森林

森林は、私たち人間と地球の存続に必要不可欠

熱帯林は生物多様性の宝庫です。その豊かさは計り知れません。ジャガー、ゴリラ、ゾウ、オランウータンなど、地球上でここでしか見られない野生生物の生息地です。

熱帯林には、私たちに必要な空気や水を浄化する働きがあります。また、何千年にもわたって森と共に暮らし、森を守り続けてきた数百万人もの先住民族や地域のコミュニティに、暮らしの手段や食糧、住まい、薬などの恩恵をもたらしてきました。

現在、「気候カオス(混乱)」とも呼ばれる大規模な気候変動が世界中を襲い、各地に甚大な被害をもたらしています。原因の一つは、人間が産業活動によって排出する二酸化炭素(CO2)の増加です。熱帯林はCO2を吸収し、本来あるべき場所、すなわち樹木の体内と土壌の中に炭素として大量に蓄積します。つまり、熱帯林は気候カオスから私たちを守る自然の守り手なのです。

現在、世界で最も多くの熱帯林が残されている地域はインドネシア、アマゾン、コンゴ盆地です。その地域の熱帯林では、生い茂る木々、何世代もかけて形成された分厚い泥炭土壌、驚くほど多様な植物や野生生物、そして人々によって構成される複雑な生態系を見ることができます。(写真:Paul Hilton)

急速に進む森林破壊

熱帯林は、地球上の全ての生命にとって必要な、私たちみんなのかけがえのない資源です。しかし、私たち人間も含めた全ての生命の未来は、危機に瀕しています。

現存する世界最大の熱帯林は、それぞれ別の大陸にありますが、共通した脅威に直面しています。それは、大企業による森林破壊です。利益を最優先する大企業がこれまでにない勢いで熱帯林を伐採し、多くの場合、人権侵害も同時に引き起こしながら、森林と人権を犠牲に莫大な利益を上げています。パーム油、大豆、カカオ、紙パルプ、木材、牛肉といった産品を安価に生産し、目先の利益を得るために、先住民族や地域のコミュニティから土地を奪い、森林を破壊しているのです。

企業の果てしない利益追求によって熱帯林が焼き払われ、ブルドーザーで切り倒された結果、絶滅危惧種の野生動物は生息地と個体数が減少し、危機に瀕しています。さらに、気候変動の解決策となるはずだった森林は急激に減少し、それまで樹木や土壌の中に蓄えられていた膨大な炭素が森林破壊によって大気中に放出されています。いま、気候変動はますます悪化しているのです。

また、企業による森林破壊は、何世代にもわたって森と共に生き、森を守ってきた先住民族や地域コミュニティにも被害を及ぼしています。食糧や水の供給を妨げ、感染症をもたらし、生活様式を脅かしています。

気候危機の悪化を防ぎ、私たち人間にとって必要不可欠な熱帯林。それを守るために矢面に立ってたたかう彼ら先住民族と最前線のコミュニティこそが、地球で暮らす私たちの生命を守っているといえます。

森林破壊を止めるために

企業の欲望が熱帯林破壊を引き起こしている

なぜ熱帯林は破壊されているのでしょうか? 答えは明らかです。私たちが日常的に使用し、スーパーやドラッグストアの棚に並ぶ商品にはパーム油、大豆、牛肉、紙パルプ、木材、カカオなどの農林産物が使用されています。できるだけ商品を安価に生産し、最大の利益を追求する企業の尽きない欲望が、森林破壊を引き起こしているのです。また、これら企業のビジネスに資金提供することで利益を得ている金融機関も、森林破壊に拍車をかけています。

私たちに身近なトイレットペーパー、チョコレート、洗剤などの日用品の多くは、生命力あふれ、豊かな生物多様性を育む熱帯林が、焼き払われ、ブルドーザーで倒され、切り開かれ、一種類の作物のみを生産する「単一栽培」用の農地へと転換されて製造されています。なかには、誰もが知っているような有名企業の製品も、たくさんあります。これらの製品は気軽に購入でき、すぐに消費されるものですが、対して熱帯林の深刻なダメージは、長期的かつ広範囲に及んでいるのです。

熱帯林は、私たちに必要な空気と水を提供し、また、気候変動の原因となる大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収してくれます。世界の生物多様性の半分は熱帯林に生息しており、地球上の他のどこにも存在しません。熱帯林はまた、何千年もの間、森と共に生き、森を守ってきた先住民族が暮らす場所でもあります。生きるために熱帯林を必要としているのは絶滅危惧種だけではありません。私たち人間も含めた全ての生命です。

企業が目先の利益を優先して、森林を本気で守らなければ、私たちみんなから森林を奪い、文字通り世界をより危険な場所にしているのです。

力を合わせて森林を守ろう

どうすれば森林破壊を止められるのでしょうか? それには皆さんの力が必要です。共に声を上げ、企業に対して、森林を守り、先住民族の権利と人権を尊重するよう、様々な方法で訴え続けることが、森林破壊を食い止めるのです。

みんなが力を合わせる中で、巨大な消費財企業銀行の方針と行動が、一つひとつ改善されるたびに、業界や産業全体にもポジティブな影響を及ぼします。原料調達に始まり、製造、在庫管理、配送、販売などを通じて、商品が消費者の手元に届くまでの一連の流れ、すなわち「サプライチェーン」(供給網)全体がより良くなっていくのです。

私たち、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)の役割は、人々の力を集め、その「ピープルパワー」(人々の力)で、森林破壊と人権侵害をなくすよう企業に対して世論の圧力を強めていくことです。

同時に私たちは、熱帯林で暮らす先住民族や地域のコミュニティの権利を向上させ、擁護することにも取り組んでいます。彼らは森林を守るために欠かせない、最もすぐれた「森の守り手」なのです。それは歴史が証明しています。私たちが彼らを支援することは、彼らが守る熱帯林を支援することと同じ意味を持ち、私たちの気候と未来を守ることにつながります。

私たちは森林をこれ以上の開発から守り、手付かずの状態で将来に残さなければなりません。最も差し迫った被害に直面している最前線のコミュニティや先住民族の権利を守らなければなりません。「これ以上森林を切り倒してはいけない」「これ以上コミュニティの土地を奪ってはいけない」と、越えてはならない一線を企業に示さなければならないのです。(写真:Nanang Sujana)