発行物:北米パイプライン「ライン3」と「キーストーンXL」の黒幕〜メガバンクの関与
環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都渋谷区、以下RAN)は、12月16日、ブリーフィングペーパー「北米パイプライン『ライン3』と『キーストーンXL』の黒幕:オイルサンド・パイプライン建設を支援する世界の銀行」(和訳版)を発表しました。
12月12日、「パリ協定」が採択されてから5年を迎えました。
新型コロナウイルスの感染拡大が厳しい局面を迎え、米国トランプ大統領の任期も残りわずかとなった今、エンブリッジ社の「ライン3」とTCエナジー社の「キーストーンXL」という2つの大規模オイルサンド・パイプライン事業が北米で強引に進められようとしています。各パイプラインによって排出される温室効果ガスは、50基の石炭火力発電所に相当すると計算されています。
日本の3メガバンクは、オイルサンド部門の拡大に必要なパイプライン建設に多額の融資・引受を行っています。3メガバンクは今年初めて、オイルサンドに適用する方針を発表しました。キーストーンXLの建設資金をまかなう42億ドルのプロジェクトローンを確保するプロセスが進められる中、どのように方針を実施していくかが問われます。
TCエナジー社の「キーストーンXL」パイプラインはオバマ政権時代に計画が中止されましたが、トランプ大統領が建設を再承認し、政権交代前に建設が押し進められようとしています。バイデン次期政権が気候変動対策強化を打ち出す中、「ライン3」パイプライン建設も先住民族の抵抗が強まり、注目されています。両パイプラインは「ダコタ・アクセス・パイプライン」と多くの類似点があり、先住民族主導の激しい反対運動に直面しています。
3メガバンクを含む大手グローバル銀行は、両パイプライン建設への資金提供について、今後数カ月の内に明確な選択を迫られることになります。
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「北米パイプライン『ライン3』と『キーストーンXL』の黒幕:オイルサンド・パイプライン建設を支援する世界の銀行」(PDF)