サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

東南アジアの熱帯林消失の関連企業へ資金提供している銀行と投資家が明らかに

連絡先: Blair Fitzgibbon, blair@soundspeedmedia.com

森林と森林コミュニティの保護への新たな国際的プレッシャーの下、スポットライトを浴びる金融部門

シンガポール-今日、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、TuKインドネシア、プロフンド(Profundo)は、拡大しつつある「森林と金融キャンペーン」の一環として新しい双方向のウェブ上のプラットフォームの開始を発表しました。アジア太平洋地域の熱帯林破壊に関与している投資機関、金融機関及び金融会社を対象としています。この新しい研究ツールは、世界最大の持続可能な投資会議-シンガポールでの国連責任投資原則(UN PRI)会合のサイドイベントの記者会見(http://www.cvent.com/events/pri-in-person-2016/custom-114-5807fe87bca3470e953b0f4c3ca66f52.aspx)において紹介されました。

調査内容はforestsandfinance.org に掲載されていますが、これは様々な項目での検索機能を介して全体を検索可能なデータベースで、熱帯林破壊に関与している企業がどのように資金提供されているかについて、初めて包括的評価を提供します。プラットフォームforestsandfinance.orgはまた、金融機関が森林・リスク部門の資金調達に関わる共通の環境・社会的なリスクに対処するために、どのような方針を持っているかを評価し、提供された資金の一部が森林や地域社会にもたらす影響を実証するためのいくつかのケーススタディを掲載しています。プラットフォームは、四半期ごとに更新して責任ある投資業界、研究者そしてキャンペーナーのために進行中の事項について情報を提供していきます。

「世界最大級の銀行は、顧客が実際に森林法に従っているか、地域社会の権利を尊重しているかどうかのチェックをほとんどすることなく、紙パルプ、パーム油、ゴム等の生産および伐採等の熱帯林リスクのセクターに年間数十億ドルを注ぎ込んでいる。」とRANの森林と金融キャンペーン部長のトム・ピッケン氏は述べています。「この調査結果は、銀行が金融サービスによる壊滅的な影響を見て見ぬふりをし続けることを示唆している。森林犯罪に拍車をかけている銀行を止めるに必要な規制基準などを設定できるのは、金融セクターの規制だけである」。

本日発表の調査結果は、2010年から2015年の間に少なくとも380億米ドルの商業貸付および引受業務が、パーム油、紙パルプ、ゴム、熱帯材の生産と一次加工によって、東南アジアの天然の熱帯林に影響を与えている50社に提供されたことを示しています。加えて、これら50社の森林での事業は、2016年の開始時で140億米ドルに相当する債券と株式の価値によって支援されていました。東南アジアの熱帯林は、これらの森林リスク商品の大規模開発により、世界で最も速いスピードで森林減少が起きている地域にあたります。

「緩い法執行、それに信用承認プロセスで金融機関が適用する最低限のデューデリジェンス基準であることによって、環境、人々そしてビジネスに圧力を加えている。2015年の壊滅的な森林火災、それに続く2016年の火災はそのような影響のひとつと見ることができるが、これまでのところ金融業者はいずれも農園拡張に手を貸した責任を取っていない。」と、TuK インドネシアの事務局長、ラマワティ・レトゥナ・ウィナルニ氏は述べています。「インドネシアの金融当局は、自らが監督する金融セクターの透明性と説明責任の基準を設定する規則を作るべき時期だ。このウェブサイトは野放し状態の金融事業の問題にスポットライトを当て、持続可能性と責任投資という目的を共有するステークホールダー間のコミュニケーションのプラットフォームとなるだろう」。

これらの熱帯林リスク部門の資金調達に大いに関与していると判明した銀行は、マラヤン・バンキング、CIMB、DBS、OCBC、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャル・グループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、HSBC、スタンダード・チャータード、JPモルガン、中国国家開発銀行、バンク・マンディリとバンク・ネガラ・インドネシアです。

自主的な環境・社会的方針を持っている銀行である場合でも、顧客企業が森林破壊や社会的な違反に関与していても日常的に貸付金およびその他の金融サービスを提供している場合があることが、調査により判明しています。

勧告として述べたいことは、日本、インドネシア、シンガポール、英国のような重要な管轄区域の金融セクターの規制当局は、不遵守の場合の強力な罰則の導入と共に、森林部門の顧客企業への強固なデューデリジェンスに基づく適格審査プロセスを実施するために、銀行や投資機関に義務となる要求事項を導入すべき、ということです。

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レインフォレスト・アクション・ネットワークは、教育、草の根組織、および非暴力直接行動を通じて、北米の化石燃料依存を停止させ、危険にさらされた森林と先住民族の権利を保護し、世界中の破壊的な投資を停止させる積極的なキャンペーンを行っています。更なる情報は www.ran.orgでご覧ください。

TUKインドネシアは、人権、正義それに自己決定を可能なものとし保護するために、政治的な解決と、弱者、地域社会そして先住民族のための選択肢の確保を推進するために活動しています。更なる情報はhttp://www.tuk.or.id/ でご覧ください。

プロフンド(Profundo)は、商品チェーン、金融機関や企業の社会的責任(CSR)の問題を分析する経済研究のコンサルタントで、主にオランダとその他の国々の環境、人権、開発組織のための仕事をしています。更なる情報はhttp://www.profundo.nl/page/show/home-122  でご覧ください。

以上