サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘土地紛争’カテゴリーの記事一覧

メディア掲載:雑誌『日経ESG』でRANのインドネシア・パーム油農園での調査が紹介されました(2018/12/8)

雑誌『日経ESG』1月号「NEWS 持続可能な調達:甘さが露呈した日本企業のリスク管理、人権侵害でRSPOが制裁」(2018年12月8日)〜RANによる、インドネシアの食品大手インドフードの農園における人権侵害の調査について紹介されました〜

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関連情報

緊急プレスリリース:パーム油大手インドフード、労働権侵害でRSPOの制裁措置 (2018/11/5)

インドフードの農園で働く少年 ©RAN

プレスリリース:RANとボルネオオランウータン、東京都とJSCに通報〜新国立など五輪会場の木材、オランウータン生息地に深刻な危害〜(2018/11/30)

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日30日(米国太平洋時間29日)、ボルネオオランウータンとインドネシア熱帯林に代わって、東京都と日本スポーツ振興センター(JSC)に、東京五輪会場建設での熱帯材合板の使用が絶滅の危機にあるボルネオオランウータンの生息地を含むインドネシアの貴重な熱帯林を破壊しているとして、苦情を通報しました(注1)。本苦情は、30日から東京で行われる国際オリンピック委員会(IOC)理事会に合わせて提出されました。理事会では東京2020大会の準備進捗について話し合われる予定です。

今回の苦情申し立ては、東京五輪の「持続可能性に配慮した木材の調達基準」と「持続可能性に配慮した調達コード」にサプライヤー企業や契約企業が違反したとして、新国立競技場を運営するJSCと、有明アリーナを運営する東京都に通報しました。東京2020組織委員会は持続可能性の観点から、合法的に伐採され、「生態系の保全に配慮」し、先住民族と地域住民の権利や労働者の安全対策に配慮した「中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来する」木材の調達をサプライヤー企業に求めています(注2)。この苦情は両機関の通報窓口を通じて提出されたと同時に、RAN本部があるサンフランシスコの日本国総領事館へも、オランウータンの着ぐるみを着たRANスタッフによって提出されました。

【苦情の概要】
通報者:ボルネオオランウータン、インドネシアの熱帯林、レインフォレスト・アクション・ネットワーク
被通報者:住友林業などサプライヤー企業、建設会社、設計会社など契約企業数社
通報先:東京都、日本スポーツ振興センター(JSC)※各機関に1通ずつ
内容:熱帯林とオランウータン生息地の破壊
今年5月11日、インドネシアの大手伐採会社コリンド・グループのバリクパパン工場で製造された合板が有明アリーナの建設現場で見つかり、その合板は住友林業によって輸入されていたことが明らかになった(注3)。同工場が2017年に供給した木材の約4割は、植林やアブラヤシ農園、石炭採掘のための皆伐(「転換材」)に由来している。同工場の調達先には東カリマンタン州のオランウータン生息地で皆伐された熱帯林も含まれた。住友林業は、新国立競技場の建設にもインドネシア産合板を提供し、提供した木材に転換材が含まれたことを認めたため、コリンド材が新国立競技場に利用された可能性は高い。RANは東京五輪の木材サプライチェーンを調査し、コリンド社が新国立競技場及び有明アリーナのインドネシア産合板の全部ではないとしても一部を供給していることを新報告書「守られなかった約束」で明らかにし、それに基づいて通報した。

 

今回の通報に先立ち、RANはWALHI北マルク(ワルヒ:インドネシア環境フォーラム)、Tukインドネシア(トゥック)とともに、東京2020組織委員会、JSC、東京都に、合計4件の苦情を通報しました(注4)。東京五輪施設建設用に、コリンド社の調達した木材が、同国北マルク州の地域コミュニティの土地所有者たちの土地権を侵害しているため、調達基準を違反していることを指摘しました。この主張は今月12日に発表した報告書「ペリラス:コリンド、土地強奪と銀行」(注5)に基づいています。また、RANはオンライン署名「The Olympics vs. the Orangutan(オリンピックvsオランウータン)」も展開し(英語、注6)、IOCと東京五輪関係機関に、コリンドのような問題ある企業からの木材調達を禁止し、合法で持続可能な木材の使用を求めています。11月12日の実施以来、米国を中心にほぼ2万5千人の賛同が集まっています。

RANのシニア・キャンペーナー ハナ・ハイネケンは「東京五輪のためにコリンド社の木材を使用することは、東京2020大会の『持続可能性に配慮したオリンピックの実現』という約束に違反します。さらに、2020年までに森林破壊を止めるという持続可能な発展目標(SDGs)の実現をも危うくしています。苦情に記載した違反行為は非常に残念なものですが、明らかになったからには、東京五輪関係機関、日本政府、企業が過ちから学び、このような環境破壊が今後繰り返されないための重要な機会とすることが必要です」と訴えました。

東京2020組織委員会は、NGOからの度重なる要請にこたえる形で、大会の会場建設に使用された熱帯材合板の産地などを公開しました(注7)。2018年5月末時点で、マレーシアとインドネシアの熱帯材合板の少なくとも134,400枚(一般的なサイズは91センチ x 182センチ)が、コンクリートを固めるための型枠に使用されています。これには非認証のインドネシア産合板が大量に含まれ、新国立競技場の建設に110,200枚、有明アリーナ(バレーボール競技場)の建設に8,700枚が使われています。

1990年以来、インドネシアでは2,500万ヘクタール以上の熱帯林が失なわれました。日本は数十年間、インドネシア合板の最大の輸入国です。熱帯林の破壊で、インドネシアは温室効果ガスの主要排出国になりました。10月に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な「1.5度特別報告書」が発表され、12月の気候変動枠組条約締約国会議(COP24)までのこの期間、IOC理事会と東京2020大会主催者が取るべきアクションには重要な意味があります。

東京五輪の木材調達基準は現在改定中です(注8)。東京2020組織委員会の改定案では、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除を明記し、サプライヤーが伐採地までのトレーサビリティを確保するよう推奨しています。しかしながら、ハイネケンは「コリンド社の木材の使用で明らかになったように、現在の調達基準はあまりにも弱く、容認できません。26日に承認された木材調達基準の改定案でも、インドネシアとマレーシアで森林破壊が加速する要因となっている、日本での熱帯材合板消費におけるデューデリジェンス(相当の注意による適正評価)の欠如には対応できていません。基準を強化するための努力が待たれます」と強調しました。

注1)調達コードに係る通報受付窓口の設置について
注2)「持続可能性に配慮した木材の調達基準」
注3)RANプレスリリース「新報告書『守られなかった約束』発表 〜東京五輪木材供給企業コリンドの熱帯林破壊、 違法伐採、人権侵害が明るみに〜 」
注4)4件の苦情は11月23日と26日に提出。詳細はお問い合わせ下さい。
注5)RAN「ペリラス:土地収奪と銀行」、2018年11月12日
RANは、コリンド社の事業全般における違法行為、環境破壊、コミュニティの権利侵害に関する証拠を明らかにした。
注6)オンライン署名URL
注7)東京2020組織委員会「コンクリート型枠合板の調達状況について」
注8)持続可能な調達ワーキンググループ、第27回 資料(2018年11月26日)

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レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

メディア掲載:毎日新聞でRAN川上豊幸のコメントが紹介されました(2018/11/27)

毎日新聞、「東京五輪:木材の調達基準見直しへ 農園開発で伐採は禁止」(2018年11月27日付)〜東京五輪「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定でRAN川上豊幸のコメントが紹介されました〜

「2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は26日、木材の調達基準に関する作業部会を開き、同委員会が今後発注する施設に使う木材について、インドネシアなどのパーム農園開発などに伴って伐採された木材の使用を禁止する方針をまとめた。続きを読む

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「声明:東京五輪『持続可能性に配慮した木材の調達基準』改定〜SDGs目標、2020年まで『森林破壊ゼロ』達成には不十分〜」(2018/11/27)

メディア掲載:東京新聞でRAN東京五輪木材関連の調査が紹介されました(2018/11/26)

東京新聞「東京五輪会場『違法木材』使用か 環境団体が組織委などに通報」(2018年11月26日付)〜RAN「守られなかった約束」での調査などが紹介されました〜

「2020年東京五輪・パラリンピックの会場となる新国立競技場や有明アリーナの建設工事に、インドネシアで違法伐採された木材が使われている可能性があるとして、現地の環境団体が組織委員会などに通報したことが26日、分かった。違法な木材の使用禁止や第三者による調査など、適切な対応を求めている。記事を読む

メディア掲載:雑誌『DAYS JAPAN』にRANが寄稿しました(2018/11/20)

雑誌『DAYS JAPAN』12月号「特集不都合な東京オリンピック:インドネシア・現地ブラック企業から買い付ける木材、森林伐採天国からの悲鳴」(2018年11月20日発売)〜RANが寄稿しました〜

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プレスリリース:紙パルプ調達方針実施に積極的な企業ランキング発表『紙の約束を超えて』(2018/6/14)

〜オフィス用品・出版社・ファッション企業13社を評価 アスクルは最下位グループに~

サンフランシスコ発ーー環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日14日(現地13日)、オフィス用品企業、出版社、ファッション企業13社を対象に、紙パルプ調達方針の実施状況を評価した新報告書『紙の約束を超えて』(”Beyond Paper Promises” 、注1、2)を発表しました。調査の結果、13社全てが調達方針を定めているにも関わらず、ほとんどの企業で具体的な取り組みが進んでいない現状が明らかになりました。日本企業ではアスクルとリコーが対象で、アスクルは各項目で評価は低く、高リスクなサプライヤーから紙の調達も続けており、最下位グループ「要緊急改善」となりました。

紙パルプ調達方針実施に積極的な企業ランキング

  • 「トップリーダー」(1社):スカラスティック
  • 「リーダー」(3社):エル・ブランズ、マクミラン、アシェット
  • 「要改善」(6社):ディズニー、ハーパーコリンズ、ラルフローレン、ステープルズ、リコー、アバクロンビー&フィッチ
  • 「要緊急改善」(3社):アスクル、オフィスデポ、ペンギン・ランダムハウス (注2)

本調査は、2018年2月から3月にかけて、調査票を送付し、返送を依頼する形で実施しました。採点方法は100点満点とし、特別加点として「アドボカシー」を加えた、以下の6項目で評価しました。
※各社の実際の点数は公表していません。

A)調達方針(20点)
B)実施計画(15点)
C)効果的な実施体制(20点)
D)サプライチェーンの追跡可能性、評価、行動(30点)
E)検証、モニタリング および報告(15点)
F)アドボカシー(責任ある調達の推進活動、特別加点10点)

各グループの特徴は以下の通りです。

  • トップリーダー、リーダー:自社の調達方針が、現地で実際に変化をもたらすよう、以下の積極的な措置を講じている。
    • 天然林由来の原料の使用を中止している
    • 報告システムや苦情処理手続きを開発している(有効性は未確認)
    • 持続可能性に関わる人員と体制への投資を増やしている、など
  •  要改善:取り組みの改善は必要だが、明らかに前進を示している。
  • 要緊急改善:調達方針で約束していることを現地での改善につなげていく努力が遅く、緊急に措置を講じる必要がある。

RAN森林シニアキャンペーナー ブリアナラ・モーガンは「企業が調達方針での約束を守らない結果として、森林や森林から生活の糧を得ている人々が被害を直接受けています。先住民族や地域住民は、既存の産業植林事業や植林地拡大のために土地や森林を失い続け、 基本的人権が尊重されていません。手付かずだった森林は伐採され、炭素を多く含む泥炭地が燃やされ、環境面での被害も深刻です」と批判しました。

また、RAN日本代表の川上豊幸は「アスクルは、高リスクのサプライヤーであるAPP社(Asian Pulp & Paper)から今も大量の用紙を調達しています。国際的な森林認証制度である『PEFC認証』を得ていたとしても、問題は山積みしているのが現状で、これらの問題を知りながら長年にわたって購入を継続しているアスクルの責任は重いものです。APP社が現地コミュニティの人権を尊重して社会的紛争を解決し、救済措置を講じるよう、購入停止も含めた影響力の行使がアスクルには求められています」と訴えました。

インドネシアの森林は、世界でも重要な生物多様性を誇り、気候変動の緩和においても重要です。同国における高い森林減少率、森林セクターでの大きな温室効果ガス排出、及び人権侵害は、主に産業植林などの大規模なプランテーション開発で引き起こされています。RANは対象企業に、期限付きの測定可能な改善目標を定め、進捗状況を監視して適切な処置を講じ、企業間でベストプラクティスを共有することなどを提言しています。

注1)『紙の約束を超えて』(”Beyond Paper Promises” レポート全文、英語)

注2)『「紙の約束を超えて」ブリーフィングペーパー』(日本語)

注3)業種別対象企業:オフィス用品企業(アスクル、リコー、ステープルズ、オフィスデポ)、出版社(スカラスティック、エル・ブランズ、マクミラン、アシェット、ディズニー、ハーパーコリンズ、ペンギン・ランダムハウス)、ファッション企業(ラルフローレン、アバクロンビー&フィッチ)

参考資料:RANブログ『APP 社は約束を果たすべき時だ』(2017年5月13日)

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)