サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘気候変動’カテゴリーの記事一覧

RIEFでRAN「化石燃料ファイナンス成績表2019」が紹介されました(2019/3/21)

RIEF(環境金融研究機構)「国際的な主要銀行33行、パリ協定採択後3年間の化石燃料事業への投融資総額1兆9000億㌦(約200兆円)。毎年増加。1位は米銀JPモルガン・チェース。日本勢1位はMUFG」(2019年3月21日)〜RAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました〜

国際的な環境NGOグループは、グローバルな主要33銀行の化石燃料関連事業への投融資総額が、2015年のパリ協定採択後の3年間で毎年増加し、総額1兆9000億㌦(総額約200兆円)に達したと公表した。投融資額が最も多かったのは米銀JPモルガン・チェース。上位12位中、半分を米銀が占め、パリ協定離脱を表明したトランプ政権の政策を映した形になった。日本勢は、7位に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が入った。調査は、米環境NGOのシェラクラブや、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、BankTrackなどが共同で毎年実施する「化石燃料ファイナンス成績表」(Banking on Climate Change)で、今回が10回目。記事を読む

関連資料:NGO共同プレスリリース「3メガバンク、パリ協定後も化石燃料に約1,860億ドルを資金提供〜RAN他『化石燃料ファイナンス成績表2019』日本語要約版発表〜」(2019/4/8)

お知らせ:3/14国際セミナー「森林減少ゼロとSDGs-グローバル新基準を学ぶ」」開催〜高炭素貯留アプローチ(HCSA)とは?〜

森林減少ゼロは、SDGs15(陸の豊かさも守ろう)や、国連気候サミットの「森林に関するニューヨーク宣言(2014)」の目標として掲げられています。しかし実際には、世界の森林では大規模農園への転換や開発が続き、特に熱帯林の減少は留まるところを知りません。私たちがほとんど無意識に消費している紙、木材、パーム油、大豆などを生産するために、熱帯林が失われ、陸上の生物多様性も急速に失われています。私たちは、どのように森林減少を食い止め、SDGs15を達成することができるのでしょうか?

本セミナーでは、レインフォレストレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)の森林ポリシーディレクター ジェマ・ティラックが来日し、森林減少ゼロを具体化する実践ツール「高炭素貯留アプローチ(HCSA)」(※)をご紹介します。また、企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)の事務局長でもある足立直樹氏に、日本企業が森林減少ゼロに取り組む意義と課題についてお話いただき、CDPジャパンの山口健一郎氏よりコメントをいただきます。

企業、NGO、コンサルタント、投資家の皆様など、世界の森林とその持続可能な利用にご関心をお持ちの皆様にお集まりいただき、森林減少ゼロに達成に向けて、具体的に取組みを進めるための議論を深める機会になれば幸いです。

【開催概要】

日時:2019年3月14日(木)13:30~16:00(開場13:00)
場所:東京ウィメンズプラザ 第一会議室 (東京都渋谷区神宮前5-53-67)
資料代:1,000円(要事前申込)

【プログラム】(予定・敬称略)

高炭素貯留アプローチ(HCSA)の概要とサプライチェーン管理の実践例
講師:ジェマ・ティラック
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN) 森林ポリシーディレクター

森林減少ゼロとSDGs-世界の取組みと日本 
講師:足立直樹氏
株式会社レスポンスアビリティ代表取締役/企業と生物多様性イニシアティブ事務局長

コメント
山口健一郎氏
CDPジャパン シニアマネージャー

 

※高炭素貯留アプローチ(HCSA)とは

HCSAは、森林減少を止めるために開発された手法で、パーム油や紙の生産と熱帯林の存続との両立さを目的としています。森林の炭素貯蔵量と生物多様性保全機能、泥炭地や水辺、地域住民との関係などに着目して森林を評価し、保全する手法です。世界自然保護基金(WWF)、コンサベーション・インターナショナル、グリーンピース、レインフォレスト・アクション・ネットワークなどの国際環境NGOや、ユニリーバやネスレといったユーザー企業、生産国の大手アブラヤシ農園企業、大手製紙メーカーがメンバーとして協働しています。HCSAは投資家への情報提供を行うNGO、CDPのフォレスト分野の企業評価や、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)の2018年の新基準で採用されたグローバル新基準です。

主催:地球・人間環境フォーラム
協力:ウータン・森と生活を考える会、国際環境NGO グリーンピース・ジャパン、プランテーション・ウォッチ(レインフォレスト・アクション・ネットワーク 日本代表部、国際環境NGO FoE Japan、サラワク・キャンペーン委員会、熱帯林行動ネットワーク、メコン・ウォッチ)
後援:企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)

【お申込み】

以下のフォームよりお申込みください(推奨)。

または、主催団体の地球・人間環境フォーラムのe-mail(event@gef.or.jp)かFax(03-5825-9737)にて、セミナー名、お名前、ご所属、連絡先(メール、お電話番号)を明記の上、お申込みください。

*このセミナーは、「緑と水の森林ファンド」の助成を受けて開催します。

メディア掲載:朝日新聞でRANハイネケンが取材を受けました(2018/12/5)

朝日新聞、「邦銀の環境への取り組みは 国際環境NGO担当者に聞く」(2018年12月5日付)〜RAN責任ある金融シニア・キャンペーナーのハナ・ハイネケンが取材を受けました〜

日本の3メガバンクは、二酸化炭素(CO2)を多く出す石炭火力発電に多額の投融資をしている――。今春、国際環境NGOレインフォレスト・アクションネットワーク(RAN、本部・米サンフランシスコ)は、こう指摘するリポートを発表しました。邦銀の気候変動に対する取り組みへの評価は。執筆したRANのハナ・ハイネケン氏に聞きました。記事を読む

関連情報はこちら

RAN「化石燃料ファイナンス成績表2018」日本語要約版 (2018年4月9日発行)

プレスリリース:RANとボルネオオランウータン、東京都とJSCに通報〜新国立など五輪会場の木材、オランウータン生息地に深刻な危害〜(2018/11/30)

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日30日(米国太平洋時間29日)、ボルネオオランウータンとインドネシア熱帯林に代わって、東京都と日本スポーツ振興センター(JSC)に、東京五輪会場建設での熱帯材合板の使用が絶滅の危機にあるボルネオオランウータンの生息地を含むインドネシアの貴重な熱帯林を破壊しているとして、苦情を通報しました(注1)。本苦情は、30日から東京で行われる国際オリンピック委員会(IOC)理事会に合わせて提出されました。理事会では東京2020大会の準備進捗について話し合われる予定です。

今回の苦情申し立ては、東京五輪の「持続可能性に配慮した木材の調達基準」と「持続可能性に配慮した調達コード」にサプライヤー企業や契約企業が違反したとして、新国立競技場を運営するJSCと、有明アリーナを運営する東京都に通報しました。東京2020組織委員会は持続可能性の観点から、合法的に伐採され、「生態系の保全に配慮」し、先住民族と地域住民の権利や労働者の安全対策に配慮した「中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来する」木材の調達をサプライヤー企業に求めています(注2)。この苦情は両機関の通報窓口を通じて提出されたと同時に、RAN本部があるサンフランシスコの日本国総領事館へも、オランウータンの着ぐるみを着たRANスタッフによって提出されました。

【苦情の概要】
通報者:ボルネオオランウータン、インドネシアの熱帯林、レインフォレスト・アクション・ネットワーク
被通報者:住友林業などサプライヤー企業、建設会社、設計会社など契約企業数社
通報先:東京都、日本スポーツ振興センター(JSC)※各機関に1通ずつ
内容:熱帯林とオランウータン生息地の破壊
今年5月11日、インドネシアの大手伐採会社コリンド・グループのバリクパパン工場で製造された合板が有明アリーナの建設現場で見つかり、その合板は住友林業によって輸入されていたことが明らかになった(注3)。同工場が2017年に供給した木材の約4割は、植林やアブラヤシ農園、石炭採掘のための皆伐(「転換材」)に由来している。同工場の調達先には東カリマンタン州のオランウータン生息地で皆伐された熱帯林も含まれた。住友林業は、新国立競技場の建設にもインドネシア産合板を提供し、提供した木材に転換材が含まれたことを認めたため、コリンド材が新国立競技場に利用された可能性は高い。RANは東京五輪の木材サプライチェーンを調査し、コリンド社が新国立競技場及び有明アリーナのインドネシア産合板の全部ではないとしても一部を供給していることを新報告書「守られなかった約束」で明らかにし、それに基づいて通報した。

今回の通報に先立ち、RANはWALHI北マルク(ワルヒ:インドネシア環境フォーラム)、Tukインドネシア(トゥック)とともに、東京2020組織委員会、JSC、東京都に、合計4件の苦情を通報しました(注4)。東京五輪施設建設用に、コリンド社の調達した木材が、同国北マルク州の地域コミュニティの土地所有者たちの土地権を侵害しているため、調達基準を違反していることを指摘しました。この主張は今月12日に発表した報告書「ペリラス:コリンド、土地強奪と銀行」(注5)に基づいています。また、RANはオンライン署名「The Olympics vs. the Orangutan(オリンピックvsオランウータン)」も展開し(英語、注6)、IOCと東京五輪関係機関に、コリンドのような問題ある企業からの木材調達を禁止し、合法で持続可能な木材の使用を求めています。11月12日の実施以来、米国を中心にほぼ2万5千人の賛同が集まっています。

RANのシニア・キャンペーナー ハナ・ハイネケンは「東京五輪のためにコリンド社の木材を使用することは、東京2020大会の『持続可能性に配慮したオリンピックの実現』という約束に違反します。さらに、2020年までに森林破壊を止めるという持続可能な発展目標(SDGs)の実現をも危うくしています。苦情に記載した違反行為は非常に残念なものですが、明らかになったからには、東京五輪関係機関、日本政府、企業が過ちから学び、このような環境破壊が今後繰り返されないための重要な機会とすることが必要です」と訴えました。

東京2020組織委員会は、NGOからの度重なる要請にこたえる形で、大会の会場建設に使用された熱帯材合板の産地などを公開しました(注7)。2018年5月末時点で、マレーシアとインドネシアの熱帯材合板の少なくとも134,400枚(一般的なサイズは91センチ x 182センチ)が、コンクリートを固めるための型枠に使用されています。これには非認証のインドネシア産合板が大量に含まれ、新国立競技場の建設に110,200枚、有明アリーナ(バレーボール競技場)の建設に8,700枚が使われています。

1990年以来、インドネシアでは2,500万ヘクタール以上の熱帯林が失なわれました。日本は数十年間、インドネシア合板の最大の輸入国です。熱帯林の破壊で、インドネシアは温室効果ガスの主要排出国になりました。10月に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な「1.5度特別報告書」が発表され、12月の気候変動枠組条約締約国会議(COP24)までのこの期間、IOC理事会と東京2020大会主催者が取るべきアクションには重要な意味があります。

東京五輪の木材調達基準は現在改定中です(注8)。東京2020組織委員会の改定案では、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除を明記し、サプライヤーが伐採地までのトレーサビリティを確保するよう推奨しています。しかしながら、ハイネケンは「コリンド社の木材の使用で明らかになったように、現在の調達基準はあまりにも弱く、容認できません。26日に承認された木材調達基準の改定案でも、インドネシアとマレーシアで森林破壊が加速する要因となっている、日本での熱帯材合板消費におけるデューデリジェンス(相当の注意による適正評価)の欠如には対応できていません。基準を強化するための努力が待たれます」と強調しました。

注1)調達コードに係る通報受付窓口の設置について
注2)「持続可能性に配慮した木材の調達基準」
注3)RANプレスリリース「新報告書『守られなかった約束』発表 〜東京五輪木材供給企業コリンドの熱帯林破壊、 違法伐採、人権侵害が明るみに〜 」
注4)4件の苦情は11月23日と26日に提出。詳細はお問い合わせ下さい。
注5)RAN「ペリラス:土地収奪と銀行」、2018年11月12日
RANは、コリンド社の事業全般における違法行為、環境破壊、コミュニティの権利侵害に関する証拠を明らかにした。
注6)オンライン署名URL
注7)東京2020組織委員会「コンクリート型枠合板の調達状況について」
注8)持続可能な調達ワーキンググループ、第27回 資料(2018年11月26日)

レインフォレスト・アクション・ネットワーク
本件に関するお問い合わせ
広報 関本 Email: yuki.sekimoto@ran.org


声明:東京五輪「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定〜SDGs目標、2020年まで「森林破壊ゼロ」達成には不十分〜(2018/11/27)

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日27日、東京2020組織委員会の作業部会で「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定案が26日に提案・了承されたことを受けて、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除が明記されたことを歓迎するも、合法性以外の基準が適用されない再利用コンクリート型枠の継続利用といった「抜け穴」が残されているなど、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成には不十分であるとして、以下の声明を発表しました。

今回の「持続可能性に配慮した木材の調達基準」改定案に、森林の農地等への転換に由来する「転換材」の排除が明記されたことは評価できる。現在、森林減少の主な要因はパーム油などのための農地への転換のため、持続可能性を担保するには転換材の排除は不可欠である。

しかしながら、既存の基準にも「中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来する」との記載がある。アブラヤシ農園などの開発のために天然林の大規模な皆伐を伴う森林の土地利用転換はそもそも中長期的な計画に基づいた森林管理とは程遠く、実質的に「転換材」は排除していると考えられる。よって、今回の改定は明示化とは言えるが、大幅な変更とは言えない。一方、持続不可能で権利を尊重していない木材の使用を許す「再利用」コンクリート型枠合板の「抜け穴」が引き続き残ることを提案している。東京2020組織委員会はSDGsへの貢献を約束しているが、このままでは2020年までに「森林破壊ゼロ」を掲げる「目標15: 陸の豊かさも守ろう」への貢献にも支障が出る。

今年5月、有明アリーナの建設現場で、インドネシア企業コリンド社製造の型枠用合板が使用されていることが見つかった。RANの調査では、日本向けに合板を輸出している同社工場の原料の約4割は、樹木を全て伐採する「皆伐」による転換材であることがわかっている。コリンド製型枠合板が見つかったのは有明アリーナのみであるが、新国立競技場のインドネシア産合板も転換材に由来していた可能性が高い。これらの木材は、既存の「持続可能性に配慮した木材調達基準」を満たしておらず、東京2020組織委員会をはじめ、有明アリーナを管轄する東京都、新国立競技場を管轄する日本スポーツ振興センター(JSC)が今後どのように対応するかが課題である。

また、改定案では、サプライヤーについて以下の記載も追加された。

「サプライヤーは、伐採地までのトレーサビリティ確保の観点も含め、可能な範囲で当該木材の原産地や製造事業者に関する指摘等の情報を収集し、その信頼性・客観性等に十分留意しつつ、上記 2 を満たさない木材を生産する事業者から調達するリスクの低減に活用することが推奨される」

調達基準を満たさない「木材」だけでなく、基準を満たさない「企業」からの木材調達をリスクとして捉えるリスク低減措置も言及された。そのような措置が言及されたことは進歩だ。しかしトレーサビリティ確認による合法性に関するリスク低減措置は、EU木材法(EUTR)や米国のレイシー法ではすでに義務化されているため、改訂では「推奨」ではなく「義務」とすべきだった。さらに、リスクに基づいたデューデリジェンス、伐採地の森林まで遡る完全なトレーサビリティ、および木材サプライチェーンの合法性及び持続可能性に関する第三者検証を要求すべきであった。

 

◆改定では修正されなかった問題点◆

●合法性の証明については、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(グリーン購入法)と関連する「木材・木材製品の合法性、 持続可能性の証明のためのガイドライン」に沿って行うという規定が改定案に残っている。これらは証明書類のリスク評価やデューデリジェンスが欠けていると広く批判されており、国際的に認められている基準を大きく下回る。

●「先住民族や地域住民の権利に配慮」する基準に「 自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC)に関する検証が含まれなかったこと。紙やパーム油の調達基準にはFPICは含まれていた。

●認証材向けに3割まで利用可能となっている非認証材について五輪の木材調達基準への適合の評価について含まれなかったこと。

参考:RANプレスリリース「新報告書『守られなかった約束』発表 〜東京五輪木材供給企業コリンドの熱帯林破壊、 違法伐採、人権侵害が明るみに〜」(2018年11月12日)

レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)

メディア掲載:雑誌『DAYS JAPAN』にRANが寄稿しました(2018/11/20)

雑誌『DAYS JAPAN』12月号「特集不都合な東京オリンピック:インドネシア・現地ブラック企業から買い付ける木材、森林伐採天国からの悲鳴」(2018年11月20日発売)〜RANが寄稿しました〜

DAYS JAPANのウェブサイトへ