サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

アニメビデオでのパーム油労働者の実話により、現代の奴隷制が明らかに

2016年7月13日水曜日

連絡先: Emma Rae Lierley, +1.425.281.1989, Emma@ran.org

ペプシコ合弁パートナー・インドフード社のアブラヤシ農園での

ひどい労働権侵害を暴露するレポートに続き、ビデオを公開

サンフランシスコ – レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、インドネシアの労働者権利擁護団体(OPPUK)、および国際労働権利フォーラム(ILRF)が本日リリースした「紛争パーム油のヒューマン・コスト(人々の損失)」と題された短いアニメビデオは、大規模アブラヤシ農園の業界全体に蔓延している現代の奴隷制度、児童労働、そして労働侵害にさらされている3人の農園労働者の真実の物語を伝えています。先日、ペプシコ・ブランドのスナック食品の原料生産者であるインドネシアの食品大手インドフード(Indofood)社が所有し運営する2つのアブラヤシ農園について記述された労働者の権利侵害を詳述する画期的な調査報告書が公開されましたが、このビデオはそれに続くものです。

「このビデオで強調されている虐待は、すべてのパーム油産業の労働者数百万人の間で共通している。インドネシアの労働者の権利団体、OPPUKの事務局長、ヘルウィン・ナスティオンは述べた。「ペプシコのように、自社製品にパーム油を使用していたブランドは、業界で広く行われていた広範囲で重度の労働虐待を知っていたが無視してきた。が、安価なパーム油の生産が搾取された労働者に依存していたという汚い秘密をもはや消費者から隠すことはできない」。

ビデオは3人の労働者の実話に基づいています。マレーシアのアブラヤシ農園の仕事に人身売買で送られてきたマニクは、借金を背負わされパスポートは取り上げられました。スタントリーは家族を養うためにパートタイム待遇で有毒な化学物質を扱う仕事を引き受ける若い母親、そしてアディは仕事のノルマを達成し何とか家族を養うために、農園で妻と子供たちを働かせなければならない父親です。

このビデオは、パーム油の重要な買い手としてペプシコ社に焦点を当てています。彼らは年間45万トンを超える量を購入しているのです。ペプシコ社はスナック食品20社の中で最大の会社ですが、同業他社の中では出遅れており、世界の全てのペプシコ・ブランドの製品に森林伐採・泥炭地への拡大・人権や労働権侵害に関与しないパーム油使用を求める責任あるパーム油調達方針を採用していません。代わりに、2015年9月に公開された最新のパーム油方針では、彼らの合弁パートナーであるインドフード社を除外しています。これは、インドネシア-パーム油が加速させる森林伐採、温暖化ガスの排出、それに人権・労働権侵害の最前線-で作られ販売されたペプシコ製品は、他の場所で生産されたペプシコ製品と同じ責任の基準を満たす必要はないことを意味します。

RAN、OPPUKとILRFは、「紛争パーム油のヒューマン・コスト:インドフード社、ペプシコ社のインドネシアの労働者搾取との隠されたつながり」と題された最新のレポートで、ペプシコ社がインドフード社を除外していることの労働者への影響を強調しています。調査により、インドフード社の農園における児童労働、労働者に危険性の高い殺虫剤を扱わせていること、最低賃金未満の支払い、中心的な業務に臨時労働者を長期就業させていること、独立した労働組合活動を阻止するための会社が支援する労働組合の利用などが明らかになりました。そのパーム油サプライチェーンにおける労働者の権利を守るためにペプシコ社が主張する約束に、パートナーが違反していることを証明する、これらの調査結果があるにもかかわらず、ペプシコ社は、表立った措置は講じていません。

「ペプシコ社は、そのパートナーであるインドフード社による紛争パーム油利用と労働者虐待に対処するために、消費者の要求に取り組む必要がある」。アバーベックは続けます。「ペプシコ社が、これらの悪質な労働権侵害にどのように対処しようとしているのかについて、表舞台に立つことをし損ねたという事実は非難されるべきこと。今こそ、ペプシコ社は暗がりに隠れることを止め、その製品に隠された虐待の責任を取るべきだろう」。

(以下は全て英語です。)

・紛争パーム油使用の影響に対処するための、消費者から続けられているペプシコ社へのプレッシャーについては、 ran.org/solidarity

・全レポートのダウンロードはこちら

・レポートの要約のダウンロードはこちら

・インドフード、ペプシコ、パーム油に係る労働権侵害についてのメディア用説明資料のダウンロードはこちら

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レインフォレスト・アクション・ネットワークは、教育、草の根組織、および非暴力直接行動を通じて、北米の化石燃料依存を停止させ、危険にさらされた森と先住民の権利を保護し、世界中の破壊的な投資を停止させる積極的なキャンペーンを実行しています。更なる情報は www.ran.orgでご覧ください。

国際労働権利フォーラム(ILRF)は、世界中の労働者のために公正かつ人道的な環境を達成するための人権擁護団体です。ILRFは、子どもと強制労働、差別などの労働者の権利侵害を明らかにするために、労働組合とコミュニティベースの労働者の権利擁護団体と連携し、組織を作り団体交渉をしています。

OPPUKはインドネシア、北スマトラのパーム油労働者の労働・生活状況に懸念を持つ学生運動と労働者によって2005年に設立されたインドネシアの労働団体です。OPPUKは労働者を組織し教育し、北スマトラとインドネシアの他地域でパーム油労働者の権利のための研究、政策提言、およびキャンペーンを実施しています。