帯林「ルーセル・エコシステム」での調査事例を元に分析した結果、明治のパーム油サプライチェーンには現地での違法農園開発や、泥炭地および熱帯林破壊、地域住民の土地権侵害などに関与する企業が含まれている疑いがあることが明らかになりました。2021年6月にも、森林破壊に関与して問題となっているインドネシア現地企業からのパーム油が日本を含むサプライチェーンから排除できていないことが見つかっています。

このような違反事例が起こる背景には、五輪パーム油の調達がRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)などの認証制度に依存している現状があります。明治をはじめ日本企業は、非認証油が混合されているRSPO「マスバランス」方式のパーム油を調達していることから、サプライチェーンで起こる問題を防ぐことができていません。パーム油の利用が本格化する開幕を前に、東京五輪の調達基準の不足点を顕在化させることも今回の通報の目的です。

【通報の概要】

通報者:
●熱帯林行動ネットワーク(JATAN)
●レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
●インドネシア「ルーセル・エコシステム」熱帯林(通報者に生じる負の影響を説明する必要があるため追加)

被通報者:
●株式会社明治(五輪スポンサー企業「東京2020ゴールドパートナー」)
●明治ホールディングス(HD)株式会社(明治グループ全体のパーム油調達方針を策定)
●東京2020組織委員会(「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」の制定主体)

通報先:東京2020組織委員会

内容:明治が調達しているパーム油における調達コードおよび基準違反の可能性について、同社のサプライヤー企業(不二製油)のパーム油調達先(搾油工場や農園)で起きている環境・社会問題を指摘。

通報の目的:
東京2020大会で調達するパーム油の持続可能性(注5)の担保方法としてISPO(インドネシア政府主導のパーム油認証)、MSPO(同マレーシア)、RSPOの認証制度が認められている。特にRSPOでは非認証油の混入が可能な「マスバランス方式」も活用可能で、東京五輪の調達コードや調達基準を満たしていないパーム油が利用されるリスクを排除できていない。今回の通報で、森林破壊や違法な農園開発、土地紛争を引き起こした企業から調達したパーム油が日本市場で流通してきたことを示すとともに、パーム油調達基準の不足点を顕在化させる。

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表の川上豊幸は「今回の通報によって、明治のサプライチェーン管理を改善するとともに、五輪調達の持続可能性に配慮した基準の担保方法が不適切な認証システム(RSPOマスバランス方式)に依存している現状を示すことができます。東京2020組織委員会および関連企業は、こうした問題を認識して調査を行い、『持続可能性大会後報告書』で報告する必要があります。調達基準の不足点および改善点を『東京五輪のレガシー』として残し、問題のあるパーム油を市場から排除する仕組みを促進していきたいです」と訴えました

熱帯林行動ネットワーク(JATAN) 事務局長の原田公は「今回の通報は、東京五輪の持続可能性の調達基準が、パーム油の持続可能性への配慮を必ずしも担保するものでないことを示しています。調達基準の名称が、他の品目では「持続可能性に配慮した◯◯の調達基準」となっているところ、「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」とされたことも、持続可能性の確認方法の不十分さを最初から認めていることを表しています。
オリンピックとパラリンピックで、どのような物品やサービスにパーム油が利用されているかは不明です。このライセンス商品以外でも同様の問題が発生している可能性があることから、会場や選手村で使用されるパーム油全体の利用状況についても情報を公開するとともに、今回の通報を受けて、組織委員会には、指摘した基準違反が疑われるような調達先からの利用がないかの実態調査を行い、基準の遵守状況を確認することが求められます」と指摘しました。

【通報の詳細】

明治のサプライヤー企業である不二製油が公開している搾油工場リスト(注6)および苦情処理リスト(注7)には、環境・社会面での諸問題が判明している搾油工場・農園企業が含まれている。東京五輪のパーム油調達コードでは、法令遵守、環境保全、先住民族等の権利尊重の基準を満たした形での生産を求めているため、調達コードに違反するパーム油が明治の東京五輪のライセンス製品に含まれていた可能性がある。

インドネシアの搾油工場・農園企業の主な事例:

スマトラ島北部にある「ルーセル・エコシステム」内のシンキル・ベンクン地帯では、以下の調査事例がRANの報告で明らかになっている。保護区の近隣にある搾油工場では、農園企業の生産状況について十分な確認が行われていなく、下記のような問題を抱えるパーム油が調達されていた。

1) 「ラワ・シンキル野生生物保護区」内での違法農園開発(注8)、2019年10月発表

2) 生態系を保全せず、また泥炭地や天然林を含む環境上重要な地域の適切な保全をせずに熱帯林破壊を行なっている農園企業からの調達(注9)、2019年10月発表。継続調査により調達の継続を確認(注10)、2021年6月

3) 農園企業による地域住民の土地権侵害(注11)、2019年11月発表など。

通報の背景・明治とのやりとり:

明治HDは、2019年9月にパーム油の調達ガイドラインを策定し、2020年2月に森林破壊ゼロを支持を加える形で改定が行われた。しかし、これは東京五輪の「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」の確認方法に従った、持続可能性の担保が不十分なものだった。

RANとJATANは2020年に、明治HDに対して、上記の問題事例を示した文書を送付し、同社調達方針の改善を含めて対応を求めた。明治HDは2021年1月、グループ全体のパーム油調達ガイドライン(注12)でNDPE方針(No Deforestation, No Peat and No Exploitation:森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止)に基づく調達方針へと一定の改善が行われた。上記の事例が示すような個別事例については、引き続き、明治にサプライヤーへの対応状況を確認するよう求めている。 

*報道関係の皆様:通報文書の閲覧をご希望の場合はご連絡ください。

注1)東京2020組織委員会「『持続可能性に配慮した調達コード』に係る 通報受付窓口 業務運用基準」

※対象案件は「本通報受付窓口は、東京 2020 組織委員会の調達する物品・サービス及びライセンス商品(以下「調達物品等」といいます。)に関する案件であって、調達コードの不遵守に関する通報(調達コードの不遵守又はその疑いを生じ得る事実をその内容とするもの) について取り扱うことができるものとします」と定義されています。(太字はRANで強調)

注2)株式会社明治は「東京2020ゴールドパートナー」。

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催まであと1年!『チョコレートスナック』<東京2020オリンピックマスコット/東京2020パラリンピックマスコット>7月23日 新発売」、2019年7月10日

注3)東京2020組織委員会「持続可能性に配慮した調達コード」

注4)東京2020組織委員会「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」
①生産された国または地域における農園の開発・管理に関する法令等に照らして手続きが適切になされていること。
②農園の開発・管理において、生態系が保全され、また、泥炭地や天然林を含む環境上重要な地域が適切に保全されていること。
③農園の開発・管理において、先住民族等の土地に関する権利が尊重され、事前の 情報提供に基づく、自由意思による合意形成が図られていること。
④農園の開発・管理や搾油工場の運営において、児童労働や強制労働がなく、農園 労働者の適切な労働環境が確保されていること。

注5)「持続可能性に配慮したパーム油を推進するための調達基準」では、法令等の遵守、泥炭地や天然林を含む生態系の保全、先住民族等の権利尊重、適切な労働環境を確認することが規定されている。また、調達全般を規定している「持続可能性に配慮した調達コード」においても、(1)全般の1で「法令遵守」、(2)環境の7で「資源保全」、(3)人権の1で「国際的人権基準の遵守・尊重」が規定されている。

注6)不二製油の搾油工場リスト(2020年7月15日、英語)

注7)不二製油の苦情処理リスト(2020年3月25日更新、英語)

参考:不二製油「責任あるパーム油調達に関する取組み状況について」2020年6月30日

注8)RANプレスリリース「三菱UFJ、高リスクのパーム油企業へ資金提供 〜違法パーム油およびインドネシア泥炭林破壊とのつながりが明らかに〜炭素を豊富に含む『ルーセル・エコシステム』のシンキル保護区で違法栽培」 (2019年10月18日)

注9)RAN, “Major Brands Again Caught Sourcing Deforestation-Linked Palm Oil” (2019年10月29日、英語)

注10)RAN, “Indonesian Forestry Titan Royal Golden Eagle Remains a Major Roadblock to Progress in Saving Leuser Ecosystem“(2021年6月23日、英語)。
注9の森林破壊を継続して問題となっている農園企業からのパーム油が、注8で指摘された違法なパーム油購入で問題となった搾油工場のPT.Global Sawit Semestaを通じて、ロイヤル・ゴールデン・イーグルグループ(RGE)に調達されていることが確認された。RGEグループはインドネシアの財閥企業グループで、日本にも大量のパーム油を供給している。

注11)RAN, “Community Struggles for Land Rights and Livelihoods in Singkil-Bengkung region” (2019年11月25日)

他の事例とRAN報告(英語)へのリンクは以下の通り

●調達している搾油工場は不明だが、残された天然林の皆伐を継続している企業がパーム油原料のアブラヤシの実の出荷を開始した。日本にも供給される可能性がある。
https://www.ran.org/leuser-watch/chainsaws-enter-indonesias-orangutan-capital/

2020年12月に、ようやく森林破壊を停止することを発表し、NDPE方針の採用に至った。
https://www.ran.org/leuser-watch/conservation-breakthrough-for-the-leuser-ecosystem/

●絶滅危惧種(スマトラゾウ)の生息地の皆伐と違法な火入れや森林破壊を続けている農園企業の事例。
https://www.ran.org/leuser-watch/elephant-habitat-under-fresh-attack/

2021年3月にも、スマトラゾウの移動経路の森林破壊を継続していることが確認された。
https://www.ran.org/leuser-watch/procter-gamble-other-brands-implicated-as-critical-rainforests-continue-to-fall-in-leuser-ecosystem/

●泥炭地での絶滅危惧種(オランウータン)の生息地への違法な火入れを行ったことで罰金支払い判決がでている農園企業の事例。
https://www.ran.org/leuser-watch/will-nestle-and-mars-intervene-to-protect-indonesias-peatlands/

注12)明治ホールディングス「明治グループ調達ポリシー:パーム油調達ガイドライン」
https://www.meiji.com/sustainability/policy/pdf/palm_oil_procurement_guideline.pdf
https://www.meiji.com/sustainability/policy/

 

団体紹介

レインフォレスト・アクションネットワーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境・森林保護で最前線に立つ人々とのパートナーシップと戦略的キャンペーンを通じて、環境保護と先住民族や地域住民の権利擁護活動をさまざまな角度から行っています。

熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は、マレーシア・サラワクでの熱帯林破壊の問題に取り組むため1987年に設立された団体。近年はインドネシアにおける紙・パルプやパーム油、サラワク産の合板製品を中心にキャンペーンを展開しており、サプライチェーンに連なる日本企業などへの働きかけを行っている。http://www.jatan.org

本件に関するお問い合わせ先
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
広報:関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org

声明:世界初、ネスレ「森林フットプリント」開示を歓迎(2020/12/11)

インドネシア・パーム油サプライチェーンで影響を受ける森林面積を公表

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)は、本日11日、世界最大の食品飲料企業ネスレがインドネシア・アチェ州のパーム油サプライチェーンにおける「森林フットプリント」を7日(米国時間)に開示した(注1)ことを受けて、「重要な前例となる」と歓迎しました。ネスレは特定地域におけるパーム油サプライチェーンの森林フットプリントを開示した最初の企業となり、高まる世論の声に応える形で公表されました。

ネスレが森林フットプリントを開示したアチェ州に広がる「ルーセル・エコシステム」

「森林フットプリント」とは、消費財企業による森林をリスクにさらす産品利用や、銀行による同産品への資金提供によって影響を受ける、または今後受ける可能性がある森林と泥炭地の総面積をいいます(別紙参照)。

今回のネスレの森林フットプリント分析は、自社サプライチェーン内で、皆伐の危機にさらされているアチェ州の森林および泥炭地の場所と面積を特定しています。その中にはアジア最大の熱帯林の一つである「ルーセル・エコシステム」注2)内の同社事業地も含まれています。また、パーム油の搾油工場はアブラヤシ農園の近くに併設される必要があることから、搾油工場から50キロメートル圏内でアブラヤシ栽培に適した森林地帯も特定しています。さらに先住民族や地域住民の権利が影響を受けてきたり、受ける可能性のある地域の特定も含んでいます。

●森林(89,667ヘクタール)
●泥炭地(8,000ヘクタール)
●搾油工場から50km圏内のアブラヤシ栽培に適した森林地帯(145万ヘクタール)

RAN森林政策ディレクター ジェマ・ティラック コメント

「ネスレがアチェ州の森林フットプリントを開示したことは重要な前例となります。森林保護はこれまで以上に喫緊の課題であり、気候危機による最悪の影響を止めるためには10年も残されていません。

これまで多くの企業が『森林破壊ゼロ』を約束し、2020年までに実現するはずでした。しかし現時点では森林をリスクにさらす産品の使用や、そのような産品事業への資金提供で受ける森林や地域コミュニティの影響について、正確で透明性ある説明をしている企業はありません。そのような中、ネスレが重要な森林地域の一つである『ルーセル・エコシステム』への影響を理解するための第一歩を踏み出したことは重要です。

今回の開示で重要な点は、ネスレが、地域コミュニティによって慣習的に利用されてきた森林を特定することの重要性と、自社パーム油サプライチェーンで地域住民が直面するリスクについて理解することの重要性を認識した点です。ネスレはまた、森林や泥炭地を劣化や破壊から守る上で、地域コミュニティが重要な役割を果たしていることも認識しています」

RAN日本代表  川上豊幸 コメント

「日清食品や花王といった日本企業もネスレの後に続く必要があります。両社のパーム油サプライチェーンには熱帯林や人権を犠牲にした生産に関与している問題企業が含まれていると考えられます。

消費財企業が森林フットプリント開示を進めるための最初の一歩として、まずはパーム油サプライチェーンにおける搾油工場リストなどの情報を開示する必要があります。しかし日清食品は搾油工場リストを公表していません。一方、花王は搾油工場リストを開示していますが、その情報開示は透明性を確保した形で適正かつ定期的に行わなければ、調達実態や対応状況の確認が困難になります。両社ともグローバル企業を目指すからには、サプライヤー企業を公表し、森林フットプリントを公開する必要があります」

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ネスレが森林フットプリントを開示したアチェ州に広がる「ルーセル・エコシステム」は、スマトラ・オランウータン、ゾウ、サイ、トラが野生下で共に生息する貴重な熱帯林です。同生態系は 400万人以上の地域住民に水と生計を提供し、炭素吸収源としても世界的に重要な生態系です。残された熱帯林の「管理人」として、先住民族と地域コミュニティの人々の土地権を確実にすることがこれまで以上に重要になっています。

ネスレは自社のアプローチを「森林破壊ゼロ戦略」から「フォレスト・ポジティブ」戦略への進化と呼んでいますが、今後、ネスレには以下のような取り組みが期待されます。

●調達先のパーム油企業による森林および泥炭地保護の促進に関わって計画を策定・実行し、地域コミュニティや現地政府と協力して住民の権利が法的に認められるように保証すること
●慣習林地域を特定する地図を作成し、地域コミュニティの土地使用権、土地権問題、未解決の紛争(コミュニティの土地でのアブラヤシ農園開発に反対する権利を尊重せず、そのために起こる対立)に理解を深めるために早急な措置を講じること
●今回の試験的取り組みを進め、世界の森林フットプリント分析・評価に拡大すること

RANは「キープ・フォレスト・スタンディング〜森林と森の民の人権を守ろう〜」キャンペーン対象企業(注3)を含め 、熱帯林破壊と人権侵害を助長する上で最も影響力のある企業に森林フットプリントを把握し、開示するよう呼びかけます。

注1) ネスレのウェブサイト “Towards a forest positive future”(英語)
アチェ州の森林フットプリント分析(英語)

注2)「ルーセル・エコシステム」は、インドネシア・スマトラ島のアチェ州と北スマトラ州に位置する260万ヘクタールの熱帯低地林である。世界クラスの生物多様性のホットスポットで、科学的に記録されている最も古く、生命豊かな生態系の一つである。

参考:RAN「インドネシア『ルーセル・エコシステム』をまもる」

注3)『キープ・フォレスト・スタンディング』キャンペーン対象企業
【消費財企業(10社)】日清食品、花王、ネスレ、ペプシコ、プロクター&ギャンブル、ユニリーバ、コルゲート・パーモリーブ、フェレロ、モンデリーズ、マース
【銀行(7社)】MUFG、JPモルガン・チェース、中国工商銀行(ICBC)、DBS、バンクネガラインドネシア(BNI)、CIMB、ABNアムロ

関連プレスリリース「2020新キャンペーン開始!『キープ・フォレスト・スタンディング:森林と森の民の人権を守ろう』〜17社の消費財ブランド&銀行を対象〜 」(2020/4/1) 

別紙「森林フットプリントについて

「森林フットプリント」とは?

森林フットプリントとは、消費財企業の森林リスク産品(※)利用や銀行による森林リスク産品への資金提供によって、これまでに影響を与えたり、今後与える可能性がある森林と泥炭地の総面積をいう。消費財企業と銀行の森林フットプリントには、サプライヤー企業や投融資先企業が取引期間中に関与した森林および泥炭地の破壊地域、さらにサプライヤー企業や投融資先企業全ての森林リスク産品のグローバルサプライチェーンと原料調達地でリスクが残る地域も含まれる。上記の森林および泥炭地が、先住民族と地域コミュニティに管理されてきた土地にある場合は、その先住民族と地域コミュニティの権利への影響も含む。

リスクにさらされている地域には、供給業者、投融資先企業、またはそれらに原料を供給する独立系企業の管理下にあるプランテーション(大規模農園や植林地)開発区域内の森林と泥炭地、そして上記企業のグローバルサプライチェーンの原料調達(工場、精製所、加工処理施設など の周辺地域)における伐採予定地や農業開発用に割り当てられた地域が含まれる。これらの全てが把握され、公開されている必要がある。

RANは、消費財企業および銀行が森林フットプリントを把握し開示するためには以下のようなステップを提案している。

1.情報開示
・自社サプライチェーンで森林リスク産品を調達している国、金融機関の場合は顧客企業の事業が森林リスク産品関連事業で活動している国を特定し、自社の年次報告書やサステナビリティレポートなどで情報開示する。
・優先すべき森林リスク産品の調達を行っている国・地域を選択する。当該地域で森林リスク産品を生産、加工、取引しているサプライヤー企業を特定し開示する。

2.森林・泥炭地減少へのリスクを調べる
・特定されたサプライヤー企業・企業グループからの調達や、当該企業への投融資によって、これまで影響を与えたり、今後与える可能性のある森林や泥炭地の総面積と位置を把握するために空間分析を行い、地図を作成する。
・作成した地図を自社の年次報告書、サステナビリティレポート、企業ウェブサイトなどで開示する。

3.地域域コミュニティの権利・土地紛争
・選択した調達国・地域でサプライヤー企業や投融資先企業の事業によって影響を受ける森林や泥炭地に居住する、先住民族や地域コミュニティの権利に及ぼす影響に関する情報を調査する。
・情報には先住民族や地域住民が伝統的に所有する森林や泥炭地に関する土地への権利、アクセス、利用および保全への影響を含む。
・これまで影響を与えたり、今後与える可能性のある森林や泥炭地の総面積と位置を把握するために空間分析を行い、地図を作成する。

4.2と3の統合
・森林減少のリスクに関して得た情報と、地域コミュニティへの影響と土地紛争に関するリスクをまとめた、国や地域ごとの「森林フットプリント地図」を完成し、開示する。

※森林リスク産品:森林破壊の原因の多くはパーム油、紙パルプ、木材製品などの産品生産で、これらの産品は森林を破壊するリスクがあることから「森林リスク産品」と呼ばれている。
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レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。 

本件に関するお問い合わせ先
広報:関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org

ブログ:三菱UFJが抱える重大なESGリスク

RANはMUFGアメリカズのニューヨーク本社前でアピール行動を行い、森林火災への資金提供停止を訴えた。2020年9月1日、写真:Erik McGregor

菅首相が日本の「温室効果ガスを2050年までに実質ゼロ」にすると10月26日に発表しました。この数カ月、HSBC、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バークレイズなど世界の銀行でも気候変動対策に関する公約を発表する動きが続いています。

一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は「持続可能な社会の実現に貢献する」と約束しているにも関わらず、実際は、森林破壊と気候変動を加速し、人々の生活を脅かしています。

このような問題に対応すべきESG(環境・社会・ガバナンス)与信方針について、今年4月にみずほフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が方針を改定し、その後5月にMUFGも改定しましたが、気候変動対策においては遅れを取ってしまいました。これではMUFGは「サステナビリティ・リーダー」にはなれません。

MUFGの投融資には、以下の3つの部門において様々なESGリスクを抱えています。

1. パーム油:熱帯林を破壊しているパーム油企業等に投融資

MUFGは、熱帯林や熱帯泥炭地の破壊を加速させているパーム油部門に、世界で最も融資している金融機関の一つです。熱帯林は二酸化炭素の吸収源として、そして大半の陸上生物多様性の生息地としても重要な役割を果たしています。また、泥炭地は「炭素の貯蔵庫」とも呼ばれ、気候へのインパクトは測り知れません。しかし熱帯林は、パーム油や紙パルプ等の生産のために急速に失われています。森を長年守ってきた地域住民の生活と権利も脅かされているのです。

MUFGは、熱帯林の重要性を認識しつつも、保護に必要な対策を十分に取らず、熱帯林や泥炭地の破壊に加担している企業に融資を続けています。世界クラスの生物多様性ホットスポットと知られるルーセル・エコシステムの熱帯林まで影響を受けています。これでは、2020年までに森林減少を阻止しようという国連「持続可能な目標」(SDGs)の目標15を実現することはできません。

インドネシア、スマトラ島・アチェ半島上空。Duta Rendra Mulyaによる森林破壊の光景

2.石炭:気候危機を悪化させている

MUFGは、石炭火力発電への投融資を段階的に廃止し、石炭火力向けプロジェクトファイナンスを2040年までに残高ゼロにすることを公約しました。しかし、MUFGは、国内外で批判の的になっているベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業(1,200メガワット規模)に融資しようとしています。このプロジェクトは今後数十年にわたって二酸化炭素を大気中に排出することになります。ブンアン 2 は座礁資産になるリスクが高く、建設されるべきではない理由が複数指摘されています。

3.オイルサンド・パイプライン:世の中の流れに逆行

MUFGは、オイルサンド部門でアジア最大の資金提供者です。カナダのアルバータ州から米国ミネソタ州の先住民の土地を通って五大湖につづく、問題の多い「ライン3」パイプラインの事業者であるエンブリッジに多額の資金を提供しています。このパイプラインがもしも建設された場合、平均的な石炭火力発電所の約50倍(!)もの二酸化炭素を排出することが予測されます。MUFGは、バイデン大統領が中止を約束した「キーストーンXL」パイプラインにも資金を提供しています。両方のプロジェクトは、先住民の権利と生活を脅かすため、先住民族の人々は強く反対しています。

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パリ協定が採択された2015年以降の4年間、MUFGは化石燃料部門に1,188億ドル(約12.7兆円)の融資・引受を提供し、その金額は世界6位、国内ではトップの金融機関でした。科学的知見によれば、パリ協定の目標を満たすためには「パリ協定と整合性のある金融機関原則」に沿って化石燃料の拡大と森林破壊を直ちに止める必要がありますが、MUFGはこのような約束を一切していません。

MUFGが真の「サステナビリティ・リーダー」になるには、社会的責任を果たしている他の大手金融機関のベストプラクティスを見習い、ESGに関する投融資方針とその実施を次のように強化する必要があります:

1.森林、特に熱帯林に影響を及ぼす林業・農業関連企業には、ベストプラクティスである「森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(NDPE)」基準遵守を要求すること

2.パリ協定の1.5度目標に沿って、化石燃料への投融資を段階的に停止し、化石燃料を拡大させる投融資は直ちに止めること

3.人権、特に先住民族と地域コミュニティの権利を尊重し、人権侵害を起こすプロジェクトには投融資をしないこと

4.高リスク部門をはじめ、ESGリスクの管理・監督の実効性を向上すること

もっと知りたい方はこちらへ:

熱帯林破壊・森林火災への投融資について

化石燃料への投融資について

NGO共同声明:三菱UFJ、石炭火力向けプロジェクトファイナンス残高ゼロ目標 (2020/10/16)

依然パリ協定と整合せず、邦銀の遅れ目立つ

(English follows Japanese)

本日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)がサステナビリティレポートを公表し(注1)、「2019年度末時点で3,580百万米ドルの石炭火力発電向けプロジェクトファイナンスの貸出金残高を2030 年度に2019 年度比 50% 削減、2040年度を目途にゼロにする(但し、MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークに基づき、脱炭素社会への移行に向けた取り組みに資する案件は除外)」との目標を掲げました。これは、本年4月および7月にそれぞれ同様の目標を掲げた、みずほフィナンシャルグループ(注2)、三井住友フィナンシャルグループに続いての発表であり、邦銀大手3行の足並みが揃った形となります。

 これは一定の前進ではあるものの、気候危機の緊急性を鑑みれば、不十分な目標設定としか言わざるを得ません。早急にさらなる厳格な目標設定と方針改訂が求められます。MUFGも署名している国連責任銀行原則(PRB)では、パリ協定と持続可能な開発目標(SDGs)にビジネス戦略を整合させることが謳われていますが、この度MUFGが掲げた目標は、時間軸の長さ、並びにスコープの狭さの両面で大きな問題があります。また、邦銀の石炭方針は、海外の金融機関と比べても依然低い評価に留まっています(注3)。

 最新の科学によれば、パリ協定の1.5度目標を達成するためには、先進国では2030年までに、途上国であっても2040年までに石炭火力発電所の運転を完全に停止する必要があります。償還期間を過ぎても何十年も石炭火力発電所が稼働し続けることを鑑みれば、与信残高ゼロはより早期に達成される必要があります。また、今回の目標では依然として、新規の融資契約の余地が残されています。新規の石炭火力発電所は、世界中で1基たりとも建設の余地のないことが科学的にも明らかとなっていますが、邦銀によるブンアン2(ベトナム)などの新規融資検討が懸念されています。同事業はパリ協定の目標と整合しないだけでなく、経済合理性の欠如、現地の環境汚染や住民への人権侵害など、様々な問題が指摘されています。新規石炭火力発電事業への融資を例外なく停止する方針を早急に掲げるべきです。

 また、スコープをプロジェクトファイナンスに限定し、コーポレートファイナンスを対象外としていることも問題です。石炭採掘を含む石炭火力のバリューチェーン全体を網羅したコーポレートファイナンス(注4)も対象に含めるべきであり、パリ協定に整合的な時間軸でのフェーズアウト戦略を掲げるべきです。海外では、顧客にパリ協定に整合的な時間軸での移行計画の提出を求めるエンゲージメントを行い、計画が不適格であればダイベストメントするという流れが加速しています。これは一例ですが、エンゲージメントを効果的に行うためにも、まず金融機関がパリ協定に整合的な戦略・目標のロードマップを示す必要があります。注5

 さらに、石炭火力だけでなく、炭素排出量の多い他の化石燃料関連事業や土地利用に関わる(注6)事業および企業に対する資金提供の停止や残高削減の方針も掲げるべきです。

注1) https://www.mufg.jp/dam/csr/report/2020/ja_all.pdf

注2) 4月公表の同グループの方針では、2050年までの目標設定だったが、6月に開催された年次株主総会で2040年を目処に達成できるという趣旨の発言がなされた。

注3) 欧州やアメリカ、シンガポールの銀行と比べても邦銀の石炭方針は低い評価となっている。https://coalpolicytool.org/ 
(参考:https://world.350.org/ja/press-release/200908/

注4) 石炭火力発電への依存度が高い企業・新規発電所および関連インフラ建設を計画中の企業向けの融資、株式や債券の引受・投資など。

注5) パリ協定と整合的な目標設定とロードマップを示そうとしている例として、仏BNPパリバの取り組みが挙げられる。https://350jp.org/tcfd/

注6) IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の2019年「土地関係特別報告書」(https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/190809.html)では、農業、林業、その他土地利用による排出量が、人間活動による排出量の約23%を占めており、このうち、熱帯林減少による排出量が最も問題であるとされた。http://japan.ran.org/?p=1517

国際環境NGO 350.org Japan
気候ネットワーク
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
国際環境NGO FoE Japan
メコン・ウォッチ
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

<本件に関するお問い合わせ>
国際環境NGO 350.org Japan 渡辺瑛莉 japan@350.org

‘Inadequately aligned with Paris Agreement, Mitsubishi UFJ Financial Group lags far behind its international peers’

No Coal Japan coalition responds to banking giant’s new climate goals

Joint Press Statement
October 16, 2020

350.org
Kiko Network
Japan Center for a Sustainable Environment and Society (JACSES)
Friends of the Earth Japan
Mekong Watch
Rainforest Action Network
Greenpeace Japan

Japan — Today, Mitsubishi UFJ Financial Group (MUFG), the largest banking institution in Japan, released its Sustainability Report (Japanese version only), stating its goal of erasing US$3.58 billion loan balances for coal-fired power projects by 2040. This announcement follows those of its Japanese peers, Mizuho Financial Group and Sumitomo Mitsui Financial Group, which set the same goal in April (1) and July this year respectively.

In response to the announcement, the No Coal Japan coalition, formed by several civil society groups, including 350.org, Kiko Network, JACSES, FoE Japan, Mekong Watch, Rainforest Action Network and Greenpeace Japan, said:

“While this is a step forward for MUFG, this goal is inadequate given the urgency of the climate crisis, and the impact of coal-fired power plants and other fossil fuels on health amidst the COVID-19 pandemic. There is an urgent need for stricter goal setting and fundamental policy revisions in Japan’s financial sector.

The standard of Japanese banks’ coal policies including MUFG remains low as compared to overseas financial institutions. MUFG is also one of the signatories of the UN Principles for Responsible Banking (PRB), which stipulates that the signatory banks should align their business strategies with the Paris Agreement and the Sustainable Development Goals (SDGs).

The goal set by MUFG is problematic in both a lengthy timeline and narrow scope. According to the best available science, coal-fired power plants need to be completely shut down by 2030 in developed countries and by 2040 in the rest of the world to limit the warming of the Earth to1.5 degrees, aligning with the Paris Agreement. Given that coal-fired power plants will continue to operate for decades beyond the redemption period, a zero-loan balance needs to be achieved much sooner.

In addition, the goal still leaves room for financing new coal fired power projects. It is scientifically clear that there is no room for the construction of any new coal-fired power plant in the world. However, there are concerns that Japanese banks are considering new loans such as the coal-fired power station Vung Ang 2 in Vietnam.

“Not only is the project inconsistent with the goal of the Paris Agreement, it lacks economic profitability, and will pollute the local environment and violate the basic human rights of the local communities. To align with Paris goals, MUFG should urgently put in place a policy to suspend financing for all the new coal-fired power projects without exception.

The scope of the goal set by MUFG is limited to project financing and not applied to corporate financing. Corporate financing (2), which covers the entire value chain of coal-fired power including coal mining, should be included along with a phase-out strategy with a timeline consistent with the Paris Agreement. Internationally, there is an accelerating trend where banks ask their customers to submit a transition plan on a timeline consistent with the Paris Agreement, and divest from clients with inadequate transition plans. To effectively facilitate this process, financial institutions must first set a roadmap of strategies and goals that are consistent with the Paris Agreement.

Furthermore, in addition to coal-fired power, policies to stop funding other high carbon emitting sectors such as other fossil fuel sectors and land-use-related sectors (3), and targets to phase-out from those sectors should be put forward.

Notes to editors:

(1) In April, Mizuho Financial Group announced its goal of erasing its outstanding credit balance for coal-fired power projects by 2050. However, during its Annual Shareholders’ Meeting in June 2020, the group commented that this goal could be achieved by 2040.

(2) Loans, underwritings, equity and bond investments for companies heavily reliant on coal mining/coal-fired power and companies who have expansion plans for new coal mining/coal-fired power plants and related infrastructures.

(3) According to the IPCC Special Report on Climate Change and Land (2019), emissions from agriculture, forestry and other forms of land use make up 23% of total emissions from human activities, with deforestation in tropical regions being singled out as the biggest carbon emitter from the land-use.

Contacts:
Asia Pacific: Nicole Han, +65 9828 1538, nicole.han@350.org
Global: Nathalia Clark, +55 61 991371229, nathalia@350.org

メディア掲載:オルタナで「ルーセル・エコシステム」調査事例が言及されました

オルタナ「花王が小規模パーム農園の生産支援、インドネシアで」(2020年10月14日)〜RANのインドネシアでの調査事例が言及されました。

「花王は10月14日、インドネシアの小規模パーム農園の生産性を向上させ、RSPO(持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議)認証取得を支援するプログラム「SMILE」を発表した。現地で油脂製品製造・販売を手掛けるアピカルグループ、農園会社アジアンアグリと協働で実施する」>>続きを読む

**関連するRANのプレスリリース**

プレスリリース「花王と三菱UFJ、インドネシア『ルーセル・エコシステム』森林破壊に加担 〜取引先 RGEグループが森林破壊企業からパーム油調達〜」(2020/9/29)

ルーセル・エコシステムで造成作業をする掘削機、インドネシア ・アチェ州、2020年6月10日