サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘パーム油’カテゴリーの記事一覧

プレスリリース:マレーシアの主要パーム油企業が画期的な労働方針を発表(2017/10/31)

2017年10月31日

 IOIグループが、強制労働、児童労働、労働者搾取横行の産業界に新基準

サンフランシスコ – 本日、マレーシアのパーム油大手IOIグループは3つの主要な労働方針を発表した。これは、労働者に募集時に課していた手数料の徴収を止め、組合設立の自由を尊重し、生活賃金の支払いに努めるというものである。これらの方針は、労働者の権利侵害と労働者搾取が繰り返し発覚している産業界において新たな基準をまとめたものとなっている。

「マレーシアのパーム油産業の外国人移民労働者は、募集段階での詐欺や高額手数料のためにしばしば借金に苦しめられる状況に陥っている。 IOIグループの『手数料ゼロ』方針は、いきなり労働者を強制労働や債務奴隷労働の罠にかける債務を防止するのに重要な前例を作った。」とマレーシアの人権団体、テナガニタ事務局長のグローレン・ダス(Glorene Das)は語っている。

「IOIグループの新労働方針は新たな基準を設定しており、サイム・ダービー(Sime Darby)、フェルダ・グローバル・ベンチャーズ(Felda Global Ventures)、クアラ・ルンプル・クポン(Kuala Lumpur Kepong Berhad:KLK)など、他のマレーシアのパーム油企業はすべて従わなければならない。」とダスは続けた。「迅速な是正措置のために、実施における課題が経営陣の注意を引くことができるように、我々が労働者に自由にアクセスできることを期待している」。

強制労働のため、マレーシアのパーム油産業の悪名はますます高まっている。マレーシアのパーム油農園の労働力の大部分を占める外国人移民労働者は、到着時にパスポートを押収され、移動の自由と農園を出る手段が制限される。多くの場合、労働者は農園での雇用機会確保のために第三者の労働仲介人により多額の募集手数料を徴収され、残った借金を減らしていかなければならないので、債務奴隷労働の状況のままとなる。この負債と、移動の自由に関する制限は、現代の奴隷制の構成条件に合致している。

IOIグループの新方針は、いくつかの重大な問題についてマレーシアのパーム油産業における労働基準のレベルを上げている。新しい賃金方針では、IOIは、生産性にリンクした奨励金を上乗せした法定月間最低賃金を労働者に支払うことと、現行の賃金と生活賃金の乖離をなくす目的で信頼できる方法論を使って生活賃金を計算することを約束している。雇用方針においては、IOIは外国人移民労働者に募集関連費用を請求しないことと、既に請求された費用は労働者に払い戻されることを約束した。この方針は、到着後の体系的なヒアリングで実施される予定である。そしてIOIは、結社の自由方針において、労働組合がIOIの私有地に自由にアクセスできるようにすることを約束している。

「IOIグループのコミットメントは重要な第一歩だが、その実施が本当のテストになる。サプライチェーンの強制労働を止めることを約束した消費者ブランドの企業とバイヤーは、IOIの進捗状況を監視し、これらの方針の完全な実行を求める必要がある。」とフィン・ウォッチ(Finnwatch:フィンランドのNGO)の事務局長、ソニア・バーティアラ(Sonja Vartiala)は述べている。「これはまた、例えば手数料を支払った労働者には完全に払い戻しをしなければならないことを意味する」。

IOIグループは厄介な過去を抱えており、森林破壊と泥炭地の排水と焼却の苦情が報告されていることで持続可能なパーム油に関する円卓会議(RSPO)の認証を外された数少ない企業の一つである。同社は、労働慣行やロング・テラン・カナン・ロングハウス(Long Teran Kanan Longhouse)コミュニティとの長期にわたる土地紛争のために、キャンペーンの対象となっており、今もそれは進行中である。NGOの連合体は、IOIがその負の影響に対処するために取るべき是正措置についての提言を作成している。

「これは重要な前進だが、IOIはまた、問題のある過去を是正する必要がある。 IOIグループは、これらの新しい労働方針を完全に実行する以外にも、パーム油の責任ある供給者と見なしてもらう前に、長らく続く苦情、特にロング・テラン・カナンのコミュニティとの間の紛争を解決する必要がある。」とレインフォレスト・アクション・ネットワークのシニア・キャンペーナ、ロビン・アベルベックは述べている。

世界のパーム油消費市場の購買者や政府は、法律や自主的な仕組みを通じて、サプライチェーンにおける現代の奴隷制を根絶することを約束している。米国と英国は、企業にサプライチェーンにおける強制労働にどのように取り組んでいるのかを開示するよう要求する法案を可決し、フランスは大企業には人権デュー・ディリジェンスを規制として導入し、2016年にはコンシューマー・グッズ・フォーラム – 400社の世界的な主要なブランド団体 – は、自社のパーム油サプライチェーンにおける強制労働を根絶することを約束した。

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連絡先:

Emma Rae Lierley, Emma@ran.org, +1.425.281.1989

Sonja Vartiala, sonja.vartiala@finnwatch.org, +358.44.568.7465

Glorene Das, glorene.a@tenaganita.net, +60.10.360.3269

 

さらなる情報は以下をご覧ください。

Finnwatch’s reports on IOI Group’s labor conditions (2014-2016):

–       Working conditions at the IOI Group’s oil palm estates in Malaysia: a follow-up study (2016): https://www.finnwatch.org/images/pdf/IOI-2016_EN.pdf

– The New Law of the Jungle? Responses by certification schemes and the IOI Group to – – – -Finnwatch’s Law of the Jungle report (2015): https://www.finnwatch.org/images/pdf/Palm_oil_followup_EN_2015.pdf

-The law of the jungle – Corporate responsibility of Finnish palm oil purchases (2014): https://www.finnwatch.org/images/pdf/palmoil.pdf

-Rainforest Action Network’s report on Kuala Lumpur Kepong Berhad (KLK), titled Conflict Palm Oil in Practice (2014): https://d3n8a8pro7vhmx.cloudfront.net/rainforestactionnetwork/pages/2779/attachments/original/1415662670/klk_case_study_2014_low.pdf?1415662670

みずほ銀行へ「無責任銀行ジャパン大賞2017」を株主総会前で贈呈

2017年6月23日

東京 —本日開催されたみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の株主総会で、NGO団体が抗議活動の一環として、みずほFGに「無責任銀行ジャパン大賞2017」を授与しました。 参加者たちは、株主に対し、みずほに危険な化石燃料、森林破壊、原子力への投融資の中止を求めるように呼びかけ、これらのリスクを管理するための包括的なESG(環境・社会・ガバナンス)方針の策定を求めました。 また、みずほFGが投融資ポートフォリオ全体におけるESGリスクを完全に開示するよう要請しました。 みずほFGの社員に扮したNGOメンバーが、「無責任銀行ジャパン大賞2017」という大きな受賞プレートを受け取り、他のメンバーは「みずほ:気候変動を加速させる銀行業務をやめよう」というバナーを持って行動に加わりました

この模擬授賞式は、NGO4団体レインフォレスト・アクション・ネットワーク、350.org Japan、FoE Japan、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)が昨日発表した「みずほフィナンシャルグループに関する2016年 ESG評価レポート」調査結果を強調するために行われました。 レポートは、みずほの無責任な銀行業務が、深刻な気候変動を増幅させ、熱帯林を脅かし、人々の健康を危険にさらし、人権侵害を促進していることを示しています。 みずほFGは、これらの問題に対処するための強力な環境、社会、ガバナンス(ESG)方針を策定・採用する点において、世界の銀行に後れを取っており、投資の重大なリスクを株主に適切に開示することができませんでした。

「みずほは、化石燃料や熱帯林破壊に関与している炭素集約度の高い企業に数十億ドルの資金を投入しています。 株主は、これをみずほが適切に開示していない重大なリスクであることを知る必要があります。」と、レインフォレスト・アクション・ネットワークの日本代表、川上豊幸は述べています。

「今日の行動の目的は、気候変動を加速させ、社会や環境問題を引き起こしているみずほFGの無責任な投融資行動に焦点を当てるためです。 みずほFGは責任ある投融資を行い、パリ協定で定められたように気温上昇を2℃以下に抑えるために、化石燃料への資金を削減すべきであります。」と、350.org Japan代表の古野真は述べています。

「みずほFGが資金を提供している幾つかの化石燃料プロジェクトにより、地元の人々の人権が侵害され、生計手段が破壊されている」とFoE Japanの深草亜悠美は語り「これらのプロジェクトがもたらしている負の影響を直視し、融資者として責任を負う必要がある。」と続けました。

NGO団体は、ESG評価レポートを株主が総会会場に入る際に配布しました。レポートでは、みずほFGは2011年と2016年の間に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャル・グループ(SMFG)をはるかに上回る、日本の化石燃料関連企業に380億ドル(約4兆円)以上の融資と引受けを行ったことが報告されています。 同じ時期に、東南ア
ジアの熱帯林を脅かす企業に40億ドル(約4456億円)以上の融資と引受けを行い、日本の原子力関連会社には約80億ドル(約8912億円)を拠出しました。 この報告書は、みずほのポー
トフォリオにおけるいくつかの問題点を浮き彫りにしています。そして、財務ポートフォリオ全体における重要なESGリスクに関する情報開示、気温上昇を2度未満に抑えるという目標達成に向けたポートフォリオの投資先・融資先企業における炭素排出量削減ロードマップの策定、包括的なESG方針の発表をみずほFGに要請することなど、みずほFGの株主に対する具体的な提案を記載しています。

ダウンロードは:

・みずほフィナンシャルグループに関する2016年ESG評価レポート(英文・和文):www.ran.org/mizuho_riskyinvestment

・みずほフィナンシアルグループへのメッセージ送信サイト(英語):

大手金融機関、商社、GPIFの森林破壊・搾取・児童労働への関与が判明

2017 年 4 月 24 日

日本の大手金融機関や商社、そして GPIF が東南アジアでの森林破壊・搾取・児童労働への関与が判明

〜新報告書によって、非倫理的な 8 つの企業に対し資金支援を行う金融機関が明らかに〜

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(以下、RAN)は本日、「投資家には責任が ある―森林と金融調査レポート」と題された報告書を発表いたします。報告書では、森林破壊 と人権侵害を繰り返している東南アジアのパーム油、紙パルプ、ゴム、木材企業に対し、多大 な資金提供を行っている世界の主要な銀行や投資機関の一覧を公開しています。

RAN の調査により、王子ホールディングス、丸紅、伊藤忠、フェルダ・グローバル・ベンチ ャーズ、インドフード、IOI、ウィルマー、APP の 8 社が、自社やサプライチェーンの事業に おいて、児童労働や強制労働、先住民族からの土地の搾取、熱帯林皆伐、炭素を豊富に含んだ 泥炭地の破壊、現地の汚職に便乗した利益享受、違法に製造された商品の売却など、社会およ び環境問題に関与している事実が明らかになりました。上記 8 社はすべて、社会問題や環境問 題への取組みについてそれぞれ誓約や方針を公表していますが、問題は改善されていません。

RAN 森林と金融キャンペーンディレクターのトム・ピケンは、以下のように述べています。 「銀行や投資機関は、自らが資金を提供している事業が熱帯林破壊や現地の人々からの搾取を 行っているという事実を認識する倫理的、経済的な義務があります。こうした金融機関は、自 分たちの投資によって、環境、社会、そして最終的には自らに対し多大なダメージを与えてい ると理解する必要があります。」

機関投資家による最新報告(2017 年 2 月付)によると、上記 8 社の森林部門事業は、債券お よび株式で合計 65 億米ドル以上の資金を得ているほか、2010 年以降に融資および引受で受け取っ た資金の総額は 280 億米ドル以上となっています*。上記 8 社を金銭的に支援している主要銀行 は、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱 UFJ フィナンシ ャル・グループ、中国開発銀行、RHB バンキング、CIMB グループ、HSBC などであり、最大 級の投資機関としては、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、バンガード、エン プロイーズ・プロヴィデント・ファンド、ブラックロック、およびディメンショナル・ファン ド・アドバイザー等が含まれています。

「銀行家や投資家の人々は、こうした事態から目を背けるのを止め、自分たちが受け取って いる短期的な配当や数百万ドルのボーナスが実際は何を犠牲にして生みだされているのかを認 識しなくてはいけません。金融機関が森林破壊や人権侵害には融資をしないと誓約しない限り、 気候変動の大きな要因である森林破壊に歯止めをかけようとする国際努力は徒労に終わってし まうのです。」

RAN は今回の報告書で、銀行と投資機関に対し、熱帯林に害を与えている商品の製造に関 わるすべての企業、およびそれに関連する川下のサプライチェーンについて、投融資方針を策定するよう求めています。 そうした方針があって初めて、自らが資金的に支援している森林破 壊や人権侵害について明白に確認ができるからです。銀行や投資家は、デューディリジェンス によるスクリーニングを強化し、資金提供先の企業の業務をきちんとモニターして、無責任な 企業に対しては資金提供を断つ社会的責任があります。

森林破壊や社会問題は、金融機関にとっても重要な問題になっています。 2000 年から 2012 年にかけて、日本の国土の約 3 倍の面積の熱帯林が失われましたが、その中でも消失が最も深 刻な地域の一つが東南アジアです。その大きな要因は、グローバル企業によるパーム油、紙パ ルプ、木材、ゴム、その他ソフト・コモディティへの急激な需要の高まりです。消失した熱帯林のうち、ほぼ半分が商業的用地に違法に転換されており、その半分は輸出用商品を生産する ためのものです。

今回の報告書によって、融資、引受、投資を通じて年間何十億ドルもの資金を提供すること で、金融機関がいかに環境破壊を行う主体的存在となっているかが明らかになっています。こ の報告書は、 明日から東京で開催される「RI アジア 2017」でも発表いたします。

以下からダウンロードできます。

日本語版 投資家には責任がある -森林と金融 調査レポート-

英語版 Every Investor Has A Responsibility:Forest & Finance Risk Dossier

*融資と引受はグループ会社レベルで計算されており、森林セクター以外の事業活動がある企業については、選定した企業の森林リスク分野に帰すると合理的に考えられる資金提供額の割合をより正確に捕捉するために、減額して集計した。入手可能な情報の限界により、本報告書で指摘する債券・株式の総額はいくつかの年金基金による債券・株式を含めていない。さらなる情報については次を参照してください。forestsandfinance.org

『あぶない油の話』パーム油のことを知るサイトで2000名が「知りたい」に賛同

今年2月に、RAN日本代表部も参加団体の一つとして活動している「プランテーション・ウォッチ」が新たに消費者向けのウェブサイトを立ち上げ、「あぶない油の話」としてパーム油のことを知るサイトを作成しました。一般消費者の方々に【パーム油】が身の回りの多くの食品に多く含まれていること、そして、その【パーム油】の生産のためのプランテーション 開発が引き起こしている環境問題や社会問題について伝え、情報を発信していくサイトです。日本では、まだまだ知られていないこの【パーム油】の存在を多くの人に知っていただくために作成しました。【パーム油】に関する動画も集めてみました。是非、このサイトをご覧いただき、ご活用いただければと思います。

この度、訪問していただいた方の中で「メーカーがどんな油を使っているか聞いてみます!」とのサイトでの呼びかけに応えて、「知りたい」ボタンを押していただいた方が、2000名を突破しました。まだ、ご覧になっていない方は、是非、ご覧ください。ウェブサイトのURLは、http://plantation-watch.org/abunaiabura/ です。

アニメビデオでのパーム油労働者の実話により、現代の奴隷制が明らかに

2016年7月13日水曜日

連絡先: Emma Rae Lierley, +1.425.281.1989, Emma@ran.org

ペプシコ合弁パートナー・インドフード社のアブラヤシ農園での

ひどい労働権侵害を暴露するレポートに続き、ビデオを公開

サンフランシスコ – レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、インドネシアの労働者権利擁護団体(OPPUK)、および国際労働権利フォーラム(ILRF)が本日リリースした「紛争パーム油のヒューマン・コスト(人々の損失)」と題された短いアニメビデオは、大規模アブラヤシ農園の業界全体に蔓延している現代の奴隷制度、児童労働、そして労働侵害にさらされている3人の農園労働者の真実の物語を伝えています。先日、ペプシコ・ブランドのスナック食品の原料生産者であるインドネシアの食品大手インドフード(Indofood)社が所有し運営する2つのアブラヤシ農園について記述された労働者の権利侵害を詳述する画期的な調査報告書が公開されましたが、このビデオはそれに続くものです。

「このビデオで強調されている虐待は、すべてのパーム油産業の労働者数百万人の間で共通している。インドネシアの労働者の権利団体、OPPUKの事務局長、ヘルウィン・ナスティオンは述べた。「ペプシコのように、自社製品にパーム油を使用していたブランドは、業界で広く行われていた広範囲で重度の労働虐待を知っていたが無視してきた。が、安価なパーム油の生産が搾取された労働者に依存していたという汚い秘密をもはや消費者から隠すことはできない」。

ビデオは3人の労働者の実話に基づいています。マレーシアのアブラヤシ農園の仕事に人身売買で送られてきたマニクは、借金を背負わされパスポートは取り上げられました。スタントリーは家族を養うためにパートタイム待遇で有毒な化学物質を扱う仕事を引き受ける若い母親、そしてアディは仕事のノルマを達成し何とか家族を養うために、農園で妻と子供たちを働かせなければならない父親です。

このビデオは、パーム油の重要な買い手としてペプシコ社に焦点を当てています。彼らは年間45万トンを超える量を購入しているのです。ペプシコ社はスナック食品20社の中で最大の会社ですが、同業他社の中では出遅れており、世界の全てのペプシコ・ブランドの製品に森林伐採・泥炭地への拡大・人権や労働権侵害に関与しないパーム油使用を求める責任あるパーム油調達方針を採用していません。代わりに、2015年9月に公開された最新のパーム油方針では、彼らの合弁パートナーであるインドフード社を除外しています。これは、インドネシア-パーム油が加速させる森林伐採、温暖化ガスの排出、それに人権・労働権侵害の最前線-で作られ販売されたペプシコ製品は、他の場所で生産されたペプシコ製品と同じ責任の基準を満たす必要はないことを意味します。

RAN、OPPUKとILRFは、「紛争パーム油のヒューマン・コスト:インドフード社、ペプシコ社のインドネシアの労働者搾取との隠されたつながり」と題された最新のレポートで、ペプシコ社がインドフード社を除外していることの労働者への影響を強調しています。調査により、インドフード社の農園における児童労働、労働者に危険性の高い殺虫剤を扱わせていること、最低賃金未満の支払い、中心的な業務に臨時労働者を長期就業させていること、独立した労働組合活動を阻止するための会社が支援する労働組合の利用などが明らかになりました。そのパーム油サプライチェーンにおける労働者の権利を守るためにペプシコ社が主張する約束に、パートナーが違反していることを証明する、これらの調査結果があるにもかかわらず、ペプシコ社は、表立った措置は講じていません。

「ペプシコ社は、そのパートナーであるインドフード社による紛争パーム油利用と労働者虐待に対処するために、消費者の要求に取り組む必要がある」。アバーベックは続けます。「ペプシコ社が、これらの悪質な労働権侵害にどのように対処しようとしているのかについて、表舞台に立つことをし損ねたという事実は非難されるべきこと。今こそ、ペプシコ社は暗がりに隠れることを止め、その製品に隠された虐待の責任を取るべきだろう」。

(以下は全て英語です。)

・紛争パーム油使用の影響に対処するための、消費者から続けられているペプシコ社へのプレッシャーについては、 ran.org/solidarity

・全レポートのダウンロードはこちら

・レポートの要約のダウンロードはこちら

・インドフード、ペプシコ、パーム油に係る労働権侵害についてのメディア用説明資料のダウンロードはこちら

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レインフォレスト・アクション・ネットワークは、教育、草の根組織、および非暴力直接行動を通じて、北米の化石燃料依存を停止させ、危険にさらされた森と先住民の権利を保護し、世界中の破壊的な投資を停止させる積極的なキャンペーンを実行しています。更なる情報は www.ran.orgでご覧ください。

国際労働権利フォーラム(ILRF)は、世界中の労働者のために公正かつ人道的な環境を達成するための人権擁護団体です。ILRFは、子どもと強制労働、差別などの労働者の権利侵害を明らかにするために、労働組合とコミュニティベースの労働者の権利擁護団体と連携し、組織を作り団体交渉をしています。

OPPUKはインドネシア、北スマトラのパーム油労働者の労働・生活状況に懸念を持つ学生運動と労働者によって2005年に設立されたインドネシアの労働団体です。OPPUKは労働者を組織し教育し、北スマトラとインドネシアの他地域でパーム油労働者の権利のための研究、政策提言、およびキャンペーンを実施しています。

ペプシコ社とインドフード社の児童労働、低賃金、労働搾取との関連を報告

巨大食品企業ペプシコとインドフードが児童労働、低賃金、労働者搾取と結びついていると、新レポートで報告

2016年6月8日(水)

インドフード社所有のパーム油農園に関する現地調査でインドネシアの悪質な労働権侵害が明らかに

 

連絡先: Emma Rae Lierley, +1.425.281.1989, Emma@ran.org

                 Abby McGill, +1.202.347.4100 ext. 113, abby@ilrf.org

            Herwin Nasution, buruhkelapasawit@gmail.com

 サンフランシスコ - レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、インドネシア労働者の権利擁護団体(OPPUK)、国際労働権フォーラム(ILRF)による本日公開の「紛争パーム油のヒューマン・コスト(人々の損失):インドフード社、ペプシコ社のインドネシアの労働者搾取との隠されたつながり」と題された新しいレポートは、インドネシアの食品大手企業でありペプシコブランドのスナック生産者であるインドフード(Indofood)社が所有し運営する2つのパーム油プランテーション農園で行われた現地調査と労働者へのインタビューによる調査結果を明らかにしています。

調査結果の中でも、とりわけ、児童労働、労働者に危険性の高い殺虫剤を扱わせていること、最低賃金未満の支払い、中心的な業務に臨時労働者を長期就業させていること、独立した労働組合活動を阻止するための会社が支援する労働組合の利用ら全てが、インドフード社との合弁提携を通じてペプシコ社と結びついている大規模農園について記述されています。

「簡単に言えば、このレポートで明らかにしたは、ペプシコ社の監視のもとで、インドフード社がそのパーム油大規模農園での労働者の基本的権利を侵害していること。両社はインドフード社の大規模農園での明らかとなったひどい労働者搾取に対処するために即座に行動しなければならない」。RANのシニア・キャンペーナーであるロビン・アバーベックは述べています。

「これらの労働者は、パーム油に支配される世界に住んでいる。大規模農園は、全方向に何マイルも伸びており、そしてインドフードの子会社ロンドンスマトラ社は、その労働者の生活についてほぼ完全な支配力を持っている。女性は十分な常勤雇用はほとんどされず、非常に危険な農薬を使う最も毒性の高い仕事の一部を割り当てられている。常勤の職種は比較的非常に少なく、収穫作業もそうした常勤でない仕事の一つで、わずかばかりの基本給-大幅に生活賃金を下回る額-を獲得するために妻や子供の助けまで求めなければならない厳しい歩合制度の下で苦しんでいる。自分の家族の生計を助けるために、子どもたちは学校に行かなくなり子供時代を失い、パーム油の木の列の中で働く。これは、労働者の権利がほとんど尊重されていない憂慮すべき虐待のシステムである。」 とアバーベックは述べています。

インドフード社-世界最大のパーム油生産者の一つ、インドネシアで最大の食品会社、およびインドネシアのペプシコ製品の唯一のメーカー-は同業他社に後れを取っています。インドフード社は現在、責任あるパーム油のための新たなベンチマーク-森林破壊せず、泥炭地への拡大せず、自社と第三者のサプライヤーによる労働者の権利や人権侵害せずという誓約-と整合を取るために、方針を強化したり、その操業内容を改善していないインドネシア最大の民間パーム油会社です。

ペプシコ社は、同様に同業者の間でかなり出遅れていますが、2015年9月に更新したパーム油方針を発表しましたが、合弁相手のインドフード社についてはパーム油方針の原則を遵守する必要はないとした。このペプシコ社のパーム油方針と実施の努力が不十分であったことから、世界中の何千もの消費者がペプシコ社への圧力を増幅させ、パーム油の労働者との連帯して、同社が迅速かつ意味のある行動を取ることを要求しています。

「ペプシコ社は、そのサプライチェーンにおける人権侵害に対処するための大胆な行動を取る必要がある。真剣な責任あるパーム油に関する誓約は、世界最大のパーム油生産国でありパーム油大規模農園の拡大による熱帯林破壊や人権侵害の影響を最も深刻に受けている国であるインドネシアを含める必要がある。本レポートに詳述されたインドフード農園での悪質な状況を考慮して、ペプシコ社は改善する必要がある。」とILRFの法務・政策ディレクターのエリック・ゴットバルトは述べています。

「このようにこの国における主要な雇用者であるので、地理的に隔離されていることから特有の増幅するリスクに直面しているパーム油プランテーション労働者を保護するために、インドネシア政府は特定の労働法を制定すべきである。具体的には、最もリスクにさらされ最も保護されていない労働者-おそらく極端に高い仕事の割当てと非倫理的低賃金の下で最も苦しんでいる女性労働者や児童労働者 –に緊急の注意が払われる必要がある。」とOPPUKの事務局長アーウィン・ナスティオンは述べています。

インドフード社とペプシコ社は、本レポートの公開に先立って、このレポートの主要な調査結果に応答する機会を与えられました。それらの応答は、報告書の7ページに記載されています。

ペプシコ社への紛争パーム油使用の影響への対処のための消費者からの継続的圧力については ran.org/solidarity をご覧下さい(英語のみ)。世界中の30以上の組織が、パーム油労働者と連帯するための、そして、労働者の権利を擁護し早急に真に責任あるパーム油方針を実行に移すことをインドフード社に求めることをペプシコに対して要求する努力を支援してきました。

インドフード社、ペプシコ社、パーム油の労働権侵害に関するメディア用説明資料のダウンロードはこちら

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