サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

お知らせ:ブリーフィング・ペーパー「銀行:隠された高い炭素リスク」

 

本文書は、報告書「Banking on Climate Change: Fossil Fuel Finance Report Card」 とウェブサイトforestsandfinance.orgから必要な情報をまとめたものです。これらもご参照下さい。

 

2017年9月25日〜27日に、ベルリンで開催された国連責任投資原則(UNPRI)の会議の際に、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、「銀行:隠された高い炭素リスク(Banks: High Carbon Hidden Risks)」と題するブリーフィング・ペーパー(英文のみ)を発表しました。

本ペーパーでは、大手銀行の多くが化石燃料と熱帯林減少に関与する莫大な投融資を行って気候変動を推進していることを指摘しています。化石燃料の利用推進が温室効果ガス(GHG)排出を推進することはいうまでもないですが、熱帯林減少によるGHG排出も世界の排出量の14〜21%を占めており無視できません。これは主にパーム油、紙パルプ、ゴム、木材、大豆、牛肉を得るための森林と泥炭地の転換によるものです。

ペーパーの中ではJPモルガン・チェース、シティバンク、HSBC、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、ドイツ銀行の8企業[1]を取り上げ、気候変動への寄与に関連する具体的な数値を示しています。

銀行は多くの場合、自社の業務を実施する上でのGHG排出量は公開していますが、他企業への資金提供の結果生じるGHG排出量は公開しておらず、それは自社業務分の100倍以上になることがあるといわれています。また、銀行が危険な新しい炭素排出プロジェクトに多額の資金を提供しているとしても、MSCI ACWI低炭素目標指数などの「責任投資」指標では銀行を「低炭素」と分類していますが、それは虚偽に当たります。そして、これらの銀行には、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、野村アセットマネジメント、三井住友信託銀行、バンガード、ブラックロック、ステート・ストリートなどのPRIの署名機関が、株主や機関投資家として関わっています。

機関投資家には、持続可能で低炭素で公正な発展を支援するように議決権を行使することや、気候変動・森林減少・人権のリスクに関する徹底的な情報開示とデュー・ディリジェンスを支援する規制改革を推進すること等を求めています。

(なお、2ページと3ページは見開きで印刷することを想定しており、これらページの下方の表は1枚の横長の表です。)

 

[1] これら8企業は、①大規模な金融機関である、②化石燃料等に関与する投資が多額である、③アジア、ヨーロッパ、アメリカそれぞれの地域で地域を代表するような2企業ずつを取り上げる、という基準で選定された。

 

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