サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

論議を呼ぶダコタ・アクセス・パイプラインに日本の3金融機関が参加

ダコタ・アクセス・パイプラインの最終融資に関するRANの声明

2017年2月13日

問合せ先:ハナ・ハイネケン hheineken@ran.org (日本語可)

川上豊幸  toyo@ran.org 電話03-3341-2022

 2月8日(米国時間)、論議を呼んでいる米国のダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)[1] について、必要とされていた最後の地役権を米国陸軍工兵司令部が発行することで、トランプ政権は、同日日本の3金融機関を含む、パイプラインに融資する17の銀行にプロジェクト費用25億ドルのうち残りの14億ドルの貸付供与についてゴーサインを出しました。この資金は、パイプライン所有者であるエネジー・トランスファー・パートナーズ(ETP)、サノコ・ロジスティック・パートナーズ、およびフィリップス 66にいつでも貸出可能となります。 レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)の事務局長、リンジー・アレンは、次の声明を発表しました。

「このプロジェクトの融資は、これらの銀行が人権と先住民族の権利に関する誓約に対して、どれだけ真剣なのかを試す重要な試金石となります。三菱東京UFJ銀行 [2]、 みずほ銀行 [3] 、SMBC日興証券 [4] 、そしてその他の14の銀行が融資に最終的にサインすることは、深刻な人権侵害に手を貸すことになる」。「銀行は、この歴史的な論争において受動的な主体ではなく、ダコタ・アクセス・パイプラインの壊滅的な影響に直接な責任を負っている」。

シティバンク、TD証券、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行が率いる17の銀行は、工事で影響を受ける先住民族スタンディング・ロック・スー族の同意がないにもかかわらず、非暴力のデモ参加者に対するパイプラインの治安部隊による数か月の虐待、神聖なネイティブアメリカン埋葬地の意図的な破壊、下流のコミュニティのための重要な飲料水供給を脅かすことが確認されているにもかかわらず、25億ドルもの融資により、この腐敗した事業者を支援するという選択をしました。国連の専門家は、パイプライン所有者によるこれらの行動を非難しました [5] 。 ダコタ・アクセス・パイプライン・プロジェクトとそれを支援する銀行は、スタンディング・ロック・スー族のための自由意志による事前の十分な情報に基づく同意(FPIC)といった国際的に認められた基準を遵守することを拒否し、その結果として世界中の何十万人もの人々が抗議活動を行いました。スタンディング・ロック・スー族は、水の供給と神聖な場所を保護することを明言し、地役権が合法的に許可されていないとして裁判所に異議を申し立てようとしています[6]

リンジー・アレンは続けて述べています。「RANは、すべての未解決問題についてスタンディング・ロック・スー族が完全に満足する解決に至らない限り、追加融資の支払いを即座に停止し、プロジェクトのスポンサーに建設中止を求めるよう、すべての銀行に対して要求する」。 「日本の銀行は、ダコタ・アクセス・パイプラインへの支援を停止というスタンディング・ロック・スー族からの要求に応えることで、人権への尊重とリーダーシップを示すことができるのである」。

以上

[1] ノースダコタ州のバクケン油田とイリノイ州を結ぶ1886kmのパイプライン。このプロジェクトはエネルギー自給率を高め地域に収益をもたらし雇用を創出すると言われているが、パイプライン所有者による過去のプロジェクトは原油流出のリスクが高いことを示しており、このことから、地元の先住民族スタンディング・ロック・スーを含む下流の1,700万人の人々へ供給される水を汚染する可能性がある。このプロジェクトはまた部族の神聖な埋葬地を破壊する恐れも有している。

[2] 融資額は23,500万米ドル(全体の9.4%)

[3] 融資額は同上

[4]融資額は12,000万米ドル(全体の4.8%)

[5]  http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=20570&LangID=E [6] http://standwithstandingrock.net/standing-rock-denounces-army-easement-announcement-vows-court-challenge/