サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

ブログ:三菱UFJは、森林保護、気候変動対策、人権尊重の強化を(2020/5/8)

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は持続可能な社会の実現に貢献すると約束しているにも関わらず、実際は、森林破壊と気候変動を加速し、人々の生活を脅かしています。このような問題に対応すべきESG(環境・社会・ガバナンス)与信方針も、4月のみずほフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)の方針発表で、遅れを取ってしまいました。これではサステナビリティ・リーダーにはなれません。MUFGは、実際どのような批判対象となる投融資を行なっているのでしょうか?

熱帯林を破壊しているパーム油企業等に投融資

MUFGは、熱帯林破壊を加速しているパーム油部門に、世界で最も融資している金融機関の一つです。二酸化炭素の吸収源として、そして大半の陸上生物多様性の生息地としても重要な役割を果たす熱帯林は、パーム油や紙パルプ等の生産のために急速に失われています。森を長年守ってきた地域住民の生活と権利も脅かされているのです。

MUFGは、熱帯林の重要性を認識しつつも、保護に必要な対策を十分に取らず、熱帯林を破壊している企業に融資を続けています。これでは、2020年までに森林減少を阻止しようという国連「持続可能な目標」(SDGs)の目標15を実現することはできません

インドネシア、スマトラ島・アチェ半島上空。Duta Rendra Mulyaによる森林破壊の光景。

気候危機を悪化している石炭、石油ガスの拡大へ投融資

パリ協定が採択された2015年以降の4年間、MUFGは化石燃料部門に1,188億ドル(約12.7兆円)の融資・引受を提供し、その金額は世界6位、国内ではトップの金融機関でした。最近の資金使途には、ベトナムでの新規石炭火力発電所の他、高炭素で汚染リスクが高いオイルサンド・パイプライン建設やシェールガス開発、そして巨大炭鉱事業にも融資しているのです。

科学的知見によれば、パリ協定の目標を満たすためには化石燃料の拡大を直ちに止める必要がありますが、MUFGは化石燃料への投融資を段階的にやめる約束を一切していません

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MUFGが真のサステナビリティ・リーダーになるには、社会的責任を果たしている他の大手金融機関のベストプラクティスを見習い、ESGに関する投融資方針とその実施を次のように強化する必要があります

1. 森林、特に熱帯林に影響を及ぼす林業・農業関連企業には、ベストプラクティスである「森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(NDPE)」基準遵守を要求すること

2. パリ協定の1.5度目標に沿って、化石燃料への投融資を段階的に停止し、化石燃料を拡大させる投融資は直ちに止めること

3. 人権、特に先住民族の権利を尊重し、人権侵害を起こすプロジェクトには投融資をしないこと

4. 高リスク部門をはじめ、ESGリスクの管理・監督の実効性を向上すること

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