朝日新聞でRAN/NGO共同声明が紹介されました(2018/7/24)
朝日新聞「石炭火力投融資、大手銀が見直し 環境への配慮、無視できず」(2018年7月24日付)〜RAN/NGO共同声明が紹介されました〜
「地球温暖化への悪影響が指摘される石炭火力発電への投融資を厳しくする動きが、大手銀行の間で出始めた。海外を中心に高まる石炭火力への批判へ配慮を迫られた格好だ。ただ、日本政府は石炭火力を推進しており、大幅な方針転換は簡単ではない。記事を読む
サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です
「地球温暖化への悪影響が指摘される石炭火力発電への投融資を厳しくする動きが、大手銀行の間で出始めた。海外を中心に高まる石炭火力への批判へ配慮を迫られた格好だ。ただ、日本政府は石炭火力を推進しており、大幅な方針転換は簡単ではない。記事を読む
(English follows Japanese)
三井住友信託銀行が、国内外の石炭火力発電事業へのプロジェクトファイナンスに原則新規融資をしない方針を7月23日発行の統合報告書の中で明らかにした。これまでに日本の3大金融グループが発表してきた方針は一部の石炭火力発電プロジェクトへの融資制限(注1)に留まっていたため、今回の方針はそれらより大きく進んだものである。三井住友信託銀行が日本生命と並んで(注2)、日本の金融機関及びアジアに本部を置く金融機関の中で最先端の方針を掲げる金融機関の一つとなったことを歓迎する。
しかし、同方針の中で「例外的に取り組みを検討していく場合は、OECDガイドラインやプロジェクトの発電効率性能など、より環境負荷を考慮した厳格な取組基準の下、個別案件ごとの背景や特性等も総合的に勘案し、慎重な対応を行います」との例外規定を設けている点は問題がある。OECDガイドラインは非常に緩い基準であり、高効率の石炭火力発電設備であってもパリ協定と整合しないことは明確であることから、この例外規定は方針自体の意義を無効化しかねない。NGOとしては、三井住友信託銀行がこの例外規定を削除することを求める。
また、三井住友信託銀行には、石炭火力プロジェクトファイナンスへの参加停止のみならず、石炭火力発電に関与する企業からの株式投資引き揚げ(ダイベストメント)や新規の企業融資・引受の停止を行うことによって、さらなるリーダーシップを発揮していただきたい。
注1)NGO共同声明「『わずかな進歩だが、パリ協定目標達成には不十分』〜三井住友銀行が新融資方針を公開、石炭火力の制限示すも”例外”に言及〜 」(6月21日)
NGO共同声明「みずほFG新投融資方針策定、気候変動リスク管理に対する小さな前進」(6月14日)
NGO共同声明「『小さな前進、しかし具体的な取り組み内容の向上が必要』 三菱UFJの環境・社会ポリシーフレームワークの制定について環境NGOが評価を公表」(5月25日)
注2)NGO共同声明「日本生命、日本の金融機関として初の国内外石炭火力発電プロジェクトファイナンス不参加決定 環境NGOが歓迎」(7月13日)
国際環境NGO350.org日本支部 350.org Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
認定NPO法人 気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
レインフォレスト・アクションネットワーク(RAN)
July 24, 2018 Tokyo, Japan — Sumitomo Mitsui Trust Bank signaled its intent to restrict project financing for new coal plant projects regardless of their location in its annual report released on July 23, making it the first Japanese bank to make such a commitment. A group of Environmental NGOs – 350.org Japan, Japan Center for a Sustainable Environment and Society (JACSES), Friends of the Earth Japan (FoE Japan), Kiko Network, Greenpeace Japan, and Rainforest Action Network issued the following statement in response to this development:
“Sumitomo Mitsui Trust Banks’s plan to restrict project finance for new coal-fired power plants regardless of their geographic location has the potential to be one of the strongest policies announced by any financial institution headquartered in Asia, matching the recent announcement by Nippon Life Insurance (1).
In recent months, the three largest banks in Japan – Mitsubishi UFJ Financial Group, Mizuho Financial Group, and Sumitomo Mitsui Banking Corporation, have all announced updated policies for lending to the coal-fired power sector, but all stopped short of discontinuing financing for coal power projects. (2)
There is, however, reason for concern. Sumitomo Mitsui Trust Bank’s policy states that “in the case that exemptions are considered, lending decisions will be made carefully on a case-by-case basis under strict standards which address environmental impact, such as the OECD Guidelines and energy efficiency of the projects.” The OECD Guidelines provide inadequate safeguards on coal, and it is clear there is no space to build any more new coal-fired power plants – no matter how efficient – in order to keep global temperature rise well below 2 degrees Celsius as stipulated by the Paris Agreement. This exemption may prove to be a loophole that could defeat the purpose of this policy. We call on Sumitomo Mitsui Trust Bank to fully implement the policy without exceptions.
We have high hopes that Sumitomo Mitsui Trust Bank will show leadership and continue to set an example by going further and restricting corporate finance to companies involved in new coal development and divesting from companies dependent on coal power and coal mining.”
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Notes to the Editor:
1: Major insurer Nippon Life sets new benchmark in Japan by dropping coal power project finance (7/13/2018)
2: NGO Statement on MUFG Policy Announcement (5/25),
NGO Statement on MizuhoFG Policy Announcement (6/14),
NGO Statement on SMBC Policy Announcement (6/21)
CONTACT:
Shin Furuno, 350.org Japan
shin@350.org
Yuki Tanabe, JACSES
Email: tanabe@jacses.org
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レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)
(English follows Japanese)
日本生命保険相互会社(以下、日本生命)が、国内外の石炭火力発電事業へのプロジェクトファイナンスに原則、新規融資をしない方針を決定した。国内の金融機関では、第一生命保険株式会社が海外の石炭火力発電事業へのプロジェクトファイナンスに新規融資しない方針を決定しているが、国内の案件も含めて融資しないことを決定した金融機関は日本初であり、先進的な取り組みとして歓迎の意を表したい。
ただ、欧州の大手生命保険会社のアクサやアリアンツは、石炭火力発電事業の大規模な増設に関与している企業からの株式投資・融資の撤退を進めている。このような国際情勢を踏まえ、日本生命についても、今後、石炭関連企業からの株式投資・融資の撤退に期待したい。
また、今回の日本生命の動きを受けて、3大金融グループを始めとする日本の他の金融機関・保険会社も、国内外の石炭火力発電事業/関連企業からの投融資撤退に向けた方針策定をさらに進めていくべきである。
国際環境NGO350.org日本支部 350.org Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
認定NPO法人 気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
レインフォレスト・アクションネットワーク(RAN)
July 13, 2018 Tokyo, Japan — In response to the news of Nippon Life Insurance Company purporting to restrict new project finance for coal plant projects regardless of their location, a group of Environmental NGOs – Japan Center for a Sustainable Environment and Society (JACSES), Friends of the Earth Japan (FoE Japan), Kiko Network, 350.org Japan, Greenpeace Japan, and Rainforest Action Network issued the following statement:
“The news that Nippon Life Insurance Company decided it will cease project finance for new coal-fired power plants is the most progressive policy yet among Japanese financial institutions as it purports to restrict new finance for coal plant projects regardless of their location. Nippon Life Insurance Company’s decision is unprecedented within Japan and significant given the company is the biggest life insurer by revenue in Japan.
We applaud Nippon Life Insurance Company for adopting this blanket restriction on project finance for new coal plant projects. At the same time, we urge the company to catch up with its global insurance industry peers, such as AXA and Allianz, by moving to divest from companies dependent on coal power and mining.
Nippon Life Insurance Company’s new policy should provide a new benchmark for Japanese banks and insurance majors to strengthen their commitment to the Paris Agreement, which necessitates ceasing new lending and investment in new coal fired power projects and companies involved in coal fired power expansion both domestically and overseas.”
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CONTACT:
Shin Furuno, 350.org Japan: shin@350.org
+81(0)3 3230 7600 / +81(0)70-2793-3648
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レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)
「国際環境NGO「350.org Japan」は、温暖化を悪化させる地球環境に無責任な銀行「無責任銀行ジャパン大賞2018」として、三菱UFJフィナンシャルグループを選んだ。化石燃料への融資の多さがその選考理由となった。メガバンク他行では、みずほ銀行が石炭火力への融資の多さ、三井住友銀行は東南アジアでの森林破壊への関与が、グリーンピース・ジャパンやレインフォレスト・アクション・ネットワークなどの環境NGOから指摘された。(略)
環境NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク」(RAN)のシニアキャンペーナー、ハナ・ハイネケン氏は「熱帯林伐採やそれに伴う森林火災、膨大な炭素をためこむ泥炭地の破壊は、温暖化を促進させています」と訴える。「しかし、熱帯林を保護すること、つまりCO2の排出源ではなく吸収源にすることで、トータルのCO2排出量を最大で3割減らすことができます」記事を読む
三井住友FG株主総会会場前で株主にアピール
「3メガバンクの抱える20兆円規模に上る資源関連投融資は経営を揺さぶる存在かもしれない。一笑に付せない現実味を帯びるのは、二酸化炭素(CO2)排出を削減する世界的な包囲網。火力発電に使う石炭をやり玉に挙げた社会運動が欧米金融機関を「与信削減」に追い込んだからだ。急激な事業縮小が不良債権を生む「金融破壊」の足音なのか。環境省も7月、警鐘を鳴らす提言をまとめる。
■NGOから批判
「3メガの石炭火力に対… 記事を読む
「森林と人権を守るリーダーになってください」
〜森林破壊企業への資金提供停止を求める署名 約2万筆提出〜
環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日28日、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の第16期定時株主総会に参加し(注1)、同社の銀行業務における森林セクターの方針強化を求めるよう、会場前で株主にアピールしました。また本日の株主総会前に、SMFGへ署名19,581筆を電子メールで提出し、森林破壊と人権侵害を起こす企業への融資を即時停止するよう求めました。
RANのスタッフやボランティア8人は、株主総会会場の東京・丸の内の三井住友銀行本店ビルの前で「三井住友フィナンシャルグループ:森林と人権を守るリーダーになってください」と書かれたバナーを掲げ、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する投融資方針を強化すべきであるとアピールしました。また、森林破壊に脅かされるインドネシアのNGOとして現地の声を届けるために、TuK (トゥック)インドネシア副代表のエディ・ストリスノもアピール活動に参加しました。
RAN 責任ある金融シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは「三井住友フィナンシャルグループは、先週、事業別融資方針の制定を発表し、環境・社会的責任を果たすための取り組みを進めてきました。しかし、SMFGは気候変動リスクのある石炭やタールサンドなどの化石燃料、熱帯林破壊や人権侵害を起こすパーム油や紙パルプなどの部門への主要な資金提供者となっています。このような事業への資金提供は同グループをESGリスクにさらすとともに、業界のリーダーとなれるはずの立場を危うくしています。パリ協定やSDGの森林減少阻止目標を達成するため、SMFGはESGに関する投融資方針を飛躍的に強化すべきです」と訴えました。
会場前では株主たちに『三井住友フィナンシャルグループの環境・社会・ガバナンス(ESG)の実績に関する独立評価レポート:森林と人権保護の金メダルを目指して』(注2)を配布し、情報提供も行いました。SMFGが、極度に環境へ悪影響を与える化石燃料に16.5億米ドル、東南アジアの熱帯林をリスクにさらす産品へ約4億米ドルの融資・引受を2016年に提供していたことや、インドネシアで児童労働を含む人権侵害、違法行為、森林破壊に関与する企業とつながっている事例を紹介しました。そして、SMFGは金融ポートフォリオで企業価値に悪影響を及ぼすESGリスクを評価及び開示すべきであると提言しました。
また、株主総会前の本日早朝、オンライン署名「Big Banks Financing Forest Destroyers(大手銀行、森林破壊者に資金提供)」(注3、英語)19,581筆を、SMFGに電子メールで提出しました。本署名はRAN本部のウェブサイトで6月26日と27日の2日間に集中して実施したもので、SMFGに、森林破壊と人権侵害を起こし、現地コミュニティを脅かす企業への資金調達を即時停止するよう求めています。
*SMFGは事業別融資方針を6月18日に制定し、石炭火力発電所、アブラヤシ農園開発および森林伐採を「環境や社会へ大きな影響を与える可能性が高い」事業として特定しました(注4)。
注1) RANは、森林セクターでの金融機関の責任と方針強化を求め、株主総会への参加のために、三井住友FG、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループの株式を最小単位で(100株)購入しています。
注2)三井住友FGは、持続可能性への取り組みをうたう2020年東京オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナー(スポンサー企業)です。※当日の配布資料をご希望の場合はご連絡ください。
注3)署名URL:https://www.ran.org/financing_destroyers
注4)三井住友FG「トップコミットメント」
三井住友FG「人権尊重に係る声明」
三井住友銀行「事業別融資方針の制定およびクレジットポリシーの改定について」
レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)