サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

声明:三菱UFJ、新方針で森林保護と気候変動対策を約束 しかし問題は山積み (2019/5/17)

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が融資・引受を行う際の「環境・社会ポリシーフレームワーク」(注1)の改定を15日に発表したことを受けて、「今回の方針改定は重要なステップだが、気候変動や森林破壊、人権侵害に資金提供しないことを確実にするために実行すべきことはたくさんある」とコメントを発表しました。MUFGは日本最大の金融グループで、世界5位の資産総額を保有する銀行です。

今回の方針改定はNGOからの強い批判(注2)が続く中で発表されました。NGOは、MUFGが東南アジアで熱帯林破壊を加速させている複数の企業への融資・引受額が6番目に大きく、化石燃料全般への融資・引受額が世界で7番目に大きいことを指摘しています。またMUFGは日本のメガバンクの中で、パーム油セクターへの資金提供が最も多く、化石燃料、特に石炭火力発電事業への資金提供も最大です(注3注3′)。

MUFGユニオン・バンクの本社前でアピールする人々、2018年9月、サンフランシスコ

RAN 責任ある金融シニア・キャンペーナー ハナ・ハイネケンのコメント

「今回の方針改定は三菱UFJにとって重要なステップであり、日本の金融セクターで先例を作りました。しかし三菱UFJが気候変動や森林破壊、人権侵害に資金提供しないことを確実にするには、実行すべきことはまだたくさんあります。動植物の絶滅危機と地球規模の気候災害が起こっていることは科学的に極めて明らかです。金融機関がこういった問題に資金提供を続けることはもはや容認できません。

この方針により、MUFGは森林への負の影響を緩和することを初めて明確に約束しました。しかし遵守確認が不十分な認証制度に依存しているため、方針が弱体化する可能性があります。 MUFGが新設の石炭火力発電所に資金提供しないとコミットメントをしたことは心強く思いますが、この禁止に対して不明瞭な例外事項が含まれていたり、炭鉱開発全般への資金提供の禁止や、石炭火力発電所や炭鉱事業を行う企業への資金提供を禁止するといった広範なコミットメントが欠如していることに失望しています。

また、今回の新方針によって、MUFGが問題ある企業との取引を停止するかどうかが注目されます。その一つは違法行為や労働酷使で制裁措置を受けているインドネシア大手パーム油企業のインドフードです」(注4)

※参考:「『サステナブルファイナンス目標』の設定と 『MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク』の改定について」概要の抜粋(下線はRANにて強調)
1. 概要
(2)「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」の改定
MUFG は、気候変動対策への国際社会の要請や、環境・社会課題に対する様々なステークホルダーの意見、考え方も踏まえ、「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」を改定することとしました。改定内容は以下の通りです。
 ⓵本件後は、新設の石炭火力発電所へのファイナンスは、原則として実行しません。結果とし て、石炭火力発電所向けの与信残高は、中長期的には逓減していく見込みです。なお、改定前よりファイナンスの検討を継続している案件については可否を慎重に検討します。
 ②森林、パーム油、鉱業(石炭)の 3 セクターを新たに「ファイナンスに際して特に留意する 事業」に追加します。これらのセクターが環境・社会へ及ぼしうる負の影響を認識し、ファ イナンスを検討する際は、国際的に認められている認証の取得や、取得に係る行動計画を 提出いただくなど、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。

注1)三菱UFJフィナンシャル・グループ「『サステナブルファイナンス目標』の設定と 『MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク』の改定について」(2019年5月15日)

注2)RAN「『MUFGユニオン・バンク、気候変動に融資しないで』グローバル気候行動サミットに合わせて」(2018年9月20日)

注3)RAN他「化石燃料ファイナンス成績表2019」、「森林と金融」データベースより

注4)RAN「プレスリリース: 3メガ融資先 インドネシア食品大手『インドフード』のパーム油部門 労働権侵害でRSPO認証停止」 (2019年3月6日)

英語のリリースはこちら “Japan’s largest bank MUFG adopts new policies to protect forests and the climate, but controversies abound”