サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘気候変動’カテゴリーの記事一覧

オルタナでRAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました(2018/4/9)

オルタナ「パリ協定に合致した銀行はない」(2018年4月9日付)〜RAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました〜

「環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(以下RAN)は4月9日、米国や日本、欧州の36の民間銀行について、環境負荷が極めて高い「エクストリーム化石燃料」への融資方針を格付けした報告書を発表した。同燃料への2017年の融資額は前年比110億ドル増の1150億ドル。同団体は、「事業計画をパリ協定に合致させている銀行はない」と厳しく指摘した。記事を読む

プレスリリース:新報告書 「化石燃料ファイナンス成績表2018」日本語要約版発表(2018/4/9)

〜銀行は化石燃料産業への資金提供を停止し、パリ協定に合致した方針を〜
日本のメガバンク3行、石炭火力発電への融資で格付低く

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)は、本日9日、東京での「RI(責任投資)アジア2018」開催を前に、「化石燃料ファイナンス成績表2018」日本語要約版を発表し(注1)、日本のメガバンク3行は石炭火力発電その他化石燃料への資金提供を停止するよう呼びかけました。同時に、3行の筆頭株主にも脱炭素社会の実現を果たすよう責任を求めました。

報告書全文(注2、英語)は3月28日、RAN、バンクトラック、先住民族環境ネットワーク、オイル・チェンジ・インターナショナル、シエラクラブ、オナー・ジ・アースが世界50団体以上(注3)の支持を受けて発表し、気候変動は喫緊の課題であるにもかかわらず、2017年は「銀行業務が後退した年」だったと批判しました。また、化石燃料産業への融資拡大および環境負荷が極めて高い化石燃料への資金提供の停止を銀行に提言し、パリ協定の目標に合致した投融資方針を採用するよう求めました。

本報告書は、米国、日本、オーストラリア、カナダ、中国、ヨーロッパの36の民間銀行について、環境負荷が極めて高い「エクストリーム化石燃料」への2015年から2017年までの融資・引受額を算出し、各銀行の化石燃料への融資等方針を格付けしています。エクストリーム化石燃料とは、最も炭素集約度が高く財務上リスクのある燃料で、石炭採掘、石炭火力発電、エクストリーム・オイル(タールサンド、北極・超深海の石油)、液化天然ガス(LNG)輸出が含まれます。エクストリーム化石燃料への融資等は、2015年に36社合計で1,260億ドルだったのが、パリ協定締結翌年の2016年には1,040億ドルとなり、2017年には1,150億ドルに増えました。気温上昇を2度未満に抑えるという「パリ協定」の目標達成のためには、銀行が化石燃料産業の拡大に融資等をするのをやめ、既存の埋蔵量を採掘し尽くさないことが求められるところ、実際に事業計画をパリ協定に合致させている銀行はないと評価しました。

日本語要約版は、日本の投資家、銀行、規制機関に向けてコンパクトにまとめたもので、報告書の調査結果に加え、36銀行のエクストリーム化石燃料への融資等額と方針への格付をまとめた「主要銀行成績一覧表」、「先進的な銀行の取り組み」、「ケーススタディ:日本の銀行による石炭火力発電所開発企業への融資」などで構成されています。エクストリーム化石燃料への過去3年間の融資・引受額は、日本のメガバンクでは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が最も多く世界11位で、次にみずほフィナンシャルグループ(みずほ)が17位、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が23位と続きました。格付ではMUFGが最も低い「F: 不可」グレード(方針を公表していない銀行)で、みずほとSMFGは下から2番目の「D-」グレード(デューデリジェンス(相当の注意による適正評価)を実施している)に評価されました(注4)。

RAN 「責任ある金融」シニアキャンペーナー ハナ・ハイネケンは「気候リスクへの対応が世界中で加速する中、日本のメガバンク3行は気候変動を最も悪化させている化石燃料や森林破壊関連部門へ多額の融資・引受を行い、逆方向に向かっています。銀行は融資等の方針をパリ協定に合致させるよう説明責任を果たし、気候リスクが最も高い化石燃料への全ての資金提供を停止する責任があリます。3行の筆頭株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)にも責任があります」と訴えました。

要約版の「ケーススタディ」では、世界26位の石炭火力発電所開発企業である丸紅株式会社のインドネシア・チレボン火力発電事業とベトナム・ギソン2プロジェクトを事例に、銀行や機関投資家や株主には丸紅の脱炭素化を促す責任があることを説明しています。RAN日本代表部は、10日と11日に東京証券取引所で開催される「RIアジア2018」に参加し、日本の投資家、銀行、規制機関に、パリ協定に従って脱炭素社会の実現と再生可能エネルギーへの転換を推進する役割を果たすよう働きかけます。

 

〜「化石燃料ファイナンス成績表2018」調査方法について〜

・対象銀行:オーストラリア、カナダ、中国、ヨーロッパ、日本、米国の36の民間銀行

・対象部門:エクストリーム化石燃料部門=石炭採掘、石炭火力発電、エクストリーム・オイル(タールサンド、北極・超深海の石油)、液化天然ガス(LNG)の輸出

・対象化石燃料企業:各部門における埋蔵量、採掘能力、又は生産量の上位30社及びタールサンド・パイプライン関連企業の上位6社に対する3年間の融資・引受額を算定

・融資・引受額は対象となる化石燃料関連企業の当該部門の事業活動に基づいて割引して算出

 

注1) 「化石燃料ファイナンス成績表2018」日本語要約版

注2)“Banking on Climate Change: Fossil Fuel Finance Report Card 2018”

注3)支持団体
350.org, 350 Eugene, 350 Seattle, Amazon Watch, Asia Pacific Forum on Women, Law and Development, Bank Information Center, Bold Alliance, Carrizo/Comecrudo Tribe of Texas, Catskill Mountainkeeper, CEE Bankwatch Network, Center for Sustainable Economy, CHANGE, Christian Aid, Citizens Against LNG, Clean Water Action, Divest, Invest, Protect, DivestInvest, Earthworks, FairFin, Foundation for GAIA, Friends of the Earth Scotland, Friends of the Earth U.S., Fundacja “Rozwój TAK Odkrywki NIE” (Foundation Development YES – Open-Pit Mines NO), Greenpeace Japan, Greenpeace USA, Hair on Fire Oregon, Indigenous Climate Action, Indigenous Peoples Law and Policy Program, Les Amis de la Terre France, Market Forces, Mazaska Talks, MN350, People & Planet, Philippine Movement for Climate Justice, Pipeline Awareness Southern Oregon, RAVEN (Respecting Aboriginal Values & Environmental Needs), Re:Common, Rogue Climate, Rogue Riverkeeper, Save RGV from LNG, Stand.earth, SumOfUs, Treaty Alliance Against Tar Sands Expansion, UK Tar Sands Network, Union of British Columbia Indian Chiefs, urgewald, Waterkeeper Alliance, We Are Cove Point, WECAN (Women’s Earth and Climate Action Network), West Coast Environmental Law, Western Environmental Law Center

注4)化石燃料に関する方針の評価・格付
「A」:当該セクターで運営する全てのプロジェクトおよび企業への融資等を禁止し、実施状況に関する報告を公開している銀行
「B」:当該セクターの複数企業に融資等を禁止している、または段階的に停止しつつある銀行
「C」:当該セクターの一部または全てのプロジェクトへの融資等を禁止している銀行
「D」:当該セクターでデューデリジェンス(相当の注意による適正評価)を実施している銀行
「F:不可」:方針を公表していない銀行

※後日、日本語要約版の英訳 “Banking on Climate Change: Summary Briefing for Investors, Banks, and Regulators in Japan” を追加しました。

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)

 

 

RIEFでRAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました(2018/3/30)

RIEF(環境金融研究機構)「昨年の世界主要銀行の化石燃料関連融資、前年比11.1%増の1150億ドル。カナダのタールサンド向け融資増が影響。日本勢は融資減るも評価はほぼ最低。国際環境NGO等が分析」(2018年3月30日付)〜RAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました〜

「環境NGOのBankTrack、シェラクラブ、RANなどは、世界の主要金融機関が化石燃料関連の投融資状況を調査した報告書をまとめた。それによると、日本の3メガバンクを含む36の主要金融機関の化石燃料関連分野への投融資額は前年より11.1%も増え、1150億ドル(約12兆2000億円)に達した。特にカナダを中心とするタールサンド開発へのファイナンスが増大した。記事を読む

Sustainable JapanでRAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました(2018/3/30)

Sustainable Japan「【国際】環境NGO、世界主要銀行の2018年化石燃料融資状況報告書発表。メガバンク3行ほぼ最下位」(2018年3月30日付)〜RAN「化石燃料ファイナンス成績表」が紹介されました〜

「国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Honor The Earthの6団体は3月28日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report Card 2018(化石燃料ファイナンス・レポートカード2018)」を発表した。記事を読む

プレスリリース:大手銀行、数十億ドルの資金提供を通じタールサンドの大規模な破壊と汚染に加担(2017/11/1)

プレスリリース

2017111日

エクストリーム化石燃料[1]インフラの拡大のための世界最大の銀行による無謀な融資は、

パリ協定の1.5°目標を深刻な危機に陥れる

サンフランシスコ、カリフォルニア – 今日発表されたレポートによると、商業銀行は、タールサンド部門への資金提供を続けており、2017年にはその金額が急上昇している。これはパリ協定の1.5°から2°未満という目標に合致しないレベルである。レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)と世界の11団体が発表した新レポート「タールサンドへの資金提供:民間銀行 vs パリ気候協定(Funding Tar Sands: Private Banks vs. the Paris Climate Agreement)」は、生産者とパイプライン企業へのタールサンド向けの資金提供が、2017年の現時点までで、既に2016年に実施した合計額より50%も多くなっていることを明らかにした。

「COPでは、各国政府はパリ協定の目標達成に向けて進捗を把握する準備を整えているが、銀行も同様に対応しなければならない。」とRANの気候・エネルギープログラムディレクター、パトリック・マッカリーは語る。「世界規模の銀行に対して、気候災害を回避し、先住民族の権利と人権を尊重するために表明された支援とその行動を整合させるような方針を直ちに確立するよう、我々は求めている。これには、タールサンド事業分野からの退出と、先住民族の権利尊重の方針強化を含めなければならない」。

タールサンドは、高い抽出コスト、市場投入の難しさ、巨大な埋蔵量、温室効果ガスの強度、地域環境や先住民族の権利への重大な影響、より低炭素集約度でより安価な代替物にすぐに代替できるという特徴を持つ独特の燃料である。しかし、この報告書で分析された33の銀行は、タールサンドに2017年だけで320億ドルもの資金を提供した。

「トランプ大統領は、パリ協定から米国が離脱すると発表した時、ある境界線を引いた。気温上昇を1.5℃に制限するというパリ合意の目標と、自身の政権との間にである。銀行は線のどちら側に落ちるか?JPモルガン・チェース社の最高経営責任者(CEO)は、この問題についてはトランプ氏に同意していないとしているが、この銀行はタールサンドの資産を取得する際に主要企業に融資し、今年、タールサンドへの資金提供を増やした。」とRANのエネルギープログラム調査コーディネーター、アリソン・カーシュは述べる。

JPモルガン・チェース社は、再度、米国銀行の中でタールサンドへの最大融資会社となり、彼らの融資方針の格付けはD +となり、この資金提供を抑制する防止策を明らかに欠いていると判明した。  「目標達成に必要なのは、早急な化石燃料の段階的廃止である。一方、世界最大級の銀行は、エクストリーム化石燃料の一つであるタールサンドの強化と生産拡大に資金を提供している。」とNGOのバンク・トラックの気候・エネルギーキャンペーンコーディネーター、ヤン・ルーベルは述べた。「このような危険な資金提供を制限する方針を持っている欧州の銀行がいくつかあるが、気候や倫理的な理由で必要となる、タールサンド拡大の支援を排除する堅実な方針が、ほとんどの大手銀行には欠けている」。

先住民主導の団体や草の根団体、欧州のNGO組織化などを通じた市民からの圧力を受けて、一部の銀行はタールサンドへの資金拠出を断念する方針を約束している。2017年10月、欧州第2位の銀行であるBNPパリバ社は、グローバルな銀行の新しい基準を確立した。この方針では、タールサンドについては、タールサンド事業が30%以上である企業を除外し、キーストーンXL[2]、トランスマウンテン[3]、ライン3[4]のパイプライン事業を含めてタールサンドのプロジェクト全体への資金提供を排除するとしている。

グリーンピースとオイル・チェンジ・インターナショナルによる補足的な報告書である「イン・ザ・パイプライン:タールサンド・パイプラインへの資金提供者のリスク(In the Pipeline: Risks for funders of tar sands pipelines)」は今週発表され、タールサンド・パイプラインへの資金提供による主要銀行の財務面と評判面での損害について警告を発している。この報告書は、法律面の課題、先住民族および地域社会からの反対、飲料水への脅威、経済的脆弱性など、3件の計画中のタールサンド・パイプラインに影響を及ぼすリスクを詳細に検討している。

 

[1]訳注:化石燃料産業において最も炭素集約度が高く財政的に危険で環境破壊的な部門であるエクストリーム・オイル(オイルサンド、北極・超深海の石油)、石炭採掘、石炭火力発電、そして液化天然ガス(LNG)輸出が、エクストリーム化石燃料と呼ばれている。

[2] 訳注:既に稼働中のキーストーンパイプライン(59万バレル/日)に 70万バレル/日の輸送能力を追加し、カナダ原油の米国向け輸入量を増加することを可能にする2,673kmのパイプライン計画

[3] 訳注:原油をカナダ西部アルバータ州から米国西海岸に送るための全長1170 kmのパイプライン計画

[4] 訳注:原油をカナダ西部アルバータ州から米国ウィスコンシン州に送るための全長1659kmのパイプライン計画

お知らせ:ブリーフィング・ペーパー「銀行:隠された高い炭素リスク」

 

本文書は、報告書「Banking on Climate Change: Fossil Fuel Finance Report Card」 とウェブサイトforestsandfinance.orgから必要な情報をまとめたものです。これらもご参照下さい。

 

2017年9月25日〜27日に、ベルリンで開催された国連責任投資原則(UNPRI)の会議の際に、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、「銀行:隠された高い炭素リスク(Banks: High Carbon Hidden Risks)」と題するブリーフィング・ペーパー(英文のみ)を発表しました。

本ペーパーでは、大手銀行の多くが化石燃料と熱帯林減少に関与する莫大な投融資を行って気候変動を推進していることを指摘しています。化石燃料の利用推進が温室効果ガス(GHG)排出を推進することはいうまでもないですが、熱帯林減少によるGHG排出も世界の排出量の14〜21%を占めており無視できません。これは主にパーム油、紙パルプ、ゴム、木材、大豆、牛肉を得るための森林と泥炭地の転換によるものです。

ペーパーの中ではJPモルガン・チェース、シティバンク、HSBC、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、ドイツ銀行の8企業[1]を取り上げ、気候変動への寄与に関連する具体的な数値を示しています。

銀行は多くの場合、自社の業務を実施する上でのGHG排出量は公開していますが、他企業への資金提供の結果生じるGHG排出量は公開しておらず、それは自社業務分の100倍以上になることがあるといわれています。また、銀行が危険な新しい炭素排出プロジェクトに多額の資金を提供しているとしても、MSCI ACWI低炭素目標指数などの「責任投資」指標では銀行を「低炭素」と分類していますが、それは虚偽に当たります。そして、これらの銀行には、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、野村アセットマネジメント、三井住友信託銀行、バンガード、ブラックロック、ステート・ストリートなどのPRIの署名機関が、株主や機関投資家として関わっています。

機関投資家には、持続可能で低炭素で公正な発展を支援するように議決権を行使することや、気候変動・森林減少・人権のリスクに関する徹底的な情報開示とデュー・ディリジェンスを支援する規制改革を推進すること等を求めています。

(なお、2ページと3ページは見開きで印刷することを想定しており、これらページの下方の表は1枚の横長の表です。)

 

[1] これら8企業は、①大規模な金融機関である、②化石燃料等に関与する投資が多額である、③アジア、ヨーロッパ、アメリカそれぞれの地域で地域を代表するような2企業ずつを取り上げる、という基準で選定された。

 

ブリーフィング・ペーパーはこちら

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