サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

インドネシアのアブラヤシ農園への邦銀からの融資について、最新レポート発表

労働搾取、貧困水準の賃金、有毒な健康被害を起こし続ける

インドネシアのアブラヤシ農園への邦銀からの融資について、最新レポート発表

RSPO認証パーム油農園での労働酷使は1年半前の最初の問題発覚後も継続

2017年11月28日

連絡先: 川上豊幸 050-3699-9849 toyo@ran.org

              浦本三穂子 03-3341-2022 japan@ran.org

ジャカルタ発 – レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、インドネシアの労働権擁護団体OPPUK、国際労働権フォーラム(ILRF)によるレポート『紛争パーム油のヒューマン・コスト(人的損失) 改訂版:ペプシコ、銀行、持続可能なパーム油に関する円卓会議(RSPO)は、どのようにインドフードの労働者搾取を継続させているのか(The Human Cost of Conflict Palm Oil Revisited: How PepsiCo, Banks, and the Roundtable on Sustainable Palm Oil Perpetuate Indofood’s Worker Exploitation)』においては、ペプシコ社ブランドのスナック食品でのインドネシアで唯一の生産者である食品大手インドフード社が所有・運営する3つのアブラヤシ農園での現地調査と労働者へのインタビュー結果を示す。インドフード社への4大資金提供機関のうち3社が日本の銀行で、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループである。

本日のレポートは、インドフードが所有する農園での労働酷使についての前回の報告のフォローアップである。最初のレポートは、ほぼ1年半前に出版された。今回のレポートでは、農園は児童労働や強制労働の発生リスクが高く、労働者は日常的に危険性の高い農薬にさらされ、賃金が最低賃金を下回り、中核となる業務の遂行に法律違反だが臨時労働者が充てられ、独立した労働組合の形成が阻止されていることなど、概ね状況が以前と同じであることが明らかになった。パーム油産業の主要な認証制度である持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)によって「持続可能」と認証された農園での労働酷使は、全て文書で報告されており、これはインドフードとの合弁事業パートナーシップによりペプシコ社に関係している。

「パーム油産業における主要な認証として、RSPOはメンバー企業が説明責任を果たすように支えなければなりません。このような特有のリスクに直面している労働者の窮状を無視して、RSPOが労働酷使を認証し続けることはできません。」とOPPUKの専務理事、ヘルウィン・ナスシオン(Herwin Nasution)は述べている。「従業員は保護されて、本当に『持続可能な』パーム油を得られると思えるように、緊急の問題としてRSPOはインドフードに対しての苦情申立について行動し、その基準内容と監査体制の両方を強化しなければなりません」。

パーム油産業では労働酷使の状況が蔓延しているが、世界最大のパーム油生産者でインドネシア最大の食品会社であるインドフード社は同業者に後れをとっている。インドフードは、現在インドネシア最大の民間のパーム油企業であるが、自社の事業全体と独立サプライヤーを通じた方針の強化もなく、森林減少無し、泥炭地への農園拡大無し、労働者の権利及び人権の侵害無しという責任あるパーム油の新しいベンチマークとの合致のための業務慣行の改善もしていない。

「これら明らかになった事実は常軌を逸しています。インドフードの農園で起こっている労働酷使を、インドフード、RSPO、他の方は、ほぼ1年半の間知っていて、ほとんど何の変化もありませんでした。」とRANのアグリビジネス・キャンペーンディレクターであるロビン・アヴェルべックは述べた。「 この2回目のレポートは作成する必要はなかったはずです。 これらの労働者酷使に関係する者は、安価なパーム油のため悪質な労働者搾取を容認した者として記憶されるのか、あるいは、行動するするのか、決断が迫っています 」。

みずほ、三井住友、三菱UFJは、パーム油産業に関わる顧客企業による労働者の酷使や森林減少を防ぐといった誓約の公表もしておらず、同業他社と比較して大きな後れを取っている。これら3行は2017年9月30日時点で約1200億円の融資をインドフードに提供している。これら3行の最大株主でもある年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もまたインドフードへの6番目の機関投資家となっている。

「この2回目の調査結果は動揺してしまうもので、インドフードのような企業に資金を提供し続けるのなら日本の銀行は責任ある企業とはいえないでしょう。」とレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表の川上豊幸はコメントした。「銀行は、その顧客企業を人権や労働権の規範に沿ったものにして行くのか、あるいは、関係を断つことによって、顧客企業の行動に対する責任を取らなければなりません。何もしないという選択肢はもはや無いのです」。

このレポートには、インドフードおよびその親会社であるファースト・パシフィックへの改革についての提言が含まれている。そして、ペプシコ社への提言、ネスレを含めインドフードとの他の合弁事業パートナーへの提言、そして長年にわたる労働者の権利侵害でインドフードに対して提起された苦情を未だ適切に解決できないRSPOへの提言も含まれている。また、インドフードに投融資する銀行と投資家は、ムシム・マス(Musim Mas)やウィルマーなど、インドフードからのパーム油を直接・間接に調達しているパーム油取引業者と同様に、何らアクションを取っていないことで、レポートで名前が挙げられている。

-本レポート(英文のみ)のダウンロードはこちら

-レポートで使用されている高解像度の写真は、ご請求いただければ提供いたします。

###

OPPUKはインドネシア、北スマトラのパーム油労働者の労働・生活状況に懸念を持つ学生運動と労働者によって2005年に設立されたインドネシアの労働団体です。OPPUKは労働者を組織し教育し、北スマトラとインドネシアの他地域でパーム油労働者の権利のための研究、政策提言、およびキャンペーンを実施しています。

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、教育、草の根組織化、非暴力直接行動を通じて、世界市場を変革することによって、生命を維持する森林、その住民、自然システムのためのキャンペーンを行っています。

国際労働権利フォーラム(ILRF)は、世界中の労働者のために公正かつ人道的な環境を達成するための人権擁護団体です。ILRFは、子どもと強制労働、差別などの労働者の権利侵害を明らかにするために、労働組合とコミュニティベースの労働者の権利擁護団体と連携し、組織を作り団体交渉をしています。