サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

APP社の誓約進捗状況への第三者監査レポート(RA社2月5日発表)の内容

APP社のFCP誓約から2周年にあたる2015年2月5日にレインフォレスト・アライアンスによるFCP誓約の進捗状況についてのレポートが発表されました。

レポートによれば、「APP 社がマップ化した他の数百の紛争の内、少数の割合(約 10%)は、覚書(MOU)や行動計画が作られたが、これらの紛争の大部分は残されたままである。多数の地元コミュニティや個人とのインタビューを含め、現場で集めた証拠によれば、先住民族や地域コミュニティとの合意の実施や行動計画、FPIC 原則の実施については、その進展は限定されたものでしかないことが示されている。」や「RA 社に対して、いくつかの紛争が確認されたコミュニティは、紛争マッピングの最終結果の情報が共有されていないと報告していた。管理地のスタッフによれば、土地紛争を優先事項として、解決に向けた活動を行うことについて、APP 社からの指示や指令がなされていないようだった。紛争当事者は、紛争解決への進展が遅いということを認めた。たった 1 カ所の先行プロジェクトが完了し、他の紛争の少数の事例で覚書(MOU)や行 動計画が立てられた。ただ、RA によりインタビューをした影響を受けている多数のコミ ュニティによれば、紛争は解決していないことを示しており、これら事例のほとんどで、 (例えば、もし実際に解決されたとしても)解決の正確な状態を最終的に明確にする証拠というものは、はっきりしていない。APP 社は全ての紛争のインベントリーの作成を完 了し、その対処を開始するプロセスとなっているが、多くの紛争が存在しており、これらの紛争を解決するためには、相当の作業が求められる。」と報告されています。

 社会紛争の進捗プロセスは、数百件の社会紛争の中で、1件のみが解決され、約1割で紛争解決プロセスへの合意が進められているものの、9割の紛争については、そうした段階にも達していないことが明らかとなった。さらに、その解決されたとする1件であるジャンビ州セニャランの事例では、本当に解決と言えるのかどうかも議論の余地がある状態であることが報告されている。

レインフォレスト・アライアンス社のレポート原文(英文)はこちら

社会紛争に関連する部分の抜粋部分の翻訳はこちら