サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

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スマトラでの住民の死で、APP社の社会的責任についての誓約は疑問に

ラフカディオ・コルテシ(Lafcadio Cortesi)により投稿 2015年3月2日 (英語原文)

2015年2月27日金曜日に、ジャンビ州テボ県ルブク・マンダルサ村の住民で、サカト・ジャヤ農民協会の会員であるインドラ・プラニ氏が死体で 発見されたという痛ましいニュースを先日、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は知りました。現地の市民社会や新聞記事によれば、APP社の警護隊が、地元の農民組合のリーダーであるインドラ・ペラニ氏を殴打し、拉致し、法的に認められない殺害を行ったと報告されています。

RANは、農民や住民の土地権のために効果的な提言活動を行っていたインドラ氏を追悼するとともに、この悲痛な喪失を被った家族や住民との 連帯のために立ち上がります。RANは、この暴力という非難されるべき行為に加わっていた者を糾弾し、APP社の警護隊が利用してきた不相応で、 正当化できない武力についての長年にわたる歴史を非難します。私たちは、APPに対して、地方政府、現地住民、NGOや、国家森林評議会 (DKN)や国家人権委員会(Komnas HAM)を含めた緊急に中立の包括的な捜査に全面的に協力することを求めます。さらに、APP社は、これらの犯罪の全被告人の刑事事件としての起訴が実施 できるよう現地の担当部局にあらゆる支援を与えるべきです。加えて、APP社は、この事件に関与している警護隊の部隊の全スタッフをも一時停職処分とすべきで、彼らが結託して証拠隠滅や偽装工作を行わないことを確保するための対策を講じるべきです。

APP社が、この件に関与した警護隊員を停職処分としたことは心強く思う一方で、インドラ氏の悲痛な殺害事件は、人権を尊重し、社会紛争を 解決するというAPP社の誓約の真剣さへの疑念を抱かせるものであり、APP社の管理地の至るところで確認された蔓延する社会紛争 や土地紛争への対処法を改善し、拡大するために、APP社は、住民や市民社会、政府と協働することが緊急に求められていることを浮き彫りにしています。

この事件のより詳細な報告は、こちらをご利用ください。

ルブク・マンダルサでの紛争の情報やAPP社の社会的責任に関する誓約の遵守状況についての情報は、以下場所にあるレポートにあります。

新レポート発表:APP社の社会的責任に関する誓約の実施状況(2015年1月16日)

この新しいレポートでは、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)社による社会的責任に関する誓約の実施の遅れを明らかとし、改善のための提言を行っている。

多くの未解決の土地紛争が残る一方で、 APP社の影響を受けるインドネシアの17のコミュニティでの現場でのインタビューにより、方針実施上の問題もあることが明らかとなった。

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サンフランシスコ、カリフォルニア州 — アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)社の現場での実績調査の概観評価により、社会的責任の誓約の履行におけるAPPの進捗状況を評価し、情報提供を行うとともに、提言を行うものである。これまでの調査では、現時点までにAPP社が土地紛争問題の解決に十分な行動を行っているという、現場での具体的な証拠は見つからなかった。

紛争解決アプローチを試行している地域の2つのコミュニティでの進捗を除けば、APP社との土地紛争に巻き込まれたコミュニティにとっては、何の変化も無かった。多数の土地紛争が残存しており、APP社はこれらの土地紛争の同定、分析、解決において、影響を受けているコミュニティや、他の重要な利害関係者との関与に失敗している。

インドネシアのNGOと国際的なNGO、コミュニティを基盤に持つ団体の連合体が開始した本調査では、APP社や関連企業によって影響を受けている17のコミュニティの村のリーダーや地域住民の方とのインタビューを実施している。2014年5月と9月に、APP社が紛争解決パイロットプロジェクトを開始した3つの管理地域を含めて、インドネシアのリアウ、ジャンビ、南スマトラ、西カリマンタン、東カリマンタンの各州のコミュニティを訪問した。

インドネシア各地での広範な天然林減少やパルプ材植林拡大による社会的・環境的負の影響というAPP社の30年に渡る歴史が、詳細に記録されている。数十年に渡る国民の批判、コミュニティの反対、顧客や投資者からの圧力を受けて、APP社は、2013年2月に、大きな期待を受けつつ、新しい森林保全方針を発表した。これは、自社の林業施業を改革し、260万ヘクタールの管理地の至るところで発生している長年に渡る土地収奪の歴史、人権侵害、気候汚染、天然林減少、野生動物生息地の破壊に対処するという誓約を定めている。

本調査は、企業実績の継続的な独立したモニタリング活動に貢献する。本調査は、レインフォレスト・アライアンスが実施する森林保全方針に対するAPP社の進捗評価に対して情報提供として提出された。

この連合体による調査結果について、フォレスト・ピープルズ・プログラムのパトリック・アンダーソン氏は、以下のように述べた。

「APP社の誓約が、うまく実施されているとか、現場での紛争に満足のいく救済を提供していると言う前に、APP社には、まだ驚異的な量の行うべき作業がある。合意に至ることができた2つの土地紛争の合意のうちの少なくとも一つでは、コミュニティの権利を尊重するというAPP社の方針での要求事項全てを遵守はしているわけではなかった。そして、まだコミュニティとの多数の紛争が、未解決のままとなっている。APP社は、行動計画を開発し、紛争解決を拡大する努力をしてコミュニティや他の重要な利害関係者に効果的に関与することに、今なお失敗している。もしも、状況が変化しなければ、企業の努力では頑強で公平な合意を大規模には確保することができないのではないかと、私たちは懸念している。」

ワハナ・ブミ・ヒジャウのキャンペーン・ディレクターのアイディル・フィトリ氏は、以下のように述べている。「世界最大規模のオキの新パルプ工場に関連する十分な情報に基づく、事前の自由な同意(FPIC)の誓約についてのAPP社の実施状況については、少なくとも、一つの権利保有コミュニティからはFPICを得ておらず、FPICプロセスが完了する前にAPP社はオキ・パルプ工場の建設を開始したことを確認した。これは、明確にFPICと企業自身の方針の明確な違反となっていると見ている。」

「もしも、APP社が、顧客や投資家からの信頼と事業活動を回復したいのであれば、透明性を改善しなければならないし、利害関係者と効果的に協働し、広範な現場での良い影響が起きていることを示すところまで、誓約を十分に実施していくことを証明していかなければならない。」とレインフォレスト・アクション・ネットワークのラフカディオ・コルテシ氏は述べた。「実施状況がいまだ初期段階にあるので、実施状況を継続的に独立してモニタリングし、検証することが必要なのは明白。APP社が、その管理地での土地紛争の解決を拡大し、現存している天然林のさらなる減少を食い止めるためには、コミュニティの生活上の必要を満たし、土地権の主張に合致するように、パルプ材産業植林に現在利用している土地をもっと返還する必要がある。」

「私たちのレポートは、APP社が現在の問題にどのように対処し、また、どのようにコミュニティや森林に対する正の成果に導くことを確立し、APP社が誓約した結果をもたらす基礎を確保し得るのか、について詳細な提言を行っている。本調査は、顧客やその他の人々に対し、APP社の約束が現実になるかどうかを判断するには、まだ早すぎるということを示している。」とコルテシ氏は述べた。

レポート全体は、以下からダウンロードして下さい。

http://www.ran.org/app_social_commitment_performance_2015_full_report
これは、各コミュニティからの調査結果を概説している表、要約文書、提言が含まれます。
要約文書と提言は、以下からダウンロードして下さい。こちらは日本語仮訳です。
http://www.ran.org/app_social_commitment_performance_2015_summary (こちらは英語版)
これは、レポート調査結果全体の概要とAPP社が実施することのできる詳細な改善への提言を示している。

APPグループとの土地紛争に直面している農民団体からのメッセージ

スマトラ島中部のジャンビ州でAPP社の関連会社で、主要な木材供給であるWKS社(シナルマス・フォレストリー社系列)との土地紛争に直面している農民団体が2013年2月初旬に2つのプレスリリースを行いました。WKS社による植林地造成によって土地を失った人々が、自分たちの土地を取り戻すための呼びかけです。是非、ご覧ください。この土地紛争は、いまだ解決に至っておりません。問題の商品に掲げたコピー用紙については購入を控え、彼らを支援してください。

PPJプレスリリース和訳Feb2013 PPJプレスリリース2和訳Feb2013