サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

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共同プレスリリース「化石燃料ファイナンス報告書 2025」発表 〜世界65銀行の化石燃料への資金提供額、2024年は8,694億ドルに急増〜(202/6/18)

米銀とメガバンクが上位独占、2024年提供額はみずほ4位、三菱UFJ6位、SMBC11位

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
国際環境NGO マーケット・フォース
国際環境NGO 350.org

米環境NGO レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本:東京都渋谷区、以下RAN)をはじめとするNGOは17日(米国東部時間)、新報告書『化石燃料ファイナンス報告書2025〜気候カオスをもたらす銀行業務〜』(注1、第16版、 日本語要約版、英語名: Banking on Climate Chaos 2025)を発表しました。

本報告書は、世界の上位65行による2,800社以上の化石燃料企業への融資・引受をまとめた年次報告書です。分析の結果、昨年に銀行から化石燃料産業に提供された金額は約8,694億米ドルで、2023年と比べて1,625億ドルも増加したことがわかりました。また、2024年には全体の約半分の約4,290億ドルが化石燃料拡大のために投入され、2021年以降の合計額は1兆6,000億ドルでした。報告書の執筆団体は、国際エネルギー機関(IEA)の世界的な科学者たちが油田やガス田の新規開発、新規タンカーやパイプライン計画など、いかなる化石燃料の拡大は必要ないと繰り返し述べてきたにもかかわらず、銀行は気候変動のリスクを無視し、化石燃料拡大への資金提供を増やしてきたと指摘しています。また資金提供の増加は、2021年にグラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約締結国会議(COP26)で、多くの銀行が表明した気候変動に関する約束(コミットメント)の急速な後退の中で起きていることも言及しました。

日本の3メガバンクは、昨年の資金提供でワースト12銀行に入りました。みずほフィナンシャルグループ(みずほ)が4位、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は6位、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は11位でした。65行のうちの3行のみで全体の資金提供額の12%を占めました。化石燃料事業を拡大している企業への資金提供額でもワースト12銀行に入り、みずほが3位、MUFGが6位、SMBCが11位という結果でした。

図:「化石燃料ファイナンス2025」ランキング
左:2024年のワースト12銀行(化石燃料全部門への融資・引受額、単位=十億ドル)
右:各ランキングのワースト5銀行

『化石燃料ファイナンス報告書2025』概要・主な調査結果

世界の主要民間銀行65行が化石燃料部門に行った資金提供(融資・引受)を示した包括的な報告書。化石燃料企業2,800社以上への資金提供について分析。対象期間はIEAが「ネットゼロ・ロードマップ」(注2)を発表した2021年〜2024年で、年別、累計額を分析。化石燃料産業全体、化石燃料拡大企業への資金提供ごとに集計・分析(これまでと異なり、LNG、石炭、オイルサンドなど部門別のランキングは発表しないが、各部門の簡潔な動向と地域コミュニティへの影響を説明している)。パリ協定が発効した2016年〜2024年の全体的な傾向の分析も一部掲載。

  • 大手65行の化石燃料ファイナンス
    • 2024年の資金提供額は約8,690億米ドルだった。
    • 2021年から2023年は減少傾向にあったが、2023年から2024年の金額は1,625億ドル増加した。
  • 資金提供の形態別傾向(2024年)
    • 融資の金額が最も大きく、2023年の4,220億ドルから4,670億ドルに増加した。
    • 債券は増加額が最も大きく、2023年の2,840億ドルから4,010億ドルへと増加。
    • 買収ファイナンスは2023年の637億ドルから829億ドルに増加。
  • 化石燃料事業を拡大している企業への資金提供:
    • 2021年から2024年の提供額は1兆6,000億ドルだった。
    • 2024年だけで4,286億ドルが提供され、2023年から848億ドル増加した。
  •  パリ協定が発効した2016年から2024年の提供額は7.9兆ドルだった。

2024年のワースト銀行JPモルガン・チェースで、2024年にコミットした金額は535億ドルでした。対象となった銀行65行のうち4行が資金提供額を100億ドル以上増加させ、増加額の大きい上位4行はJPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズでした。ワースト12行のうち、日米の銀行は合計で9行でした。

米国:米銀は2024年に2,890億ドルの化石燃料への資金提供をコミットし、この金額は本報告書の対象としている世界の化石燃料への資金提額の3分の1にあたります。上位のJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの4行だけで全体の21%を占めています。

日本:みずほ、MUFG、SMBC3行の2024年の化石燃料への資金提額は1,063億ドルで、65行全体の約12%を占めました。約半数が米国に本社を置く企業への資金提供でした。詳細は「日本の 3 メガバンクの資金提供分析」をご参照ください。

ヨーロッパイギリスのバークレイズが354億ドルで2024年の最大の化石燃料への資金提供銀行でした。スペインのサンタンデール、フランスのBNPパリバ、ドイツのドイツ銀行、イギリスのHSBCが続き、それぞれ2024年に14~173億ドルを化石燃料産業に拠出しました。

図2:メガバンクによる化石燃料への資金提供(融資・引受)推移(単位:百万米ドル)

図3:メガバンクによる化石燃料拡大企業への資金提供(融資・引受)推移(単位:百万米ドル)

執筆者および執筆団体からのコメント

RAN銀行方針リーダー アリソン・フェイジャンス=ターナー(共同執筆者)

「注意をそらし、引き伸ばし、責任を回避し、そして最後に離脱する。必要に応じて、それを繰り返す。銀行はこういった常套手段を使って、自分たちと化石燃料業界に潤沢な資金を供給して金融システムにリスクを積み上げる一方で、地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるための時間を無駄にしてきました。『化石燃料ファイナンス報告書』の威力は、このような戦術を見抜き、資金の流れを追跡している点にあります。災害が深刻化し、科学者や政策専門家がますます悲惨な警告を発しているにもかかわらず、銀行は2023年から2024年に化石燃料への資金提供を増やし、化石燃料インフラの拡大に数十億ドルを注ぎ込んでいます。銀行の方向転換を可能にするには、迅速かつ強固な拘束力のある政府の規制と監督が不可欠です。拘束力のある規制がなければ、気候カオス(混乱)へのファイナンスが銀行の主要な投資戦略であり続け、経済と地球を破綻させてしまいます」

RAN日本シニア・アドバイザー 川上豊幸

日米の銀行が2024年の化石燃料ファイナンスの上位を独占しました。3メガバンクは昨年から順位を下げたものの、米銀らの増加額が多かっただけで、メガバンクの資金提供額は依然として大きく、憂慮すべきことです。2024年、大手米銀の化石燃料産業への資金提供額は前年比30〜50%増加という異常な状況となりました。国際エネルギー機関(IEA)の調査報告書によれば、全ての化石燃料の拡大事業はパリ協定の1.5度目標と整合しないとされるにも関わらず、2024年、みずほは化石燃料拡大企業への資金提供を前年比で約15%増加させ、MUFGは約3%増加させました。

6月12日、JERAの米国からのLNG新規調達契約が発表されました。メキシコ湾岸での化石燃料施設では汚染や環境破壊、地域経済への悪影響に加え、生産・輸送過程でも膨大な温室効果ガスの排出が懸念されます。調達先にはテキサス州リオ・グランデLNG事業も含まれています。事業者であるネクストディケイド社は、先住民族カリゾ・コメクルド族の反対にもかかわらず、同意を得ることなく整地作業を進めて、聖地周辺を破壊しています。このLNG事業にはMUFGとみずほが資金を提供しています。これは、2行が採択する国際基準である『赤道原則』の違反にあたり、銀行のガバナンス体制に問題があると考えられます」

賛同団体からのコメント

気候ネットワーク プログラム・コーディネーター 鈴木康子氏

「今回の報告書からも日本のメガバンクが新たなLNGプロジェクトへの巨額の融資を継続していることが明らかになりました。また、化石燃料全体に対する融資額もトップレベル(3メガ合計で1,063億ドル)にあり、特に米国に本社を置く化石燃料企業への資金額が突出していることから、日本が米国のエネルギー政策を支援していることを浮き彫りにしています。6月12日には、JERAが米国から年間最大550万トンのLNGを購入する20年契約を締結したと発表。今後も米国への融資が続くと想定できます。国内ではガス火力をトランジションと位置づけて、複数の新規LNG火力の計画が進められており、ガス火力が終焉に向かう兆しは全く見えません。銀行が自ら科学的知見に基づき化石燃料事業に投融資することのリスク評価を行い、早期に支援を見直すことを強く求めます」

マーケット・フォース、日本エネルギーファイナンスキャンペーナー、渡辺瑛莉氏

「2024年も日本のメガバンクは不名誉な“Dirty Dozen(化石燃料支援ワースト12行)”に名を連ね、化石燃料への資金提供を続けています。すでに日本および世界各地で気候変動に起因する高温や災害が相次いでいるにも関わらず、メガバンクは短期的な利益を優先し、長期的な社会と経済の安定を危うくしています。欧米や豪州の銀行がリスクを見越して撤退するLNG事業に加担している姿勢は、長期的リスクに対する感度の低さ、そして気候リスク管理の脆弱さを露呈しています。NZBAから脱退した今、メガバンクが掲げるネットゼロ目標に信頼を置けるかどうかは、実効性ある気候リスク管理とガバナンス体制の構築にかかっています。大手銀行の投資家は、将来の企業価値を毀損しかねない経営に対して、確固たる姿勢で臨む必要があります。顧客企業に対する移行支援の実効性を確保し、ガバナンス強化に資する監査委員会の取締役監督に関する株主提案への賛同は、その第一歩となるはずです」

国際環境NGO 350.org、ジャパン・キャンペーナー、伊与田昌慶氏

「この報告書は、日本の金融機関が気候危機を解決する責任を果たさないばかりか、問題の原因であり続けていることを糾弾する告発状です。とりわけみずほFGとMUFGは2023年から2024年にかけて化石燃料ファイナンスを10%以上も増額させており、パリ協定が謳う『資金の流れを低排出にする』との目標に逆行しています。今年になって相次いで『ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)』から離脱した邦銀は『脱退後も取り組みを続ける』などと、まるでこれまで十分に取り組み、成果を出していたかのような説明をしました。しかし、過去から現在に至るまで、邦銀の取り組みがパリ協定の1.5℃目標に整合する十分な水準に至ったことは1度もありません。
3メガバンクに脱化石燃料を求める要請文には、これまでに国内外の210団体から賛同が集まっています。ホワイトハウスの気候変動懐疑論者らではなく、世界中で気候危機の脅威を体験している市民のために、化石燃料からの脱却と再エネ3倍に貢献する金融方針へと転換すべきです」

『化石燃料ファイナンス報告書』はRAN、バンク・トラック、エネルギー・エコロジー・開発センター(CEED)、先住民族環境ネットワーク(IEN)、オイル・チェインジ・インターナショナル、リクレイム・ファイナンス、シエラ・クラブ、ウルゲバルトによって執筆されています。世界69カ国480以上の団体が賛同しています。

注1)「化石燃料ファイナンス報告書2025」全文(英語)
化石燃料の金融データ、方針スコア、最前線の現場からの報告、方法論などはこちらから:

https://www.bankingonclimatechaos.org

日本後要約版:http://japan.ran.org/wp-content/uploads/2025/06/BOCC_2025_Executive-Summary_vJPN.pdf

注2)IEA「ネット・ゼロ・ロードマップ」、2021年5月

今後全ての化石燃料の拡大事業は1.5度目標と整合しないという分析結果が出た。

https://www.iea.org/reports/net-zero-by-2050

補足資料

日本の 3 メガバンクの資金提供分析
記者会見プレゼン資料
6月18日記者会見プログラム

団体紹介

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。

本件に関するお問い合わせ

レインフォレスト・アクション・ネットワーク
日本チームマネジャー 関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org
日本シニア・アドバイザー 川上 Email:   toyo@ran.org

共同プレスリリース:東証プライム7企業に対して気候変動対策に関する株主提案(2025/4/15)

~全7社が勧告的決議案を拒んだことを受け、定款変更議案を提出~

国際環境NGO マーケット・フォース
国際環境NGO FoE Japan
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

国内外の環境NGOとその代表者を含む個人株主は金融、総合商社、電力3業界の7企業に対し、気候変動対策の強化を求める株主提案を提出しました。提出先企業は三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(以下SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(以下みずほ)、三菱商事、三井物産、住友商事、日本最大の火力発電会社・JERAの経営に大きく関与する中部電力です。

我々は7社に対し定款変更に伴う制約を課すことを可能な限り避けつつ、気候変動リスクの緩和を通じた企業価値の向上に向けて、建設的かつオープンな対話を進めていくことを期待し、書簡の形式で法的拘束力のない勧告的決議案を提出しました。しかし全7社より勧告的決議を定時株主総会にて議案として取り扱うことはない旨の返答を受け取りました。このことから、以下の表のとおり当該企業に対して法的拘束力のある定款変更議案の形式で議案を提出しています。

2020年以降、日本の高排出企業や金融機関は、気候変動に関する株主提案に直面してきました。昨年金融機関の株主総会にて決議された議案(気候変動関連の事業リスク及び事業機会の効果的な管理のための取締役のコンピテンシーの開示を求める内容)をはじめ、25%以上の株主の賛同を集めた事例も数多くあります。今回提出した議案には、当該企業の取締役らを監視する監査委員会/取締役会の役割およびその実態についてより多くの情報開示を求めることで、企業のガバナンス向上を推進する狙いがあります。

他国を例に挙げると、英国のコーポレート・ガバナンスコードには「株主総会の議案に20%以上の反対票が投じられた場合は、その背景を理解すべく、企業がどのような行動をとるか総会の結果を発表する際に説明すべき」とあります。我々も一貫して当該企業に対し、方針の改定やさらなる開示を求めてきました。そうしたなか、広く株主が意見表明する重要な機会となる勧告的決議を定時株主総会で諮ることを企業側が拒否したことについては大変失望しています。岡山県岡山市や愛媛県今治市で発生した大規模な山林火災は工業化による人為的な気候変動の影響を受けて広がったとする内容の研究も発表されており、気候変動対策の緊急性は一層高まっています。当該企業の経営陣が勧告的決議案を拒絶し、定款変更議案を提出せざるを得ることになった経緯についても、我々の働きかけの意図や問題意識についてより多くの株主、ステークホルダーの皆様からご理解いただけることを期待しています。

提出先企業が抱える問題の要点は以下の通りです(業界ごと)

■ メガバンク

「メガバンクがNZBAから脱退したことで、銀行のネットゼロ公約への本気度が厳しく問われています。銀行は、高排出顧客が信頼性ある移行計画を策定する明確な期限を示す必要があります。さもなければ、銀行自身にとっての財務リスクへとつながるからです。昨年、同様の株主提案が強い支持を得たにもかかわらず、銀行は意味のある進展を示しませんでした。今後数ヶ月で進展が見られなければ、再び株主からの反発を招く可能性があります。加えて、気候リスクを含むリスク管理について、監査委員会による評価の開示を強化することは、ガバナンスの改善と企業価値の向上に不可欠です。」
(マーケット・フォース, 日本・エネルギーファイナンスキャンペーン担当, 渡辺瑛莉)

 

「メガバンクの監査委員会は機能してないと考えざるを得ません。なぜならば、メガバンクは信頼できるネットゼロへの移行計画のない企業や、重要な炭素吸収源である熱帯林や泥炭地の破壊及び人権侵害に加担する問題企業に資金提供を続けているからです。メガバンクの執行部門でリスク管理ができていないだけでなく、監査委員会の監督機能にも深刻な課題があるのではないかと大きな懸念を持っています。例えば、MUFGとみずほは大規模事業における社会・環境リスク管理の枠組みである『赤道原則』の遵守を誓約する一方で、現地の先住民族の反対を無視して建設予定の米メキシコ湾岸のリオ・グランデLNG施設に資金提供を行っています。メガバンクは早急にガバナンスの一層の強化と情報開示を行い、リスクを厳格に管理すべきです。」

(レインフォレスト・アクション・ネットワーク, 日本シニア・アドバイザー, 川上豊幸)

 

■ 総合商社

「各商社はネットゼロ目標を支持しているにも関わらず、今後も高炭素セクターへの投資を続ける計画を変えていません。激化する気候危機の影響による物理リスクや、移行リスクにどのように対応するのか開示し、また対応策を示すことは株主にとっても気候危機対策上も非常に有意義です。また、商社はモザンビークLNGやLNGカナダなど人権上の重大な懸念が指摘されている事業にも投資を行っており、ガバナンスとリスク管理を問う提案は今後のリスク緩和の上でも重要と考えます。」
(
国際環境NGO FoE Japan, 事務局長, 深草亜悠美)

「気候変動による財務リスクが高まる中、商社が晒されているリスクを適切に管理する為のガバナンスに関する情報開示は不十分です。定量的リスクと非財務リスクを適切に認識し、事業計画や投資判断にどう反映させるのか。そして、その一連の意思決定プロセスの妥当性をどのように担保しているのか——こうした点について、日本最大級の総合商社におけるガバナンス体制の透明性が強く問われています。」
(マーケット・フォース, 日本エネルギーキャンペーナー, 布川健太郎)

■ 中部電力

「電力の安定供給を重視するとしながら、不確実性の高い技術に過度に依存することはリスクに他なりません。水素・アンモニア燃料の利用拡大は継続的な燃料の輸入を必要とするため、国の安全保障上の問題となるだけでなく、電力価格を押し上げることで国民の暮らしを圧迫することにつながります。2050年の目標を定めただけでは対策は進みません。具体的な計画の策定や実行、気候変動による影響の評価、さまざまなリスクへの対応が適切に行われているのかを株主が判断するには情報の開示が必要です。」
(気候ネットワーク, プログラム・コーディネーター, 鈴木康子)

「中部電力およびJERAの移行計画には依然として改善が見られず、JERAの化石燃料事業の拡大により移行リスクは深刻化しています。加えて、日本最大級の電力会社であるJERAは、山火事、洪水、台風など、気候変動の進行に伴う物理的リスクにも晒されています。中部電力とJERAによる気候変動への遅慢な対応は、ガバナンス上の課題を浮き彫りにしています。気候変動の悪化に伴う財務リスクの情報開示を拡充し、取締役の適切な監督を強化することが、今後、一層必要になります。」
(マーケット・フォース, 日本エネルギーキャンペーナー, 布川健太郎)

 

■株主提案に関する詳細(株主提案に関する特設サイト

Asia Shareholder Action: https://shareholderaction.asia/ja/


■ 株主提案の内容に関するお問合せ先

□ マーケット・フォース(Market Forces)担当者:Antony Balmain E-mail: contact[@]marketforces.org.au
□ FoE Japan  担当者:深草亜悠美 Email: info[@] foejapan.org
□ 気候ネットワーク   東京事務所:TEL:+81-3-3263-9210 担当者:鈴木康子 E-mail: suzuki[@]kikonet.org
□ レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)担当者:関本幸 E-mail: yuki.sekimoto[@]ran.org

プレスリリース:『生物多様性崩壊をもたらす金融業務』日本語要約版発表 〜メガバンクら邦銀、森林リスク産品にパリ協定以降215億ドルを提供〜(2025/4/10)

三菱UFJと子会社、インドネシア森林火災企業に2億8千万ドル融資の事例も

米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部サンフランシスコ、以下、RAN)は、本日、「森林と金融」連合による年次報告書である『生物多様性崩壊をもたらす金融業務:熱帯林破壊を助長する銀行と投資家の追跡』日本語要約版を発表しました(注1)本報告書は大手金融機関が熱帯林地域における森林破壊、生物多様性の損失、気候変動、人権侵害を助長している役割について包括的に分析するものです。日本に関する新たな分析の結果、メガバンクを含む邦銀大手がパリ協定締結以降の2016年から2024年6月、熱帯林破壊に関係する高リスク林業・農業企業に約215億ドルの資金を提供していることが明らかになりました。

要約版では東南アジアでの森林破壊リスクの高いメガバンクの顧客事例も記載しています。その一つは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のインドネシア子会社を通した、大規模な森林火災を繰り返し発生させているアブラヤシ農園企業グループへの融資の事例です。報告書と同時に詳細を発表し、銀行グループの与信方針の抜け穴やデューデリジェンス(相当の注意による顧客の適正評価)の弱さを指摘し、森林火災や違法活動を助長する高リスクな資金提供に警鐘を鳴らしました(注2)

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報告書詳細

本報告書「生物多様性崩壊をもたらす金融業務:熱帯林破壊を助長する銀行と投資家の追跡」は、世界の熱帯林破壊の大部分を引き起こしている「森林リスク産品」セクターの6品目(牛肉、パーム油、紙パルプ、天然ゴム、大豆、木材)に携わる300社の森林部門事業に対する商業資金の流れを、パリ協定採択後の2016年1月から2024年6月の期間において分析しています。報告書では、森林リスク産品セクターへの融資・引受と債券・株式保有において、どの銀行と投資家が最も大きな役割を果たしているかを明らかにしています。森林破壊を引き起こすリスクの高い銀行、つまり資金提供額上位30行のなかには、ブラジルやインドネシアなどの熱帯林諸国の大手銀行や、米国、欧州連合(EU)、日本、中国といった輸入および財政的に重要な区域の大手銀行が含まれます。日本の金融機関による2018年1月から2024年6月の資金提供額はみずほフィナンシャルグループが世界9位(約68億ドル)、MUFGが13位(約53億ドル)、SMBCグループが15位(約4億ドル)と続き、3行ともトップ20行に入りました(表)

表「森林リスク産品への融資・引受額 上位30銀行」(2018年1月-2024年6月、単位:百万米ドル)
*森林リスクセクター159社(東南アジア、ラテンアメリカ、中央・西アフリカ)への融資・引受額、傾向。日本のメガバンクはみずほ(9位)、MUFG(13位)、SMBC(15位)。

日本の金融機関はパーム油と紙パルプ部門に多くの資金を提供しています。融資・引受額は2020年に新型コロナ感染拡大で鈍化したものの、2018年と2019年、2021年には高まりを見せました(図:下)。中でも東南アジアで森林破壊を引き起こしているセクターへの資金提供でのメガバンクの存在は大きく、2018年から2024年6月の期間、MUFGはOECD加盟国の銀行の中で最も多額の融資・引受を行い、みずほは2位、SMBCは5位でした。要約版にはメガバンク各行の東南アジアにおける主要顧客15社も記載されています。中には森林破壊、泥炭地の劣化と火災、土地紛争などの問題を繰り返し指摘されてきたロイヤル・ゴールデン・イーグル(RGE)、シナルマスなどの複合企業グループが含まれます。

図:森林リスク産品セクターにおける邦銀の融資・引受動向 〜2016年〜2024年(6月まで)〜
出典:「森林と金融」融資・引受データ 単位:百万米ドル

事例:MUFG、インドネシア泥炭地で大規模「炭素爆弾」に融資

同時にRANは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のインドネシア子会社バンクダナモンを通じた、森林火災企業グループへの2億8100万ドルもの融資事例を発表しました。MUFGは2021年に国際基準である「森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(NDPE)」をパーム油の与信方針に採用しました。バンクダナモンも同様の方針を掲げているにも関わらずそれに違反し、泥炭地破壊に伴う大規模な火災を繰り返し発生させているアブラヤシ農園企業グループのトゥナス・バル・ランプン(TBLA)に融資を続けています。2024年10月、インドネシア政府はTBLA子会社に対して6,710億インドネシア・ルピア(4,150万米ドル)の生態系と経済への損害の賠償を求める民事訴訟を起こしました。こうした事例は、銀行グループ内での方針不遵守、顧客に対するデューデリジェンス(相当の注意による適正評価)や、監視体制および監査委員会のリスク管理における監督機能の弱さが森林破壊や火災、違法活動を可能にし、銀行による高リスクな資金提供の実態を示唆しています。

写真:泥炭地地域で新たに開発された大規模アブラヤシ農園 インドネシア・スマトラ島、2024年12月

RAN日本シニア・アドバイザーの川上豊幸は「メガバンク3行は、2021年に『森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(NDPE)』を環境・社会方針に採用しました。しかし依然として資金提供を通じて、熱帯林の破壊や火災に油を注ぎ続けています。メガバンクのNDPE方針は適用範囲が非常に狭く、農園企業や伐採事業などに限定している点が問題です。現在の方針はパーム油、そして紙の原料となるパルプを調達する加工企業を対象外としていて、森林破壊を包括的に防止する歯止めになっていません。もう一つの問題は、それらの企業を傘下または管理下に置く親会社や企業グループ全体への適用もしていない点です。メガバンクはまず、NDPE方針の適用範囲を加工部門まで含めた上で、顧客の企業グループ全体を含めるように拡大していくことが必要です。そして資金提供の際に、NGOが指摘する問題のある企業の情報を真摯に受け止めて、十分なデューデリジェンスを行うことも重要です」と指摘しました。

結論

報告書は長期的な金融の安定を保つために、デューデリジェンスの向上、NDPE方針の強化と実行などが必要であると結論付けています。銀行には、NDPE方針の厳格な実施を顧客企業に求め、実施状況をモニタリングし、顧客企業の方針違反に対処できるような仕組みを導入するといった具体的な取り組みが不可欠です。

※「森林と金融」連合は、キャンペーン活動や草の根活動、調査活動を行う10団体の連合体です。レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、TuK インドネシア、プロフンド(Profundo)、アマゾン・ウォッチ、レポーターブラジル、バンクトラック、サハバット・アラム・マレーシア(国際環境NGO FoE Malaysia)、FoE US、oEオランダ(Milieudefensie)、CEDカメルーンによって構成されています。

 

注1)報告書日本語要約版版:forestsandfinance.org/BoBC-24-JA-summary
日本語ウェブサイト:forestsandfinance.org/ja/banking-on-biodiversity-collapse-ja

『森林と金融』は、東南アジア、ラテンアメリカ、中央・西アフリカにおける紙パルプやパーム油など森林リスク産品への資金流入を包括的に分析したオンラインデータベース。金融商品、銀行・投資機関、国・地域、企業グループ、年、部門別に検索が可能。

●対象事業地域:世界三大熱帯林地域である東南アジア、ラテンアメリカ(アマゾン)、中央・西アフリカ(コンゴ盆地)
●対象産品:牛肉、パーム油、紙パルプ、天然ゴム、大豆、木材(森林リスク産品)
●対象期間:融資・引受は2016年1月から2024年6月、債券・株式保有は2024年7月時点

英語ウェブサイト:forestsandfinance.org/banking-on-biodiversity-collapse(2024年10月に発表)

注2)RANブログ「MUFG、インドネシアの泥炭地で大規模『炭素爆弾』に融資〜子会社銀行、アブラヤシ農園企業グループに2億8100万ドルを提供 複数の事業管理地で泥炭地破壊と度重なる火災を起こす〜」、2025年4月10日
※泥炭地での農園開発は膨大な量の二酸化炭素が放出され『炭素爆弾』とも呼ばれる。泥炭地から水が抜かれ、土地が乾燥することから火災のリスクも急増し、生態系と気候変動にとって大きな脅威となる。

声明:MUFGはNZBA脱退後も約束を反故にせず、 パリ協定1.5度目標に整合しない企業への融資中止を(2025/4/9)

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が銀行間の自主的イニシアティブ「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」から3月19日に脱退したことを受けて、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本:東京都渋谷区、RAN)は9日、MUFGに、NZBAから脱退しても投融資ポートフォリオをパリ協定1.5度目標と整合させる約束を反故にせず、パリ協定の1.5度目標に整合しない企業への融資の中止を求める声明を発表しました。

RANは3月と4月に2回にわたって、MUFGに脱退の理由を質問するメールを送りました。同グループは「今後の気候変動対策を検討するにあたり、NZBAにおける加盟継続のメリットを総合的に判断した結果だ」とし、「カーボンニュートラル実現や、パリ協定1.5度目標達成へ MUFG として貢献するというコミットメントは不変です」と回答しました。

 

RAN日本シニア・アドバイザー川上豊幸は「MUFGから『パリ協定1.5度目標達成に貢献するというコミットメントは不変である』という回答をもらいました。MUFGが、2050年までの投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量をネットゼロにするという目標に今後も取り組むと改めて言及したことは重要です。なぜなら米国では大手銀行のNZBAからの脱退が続き、その一行のウェルズ・ファーゴが2月、2050年までのネットゼロのコミットメントを反故にした実例があるからです。MUFGはこのような動きに屈することなく、世界中で危機感が高まる気候変動問題に対して、日本最大手の銀行として責任を持って行動してもらいたいと願います」と主張しました。

一方、MUFGは新規の液化天然ガス(LNG)事業への巨額の投融資など、パリ協定の1.5度目標に整合しないプロジェクトへの資金提供を行っています。RANら『化石燃料ファイナンス報告書2024』によると、パリ協定採択以降、2016年から2023年のMUFGの化石燃料産業への投融資額は世界4位の約3,077億米ドルで、LNG事業を拡大する企業130社への2023年の投融資額は世界2位の約84億米ドルでした。例えば環境・社会面でも大きな問題がある米国テキサス州メキシコ湾岸地域で計画中のリオ・グランデLNG事業を進めるネクスト・ディケイド社に、MUFGは2023年に約21.7億ドル以上を提供しています。

川上は「リオ・グランデLNG施設が稼働すれば石炭火力発電所50基分に相当する二酸化炭素を排出することになると懸念されています。今年、2024年の平均気温がパリ協定の抑制目標である1.5度上昇を初めて上回ったことが明らかになりました。MUFGは直ちに、リオ・グランデLNG施設など、1.5度目標の達成を困難にする事業や企業への資金提供は中止すべきです」と強調しました。

 

昨年12月、米メキシコ湾岸地域の住民や先住民族、市民団体らはNZBAと、その母体であるグラスゴー金融同盟(GFANZ)、国際連合に書簡を送り、NZBAからの加盟銀行脱退の懸念を示し、NZBAは圧力に屈せず規約を維持し、加盟銀行に「世界の平均気温上昇を1.5度に抑える」というパリ協定の合意と目標を整合させることを要請していました。今年3月、 日本のメガバンク3行全てもNZBAから脱退しました。ほぼ同時期にNZBAは加盟規約の見直しを巡り、融資案件を1.5度以内に抑える目標と整合させる必要性について撤廃が提案されていると報道されました。MUFGは2025年3月までNZBAステアリンググループ(地域毎に選出される金融機関で構成)の一員だったとRANに回答しましたが、規約の見直しと脱退との関係については「コメントを控える」としています。

 

本件に関するお問い合わせ先
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11-2F
日本チームマネジャー:関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org

声明:トランプ大統領就任日の大統領令について(2025/1/20)

 

2025年1月20日(月)に大量の大統領令が出されたことを受けて、米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本:東京都渋谷区、RAN)事務局長ジンジャー・キャサディは以下の声明を発表しました。

 

「トランプ政権によるエネルギーと環境関連の大統領令は破壊を招く近視眼的なもので、気候変動とコミュニティへの代償を顧みず、企業利益を最大化するという一大テーマがあります。

アラスカ固有の生態系での無制限の石油・ガス開発許可からパリ協定離脱まで、これらの大統領令は科学と現実に真っ向から反しています。そして、米国と世界中のコミュニティ、特に脆弱な黒人、先住民族、褐色人種、低所得者のコミュニティが、その代償を支払うことになります。

記録的な熱波、猛威を振るう山火事、激しさを増す嵐、そして何百万もの人々が気候変動による移住を余儀なくされている現実を無視する余裕は私たちにはありません。

私たちは前に進まなければなりません。クリーンエネルギー中心の未来への公正な移行が私たちには必要です。しかし、この政権は私たちの未来を、過去の汚れた化石燃料経済にしばりつけようとしています」

 

レインフォレスト・アクション・ネットワーク事務局長
ジンジャー・キャサディ

(英語プレスリリース”Statement on Trump Inauguration Day Executive Orders”、和訳版は2025年1月21日投稿)

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。

本件に関するお問い合わせ先
レインフォレスト・アクション・ネットワーク
日本チームマネジャー 関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org

共同声明:SOMPOが日本の損保で初めてFPICを含む先住民族の権利を尊重する方針を設定(2025/1/15)

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
国際環境NGO FoE Japan
メコン・ウォッチ
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

1月10日、日本の大手損害保険会社の1つであるSOMPOホールディングス株式会社(以下、SOMPO)は、「事業におけるESG配慮」方針を更新し、「保険引受・投融資における注意を要する事業」の対象に先住民族の人権を侵害する恐れのある事業を新たに加え、FPIC(自由意思による、事前の、十分な情報に基づく合意)等の国際スタンダードを参照する旨を公表しました(※1)。保険引受・投融資においてFPICを尊重する方針を策定したのは、日本の損害保険会社として初であり、私たちはSOMPOのこの方針策定を歓迎するとともに、東京海上ホールディングス株式会社(以下、東京海上)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(以下、MS&AD)に対しても、FPICを含む先住民族の権利を尊重する方針を早急に策定するよう要請します。

FPICは先住民族に関する国際連合宣言で明記されている権利であり、先住民族の参加権及び、先住民族や先住民族の土地等に影響を及ぼす可能性のある事業に同意又は不同意する権利を保証しています。また、FPICによって先住民族は、事業の設計や実施、モニタリング、評価の段階で交渉することが可能になります(※2)

なお、SOMPOによる保険引受が判明した米国リオ・グランデLNG事業の事業者NextDecadeは、同事業について現地の先住民族であるカリゾ・コメクルド族との協議会を一度も開催したことがなく、 FPICが取得されていません(※3)。現地住民・環境NGO・現地自治体は、事業者が適切な環境影響調査を怠っていると主張して、これまで抗議活動や訴訟を起こしてきましたが、2024年8月に現地裁判所が事業の建設及び稼働の承認を破棄したことにより、住民側が勝訴しています(※4)。昨年10月には、カリゾ・コメクルド族や現地コミュニティの代表団が来日し、リオ・グランデLNG事業を支援するSOMPOや銀行と会合を行い、事業からの撤退を求めました(※5)

新規の化石燃料事業である同事業は、パリ協定1.5度目標と整合しないことから実施すべきではありませんが、加えてSOMPOはリオ・グランデLNG事業の事業者に対してFPICが取得されているかを確認するべきで、FPIC取得が確認できない場合は直ちに撤退するべきです。

また、東京海上及びMS&ADに対しては、FPICを含む先住民族の権利を尊重する方針を早急に策定するよう強く求めます。

本件に関する問い合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)田辺有輝/喜多毬香
tanabe@jacses.org / kita@jacses.org

注:
※1:https://www.sompo-hd.com/csr/esg/product/
※2:https://www.ran.org/press-releases/axis-capital-becomes-first-north-american-insurer-to-adopt-policy-on-free-prior-and-informed-consent/
※3:https://jacses.org/2475/
※4:https://www.sierraclub.org/press-releases/2024/08/dc-circuit-rules-against-ferc-approval-lng-and-pipeline-projects-south-texas
※5:https://japan.ran.org/?p=2347