気候変動

世界的な気候危機は、人権の危機

干ばつ、暴風雨、海面上昇。すでに世界中の何千万人もの人々が、気候変動の影響に直面しています。

石炭、石油、ガスなどの化石燃料を燃やすと、大気中に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが放出され、地球の表面が急速に温められます。これによる気候変動は数十年前から、地球上のすべての人々や生物に影響を及ぼす世界的な危機となっています。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2023年、将来の甚大な被害を防ぐには、2030年までに世界のCO2排出量を半減させる必要があると発表しました。残り5年を切っています。

気候変動による異常気象は今や日常茶飯事。食い止めるために私たちができることは?

気候破壊を直ちに食い止めるためには、CO2など温室効果ガスの排出をゼロにし、さらにすでに大気中に存在する温室効果ガスも除去する必要があります。大気中のCO2を吸収してくれる森林は、気候危機の最も重要な解決策のひとつです。森林を守り保全することは最優先事項です。

森林は、企業による伐採以外にも、森林火災、暴風雨、昆虫の大発生、外来種の増加などといった気候変動による悪影響も受けています。 気候変動の影響を緩和することは、森林を保全するためにも重要です。

この気候変動という生存の危機を乗り越えるためには、企業や金融機関に対して、気候変動に拍車をかけるビジネスから撤退し、森林を守るよう要求しなければなりません。

そして私たちは、未来の世代が気候変動の影響に今以上に苦しむことがないよう、目先の利益を優先する流れを変え、権利を侵害されてきた人々のために正義を実現し、公正で存続可能な未来を創造できると信じています。(写真:© Marizilda Cruppe / Greenpeace)

気候を破壊する資金の流れを止める

銀行は気候危機の資金源となっている。

国連によると、気候危機の最悪の影響を食い止めるには、2030年までに世界のCO2排出量を半減させる必要があります。期限までにはもう5年も残っていません。この緊急事態にもかかわらず、私たちが行っている世界的な調査では、世界の大手銀行がCO2の排出源となる化石燃料の拡大に巨額の資金を提供し続け、気候変動に拍車をかけていることが明らかになっています。このままでは近い将来、地球が修復不可能な状態になってしまいます。

2025年に発表された調査結果では、気候変動を阻止するという世界的な約束である「パリ協定」が2016年に採択されたにも関わらず世界の大手銀行65行は、2021年から2024年の間、化石燃料に合計で約1兆6,000億米ドルを投じていることが明らかになっています。なかでも日本のメガバンク3行は、化石燃料への世界有数の支援銀行で、2024年の金額は、みずほフィナンシャルグループ(みずほ)が4位、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は6位、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は11位でした。65行のうちの3行のみで全体の資金提供額の12%を占めました。

化石燃料事業は収益性が高いため、どの大手銀行も、自分たちが気候変動に悪影響を与えている現状を根本的に改善できていません。今すぐ利益を得続けたいからです。

最高気温は頻繁に更新され、異常気象災害は頻発し、被害に遭う地域の数は増加しています。大手銀行は、化石燃料へのやみくもな投融資が人びとや地球に与えるこのような影響を無視し続け、化石燃料への資金提供から数十億ドルもの利益を得てきました。

つまり、銀行がこのまま化石燃料に資金を提供し続ければ、気候危機を解決できないのです。 (写真:Masaya Noda)

世界の大手銀行は、気候変動への資金提供を中止すべき

大手銀行は、気候変動を悪化させる事業への資金援助を、永久に完全停止しなければならない。代替案も時間の猶予も残されていないのだから。

銀行は、自行の投融資を見直すことができます。巨大企業や銀行が、利益よりも人や地球を優先する事業へ舵を切るのを私たちは何度も見てきました。投融資の方向性を変えることは可能なだけでなく、私たちが生存可能な未来を築くために必要なことです。

RANの支援者と協力者らは、石炭が人や地球、そして今や銀行にとっても不利な投資であることを明らかにすることで、石炭産業への資金提供を停止するよう銀行を動かしてきました。これまで合計53行のグローバル銀行が、石炭からの脱却に向けて新たな方針を打ち出しています。しかし、私たちが生きていける状態に地球を維持するにはまだ十分ではありません。

そのため、私たちは化石燃料への投融資を行う世界最大の銀行である北米や日本の銀行への働きかけを開始しました。気候危機に拍車をかける資金提供を止めること、つまり全ての化石燃料事業から速やかに撤退し、クリーンエネルギーへの公正な移行への道をひらくよう求めています。(写真:© Erik McGregor)