サンフランシスコに本部を持つ米国の環境NGO RAINFOREST ACTION NETWORKの日本代表部です

‘紙パルプ’カテゴリーの記事一覧

みずほ銀行へ「無責任銀行ジャパン大賞2017」を株主総会前で贈呈

2017年6月23日

東京 —本日開催されたみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の株主総会で、NGO団体が抗議活動の一環として、みずほFGに「無責任銀行ジャパン大賞2017」を授与しました。 参加者たちは、株主に対し、みずほに危険な化石燃料、森林破壊、原子力への投融資の中止を求めるように呼びかけ、これらのリスクを管理するための包括的なESG(環境・社会・ガバナンス)方針の策定を求めました。 また、みずほFGが投融資ポートフォリオ全体におけるESGリスクを完全に開示するよう要請しました。 みずほFGの社員に扮したNGOメンバーが、「無責任銀行ジャパン大賞2017」という大きな受賞プレートを受け取り、他のメンバーは「みずほ:気候変動を加速させる銀行業務をやめよう」というバナーを持って行動に加わりました

この模擬授賞式は、NGO4団体レインフォレスト・アクション・ネットワーク、350.org Japan、FoE Japan、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)が昨日発表した「みずほフィナンシャルグループに関する2016年 ESG評価レポート」調査結果を強調するために行われました。 レポートは、みずほの無責任な銀行業務が、深刻な気候変動を増幅させ、熱帯林を脅かし、人々の健康を危険にさらし、人権侵害を促進していることを示しています。 みずほFGは、これらの問題に対処するための強力な環境、社会、ガバナンス(ESG)方針を策定・採用する点において、世界の銀行に後れを取っており、投資の重大なリスクを株主に適切に開示することができませんでした。

「みずほは、化石燃料や熱帯林破壊に関与している炭素集約度の高い企業に数十億ドルの資金を投入しています。 株主は、これをみずほが適切に開示していない重大なリスクであることを知る必要があります。」と、レインフォレスト・アクション・ネットワークの日本代表、川上豊幸は述べています。

「今日の行動の目的は、気候変動を加速させ、社会や環境問題を引き起こしているみずほFGの無責任な投融資行動に焦点を当てるためです。 みずほFGは責任ある投融資を行い、パリ協定で定められたように気温上昇を2℃以下に抑えるために、化石燃料への資金を削減すべきであります。」と、350.org Japan代表の古野真は述べています。

「みずほFGが資金を提供している幾つかの化石燃料プロジェクトにより、地元の人々の人権が侵害され、生計手段が破壊されている」とFoE Japanの深草亜悠美は語り「これらのプロジェクトがもたらしている負の影響を直視し、融資者として責任を負う必要がある。」と続けました。

NGO団体は、ESG評価レポートを株主が総会会場に入る際に配布しました。レポートでは、みずほFGは2011年と2016年の間に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャル・グループ(SMFG)をはるかに上回る、日本の化石燃料関連企業に380億ドル(約4兆円)以上の融資と引受けを行ったことが報告されています。 同じ時期に、東南ア
ジアの熱帯林を脅かす企業に40億ドル(約4456億円)以上の融資と引受けを行い、日本の原子力関連会社には約80億ドル(約8912億円)を拠出しました。 この報告書は、みずほのポー
トフォリオにおけるいくつかの問題点を浮き彫りにしています。そして、財務ポートフォリオ全体における重要なESGリスクに関する情報開示、気温上昇を2度未満に抑えるという目標達成に向けたポートフォリオの投資先・融資先企業における炭素排出量削減ロードマップの策定、包括的なESG方針の発表をみずほFGに要請することなど、みずほFGの株主に対する具体的な提案を記載しています。

ダウンロードは:

・みずほフィナンシャルグループに関する2016年ESG評価レポート(英文・和文):www.ran.org/mizuho_riskyinvestment

・みずほフィナンシアルグループへのメッセージ送信サイト(英語):

ブログ:APP 社は約束を果たすべき時だ(2017/5/24)

森林 シニアキャンペーナー ブリアナラ・モーガン

APP(アジア・パルプ・アンド・ペーパー)社は、インドネシアと中国の両国における最大手の紙パルプメー カーだ。同社は森林破壊や人権侵害をあからさまに行ってきた歴史があるが、2013 年の「森林破壊ゼロ、人権侵害ゼロ、泥炭地開発ゼロ」方針の採択、および天然熱帯林の伐採からの撤退は、インドネシアの森林破壊の防 止に向けた大きな前進だった。しかし現場レベルでは、特に最前線の地域や先住民族のコミュニティにとって十 分な変化は見られていない。

インドネシア、北スマトラ州ルブック・マンダルサ村で、慣習的に所有してきた土地を歩く農民たち。 同村では APP 社との社会的紛争が今も続いている。

APP 社は、森林を破壊し、地域コミュニティの同意なしに土地を利用するという点で、紙パルプ産業における 「最悪中の最悪企業」として長年知られてきた。同社はこれまで、インドネシア国内で管理する土地 260 万ヘク タールのうち 200 万ヘクタール以上(7,700 平方マイル以上)を皆伐している。森林の大部分は、大量の炭素を 貯蔵している泥炭地域にあり、また絶滅の危機に瀕するトラやゾウの生息地であったが、パルプ原料のため、あ るいはパルプ用産業植林地への転換のために皆伐された。皆伐された土地の 100 万ヘクタール以上は、現在ユー カリやアカシアといった単一樹種の植林地と化している。

このような環境破壊と温室効果ガス排出に加えて、 APP 社の負の遺産には社会紛争と地域コミュニティへの被害も含まれる。問題の多くは、APP 社が地域コミュ ニティが所有する土地を特定して伐採や植林開発から除外することを怠ったために生じており、その結果、同社 は数百もの地域コミュニティに対して威圧的な行為を行ったり(時には暴力的な) 紛争を起こしたりしている。

APP 社の木材運搬用重トラックは、紙パルプ用植林地で収穫した木材を運ぶために、定期的に地域コミュニティ の所有地を縦断している。道路を破壊し、もうもうたる砂塵で道路わきの家を覆っている。

主にレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、WWF、FoE、グリーンピースなどの NGO が インドネシアの市民社会ともに、この悪質な企業の問題を明らかにし、同社との取引中止を求める大キャンペー ンを行ったことにより、APP 社による深刻な環境・社会影響は国際社会の注目を浴びることとなった。同社が重要な森林生息地として知られる地域を皆伐したことが発覚後、森林管理協議会(FSC)は 2007 年、同社との関 係を解消した。世界市場もこれを考慮し、ディズニー、マテル、ハーパー・コリンズ、オフィスデポなど数多く の大企業が同社との契約を解除することとなった。解除された契約額は、合計 8 億ドル以上と推定される。

「私たちの土地が解放されるまで、私たちの権利を回復するまで、続けなければなりません。」 イブ・ヌルホトマサリさん(インドネシア、ジャンビ州ルブク・マンダルサ村)

APP 社は、大規模な契約解除への対応のなかで、自らが変わる必要性を認め、2013 年 2 月には自社の業務から森林破壊、人権侵害、および泥炭地での皆伐を止めるという誓約を採択した。これ以降、いくつかの面で進歩はあり、ほとんどの森林減少や、泥炭林への植林地拡大は停止されている。しかし、大きな懸念がある。APP 社 は最近、世界最大規模のパルプ・製紙工場となる OKI 工場を南スマトラ州に完成させたが、この工場のための長期的な原料や木質繊維の供給が足りないのだ。これは APP 社が泥炭地を排水して利用することに引き続き依 存し、パルプ材の生産基盤を拡大する必要があるという、深刻なリスクを意味する。また、それによって新たな 社会紛争やさらなる森林破壊という重大なリスクも発生してくる。

「APP 社が誓約を破っていることは明らかです。」 フランドディ・タルナ・ネガラさん(インドネシア、ジャンビ州ルブク・マンダルサ村)

さらに、APP 社による土地収奪、権利侵害、社会的被害という負の遺産は、依然として大きな問題として残っ ている。現在、数百もの地域コミュニティが、慣習的に所有する森林や農場を、同社が同意なしに使用したり皆伐したことに対して是正を求めているのだ。APP 社の植林地で係争中の社会紛争のなかでも、最も極端な例のひとつは“Beyond Paper Promises”ウェブサイト(英語:訳「紙の約束を越えて」)で紹介しているルブク・マンダルサ村のケースである。事 例として、以下に述べる。

スマトラのジャンビ州のルブック・マンダルサ村は、約 6,000 人のマラユ民族が形成する農業コミュニティで、 自給と現金収入を米や野菜、コーヒーの栽培に依存している。APP 社は 2006 年から同地域で業務を開始し、農 地をブルドーザーで潰し、伐採した木を細い川に投げ入れた。コミュニティは抗議のために立ち上がり、地方政 府に対して苦情申し立てと抗議活動を行った。抗議しても何も変わらず皆伐が続いたため、人々は直接行動を起 こし、掘削機械を破壊した。9人の村人が逮捕され、15ヶ月間刑務所に収容されたが、人々は諦めなかった。APP 社が1期目のユーカリを収穫した後、農民たちは空閑地となったその地に戻り、作物を植えて自分たちの土地を 取り戻した。

インドネシアのルブク・マンダルサ村では、農業はたんなる生計手段ではなく、抵抗手段でもある。

この紛争は 2015 年 2 月 8 日、悲劇的な頂点を迎えた。懸案の土地に出入りして農業を行っていたルブック・ マンダルサ村コミュニティの人々は収穫祭を予定しており、APP 社も収穫祭について事前に通知され、一帯への 出入りを監視していた検問所を人々が自由に通過することに合意した。その日の午後、地元出身の青年活動家インドラ・ペラーニさんは祭りに出席するために検問所を通過しようとしたが、検問所で警備員と言い争いになっ た。インドラ・ペラーニさんが祭りに到着することはなかった。翌日、手足が結ばれ、撲殺された彼の遺体が見 つかった。

殺害された農民活動家、インドラ・ペラーニさん(写真提供:ワルヒ・ジャンビ)

この殺人事件は国内外の報道で広く非難された。殺人事件以降、APP 社は現地の警備会社による業務を停止さ せ、地域コミュニティから概ね手を引いた。警備員は警察に自首し、現在は刑務所で服役している。しかし事件以降もこの地域の根本的な紛争はほとんど変化していない。現在 300 人以上の人々が耕作している土地は、地域 コミュニティが数世代にわたって使ってきたものであるが、法律上、今では APP 社の植林地の一部とされてい るのだ。農民は土地、農作物、建てた家屋を失う恐怖の中で暮らしている。

APP 社は、このような紛争が再び発生しないこと、既存の紛争が解決されること、コミュニティが受けた被害 に対処し、改善されることを確保しなければならない。

英語のブログはこちら(2017/5/24)

関連資料
プレスリリース:紙パルプ調達方針実施に積極的な企業ランキング発表『紙の約束を超えて』」(2018/6/14)

インドネシアの森林減少と土地収奪という危機の最前線での暮らし

紙パルプ生産で破壊されたインドネシアの森林の片隅で暮らす住民の貴重な情景写真を提供する

新たなキャンペーンサイト(BeyondPaperPromises.org)開設

緊急リリース

2017523

連絡先: Emma Rae Lierley, Emma@ran.org, +1 425.281.1989

サンフランシスコーレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)により本日開始された新しいキャンペーンとウェブサイトでは、進行中の紙パルプ企業との紛争の前線にあるインドネシアの先住民族コミュニティをめぐる貴重な情景写真を提供しています。このサイト、ビヨンド・ペーパー・プロミス(BeyondPaperPromises.orgは、生き生きした人物写真と住民との本人の語りを使って、住民自身の声で土地収奪と森林減少の話を伝えています。(サイトは英語です)

 サプライチェーンの大半の企業が事業による森林減少や土地権や人権侵害を排除する約束をしていますが、この新しいキャンペーンではインドネシアの森林減少の危機の最前線のコミュニティにとっては、ほとんど変化がないという事実に着目しています。

 「コミュニティと森林の現実こそが、企業コミットメントの測定に使うべき本当の評価基準です。」RANのシニア森林キャンペーナーのブレア・モーガンは述べています。「森林減少を停止し、今や数十年が経過している土地権紛争に取り組むという約束そのものはいいことだが、実際のところ、現場ではこれまでのところ、私たちにはほとんど変化を見出すことができません」。

 コミュニティと企業との間の紛争は、脅迫、抗議、逮捕、さらには殺人によって特徴付けられ長年にわたり続いています。インドネシア・スマトラ島のジャンビ州と北スマトラ州では、アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)とトバ・パルプ・レスタリ社(Toba Pulp LestariTPL)が大きな役割を果たしています。これらの企業が国際商品市場の産業植林地を拡大しようとしているため、地元コミュニティの農場や村がしばしば彼らにとっては障害となっているのです。

 201612月の歴史的発表で、ジョコウィ・インドネシア大統領はインドネシア史上初めて先住民族の土地の権利を認め、北スマトラのパンダマン・シピトゥータ(Pandumaan-Sipituhutaコミュニティの土地をTPLの植林地から除外し、他の9つのコミュニティの慣習的土地権をも認めました。これは多くの人にとって最初の肯定的なステップと見なされていました。しかし地方政府は地方レベルでは同様の土地権についての認識が遅れており、多くのコミュニティは土地が返還されるのを未だ待っています。

 「政府が私たちを保護し、先祖から受け継いできた土地を政府が私たちに返すようにお願いします。」と、このキャンペーンで様子を伝えられたコミュニティの一つであるインドネシア、北スマトラ州、アエクルン(Aek Lung)の住民、レンティーナ・ナババンは語りました。「この土地は私たちの生活の源であり、子どもたちが学校に行くことができるようにしてくれる私たちの蓄えです。また自分たちの土地を耕すことを怖がったりしなくてすむように、私たちの伝統的に所有している土地を政府が認めるようお願いします」。

 数十年に渡ってインドネシアの森林の行く末が国際的に懸念されています。産業用パルプ材植林地やアブラヤシ農園の開発によって大規模に促進される森林減少は、広大な天然の熱帯林と炭素を豊富に含む泥炭地を皆伐によるものです。インドネシアは、国内で継続している森林減少と商品作物のためのプランテーション開発により世界の温室効果ガスの巨大な排出者であり、そのために米国と中国に次ぐ世界第三位の排出国となっています。

大手金融機関、商社、GPIFの森林破壊・搾取・児童労働への関与が判明

2017 年 4 月 24 日

日本の大手金融機関や商社、そして GPIF が東南アジアでの森林破壊・搾取・児童労働への関与が判明

〜新報告書によって、非倫理的な 8 つの企業に対し資金支援を行う金融機関が明らかに〜

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(以下、RAN)は本日、「投資家には責任が ある―森林と金融調査レポート」と題された報告書を発表いたします。報告書では、森林破壊 と人権侵害を繰り返している東南アジアのパーム油、紙パルプ、ゴム、木材企業に対し、多大 な資金提供を行っている世界の主要な銀行や投資機関の一覧を公開しています。

RAN の調査により、王子ホールディングス、丸紅、伊藤忠、フェルダ・グローバル・ベンチ ャーズ、インドフード、IOI、ウィルマー、APP の 8 社が、自社やサプライチェーンの事業に おいて、児童労働や強制労働、先住民族からの土地の搾取、熱帯林皆伐、炭素を豊富に含んだ 泥炭地の破壊、現地の汚職に便乗した利益享受、違法に製造された商品の売却など、社会およ び環境問題に関与している事実が明らかになりました。上記 8 社はすべて、社会問題や環境問 題への取組みについてそれぞれ誓約や方針を公表していますが、問題は改善されていません。

RAN 森林と金融キャンペーンディレクターのトム・ピケンは、以下のように述べています。 「銀行や投資機関は、自らが資金を提供している事業が熱帯林破壊や現地の人々からの搾取を 行っているという事実を認識する倫理的、経済的な義務があります。こうした金融機関は、自 分たちの投資によって、環境、社会、そして最終的には自らに対し多大なダメージを与えてい ると理解する必要があります。」

機関投資家による最新報告(2017 年 2 月付)によると、上記 8 社の森林部門事業は、債券お よび株式で合計 65 億米ドル以上の資金を得ているほか、2010 年以降に融資および引受で受け取っ た資金の総額は 280 億米ドル以上となっています*。上記 8 社を金銭的に支援している主要銀行 は、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱 UFJ フィナンシ ャル・グループ、中国開発銀行、RHB バンキング、CIMB グループ、HSBC などであり、最大 級の投資機関としては、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、バンガード、エン プロイーズ・プロヴィデント・ファンド、ブラックロック、およびディメンショナル・ファン ド・アドバイザー等が含まれています。

「銀行家や投資家の人々は、こうした事態から目を背けるのを止め、自分たちが受け取って いる短期的な配当や数百万ドルのボーナスが実際は何を犠牲にして生みだされているのかを認 識しなくてはいけません。金融機関が森林破壊や人権侵害には融資をしないと誓約しない限り、 気候変動の大きな要因である森林破壊に歯止めをかけようとする国際努力は徒労に終わってし まうのです。」

RAN は今回の報告書で、銀行と投資機関に対し、熱帯林に害を与えている商品の製造に関 わるすべての企業、およびそれに関連する川下のサプライチェーンについて、投融資方針を策定するよう求めています。 そうした方針があって初めて、自らが資金的に支援している森林破 壊や人権侵害について明白に確認ができるからです。銀行や投資家は、デューディリジェンス によるスクリーニングを強化し、資金提供先の企業の業務をきちんとモニターして、無責任な 企業に対しては資金提供を断つ社会的責任があります。

森林破壊や社会問題は、金融機関にとっても重要な問題になっています。 2000 年から 2012 年にかけて、日本の国土の約 3 倍の面積の熱帯林が失われましたが、その中でも消失が最も深 刻な地域の一つが東南アジアです。その大きな要因は、グローバル企業によるパーム油、紙パ ルプ、木材、ゴム、その他ソフト・コモディティへの急激な需要の高まりです。消失した熱帯林のうち、ほぼ半分が商業的用地に違法に転換されており、その半分は輸出用商品を生産する ためのものです。

今回の報告書によって、融資、引受、投資を通じて年間何十億ドルもの資金を提供すること で、金融機関がいかに環境破壊を行う主体的存在となっているかが明らかになっています。こ の報告書は、 明日から東京で開催される「RI アジア 2017」でも発表いたします。

以下からダウンロードできます。

日本語版 投資家には責任がある -森林と金融 調査レポート-

英語版 Every Investor Has A Responsibility:Forest & Finance Risk Dossier

*融資と引受はグループ会社レベルで計算されており、森林セクター以外の事業活動がある企業については、選定した企業の森林リスク分野に帰すると合理的に考えられる資金提供額の割合をより正確に捕捉するために、減額して集計した。入手可能な情報の限界により、本報告書で指摘する債券・株式の総額はいくつかの年金基金による債券・株式を含めていない。さらなる情報については次を参照してください。forestsandfinance.org

10社のコーポレートガバナンス・コード報告を調査、サステナビリティ-報告の改善を提言

連絡先: (日本) 川上豊幸toyo@ran.org
(米国) Laurel Sutherlin, laurel@ran.org

株主に警告するレポートを発表:
日本の大手企業、サステナビリティ遵守状況を適切に伝えず。

日本のコーポレートガバナンス・コードの一周年記念日(6月1日)に、
レインフォレスト・アクション・ネットワークは、透明性と監視にむけた進展を欠いていることを明らかに

東京 -昨年6月の日本でのコーポレートガバナンス・コード(以下本コード)の導入は、より大きな透明性と監視に向けて日本企業を開放していく手助けをする上で大きな一歩として歓迎された。しかし、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)が本日発表した新しいレポートでは、本コードは取締役会の独立性などのガバナンス問題に関するいくつかの肯定的な影響を与えているように見える一方で、透明性と、サステナビリティの課題を企業の事業運営に統合していく点での改善については同様の効果があるとはいえない、と述べている。

「このRANのレポートで述べた調査結果は、サステナビリティーの問題に関する実施状況について、体系的に誤って企業が伝えているか、真のサステナビリティー報告と企業の社会的責任(CSR)についての表面的な記述との違いについての根本的な理解ができていないことを示唆しています。」とRAN日本代表の川上豊幸は述べている。また「日本のコーポレートガバナンス・コードが、企業のサステナビリティの達成状態に関心を持つ株主から信頼を得るには、本コードのサステナビリティ報告義務の総点検、指導、それに遵守状況の監視が緊急に必要です。」と述べている。

本コード実施の初年度の企業の遵守状況を掲載した最近の東京証券取引所の報告書によると、99%以上の企業が本コードのサステナビリティーとステークホルダーの規定を実施していると自己申告している。

「SHAREHOLDERS BEWARE -株主の皆様、要注意。:コーポレートガバナンス・コード報告において、日本の大企業はサステナビリティー報告がいかに適切にできていないか」と題された本レポートにおいて、RANは熱帯林の破壊リスクに直接関係していることが知られている10社の大企業のコーポレートガバナンス・コード報告書を評価することにより、これら企業の主張を検証した。
企業は一般的なサステナビリティーの問題を認識していることを報告しているものの、熱帯林破壊への直接的な関連により、直面する環境・社会的リスク要因を特定した企業はほとんどなく、そして、これらの問題に実質的に対処する方法を示す企業は皆無であることが、本レポートにより判明した。全ての事例で、企業は今起きている重大な環境的・社会的な紛争に関係していることも判明した。

「サプライチェーンと投資の関係を含め、事業運営に関連する明確かつ正確なサステナビリティー情報の提供は、企業の投資可能性を評価する重要な部分です。」とRANのトム・ピケンは述べている。「このような情報を省略したり、隠蔽したりすることは、企業が負の環境的・社会的影響に関連することで、投資家に不測の損害を発生させる可能性があり、このことは次にはブランドの評判失墜、サプライヤーとの契約解消、法的措置による生産停止へつながる可能性があるのです。」

RANのレポートは、本コードにおいてサステナビリティーとステークホルダーに関する項目の基準とガイドラインが強化されること、そして、企業の報告書をもっと積極的に金融庁の遵守モニタリング対象とすることを提言している。また、本レポートでは主要なステークホルダーグループの中でも特に地域住民の権利を尊重し守るとともに、熱帯林リスク商品に関係しているすべての企業による協調した行動が、これらの脅威にさらされた固有の生態系の保護や保全を進めるために不可欠であると結論付けている。
レポートをご覧下さい : Shareholders Beware-株主の皆様、要注意。:コーポレートガバナンス・コード報告において、日本の大企業はサステナビリティー報告がいかに適切にできていないか
Read the report: Shareholders beware: How major Japanese companies are misreporting sustainability under the Corporate Governance Code (English)

森林火災企業への金融サービスでの緊急制裁措置を求めるレター送付

       2016年4月27日

連絡先:Emma Rae Lierley, Emma@ran.org

Tom Picken,  thicken@ran.org

インドネシアの森林火災の容疑者に対して国際的な連合体が緊急制裁を要求

森林火災が再び勢いづく時期を迎え、さらなる環境及び公衆衛生の災害防止のために

金融規制当局にできることを全て実行するように要求

インドネシア、ジャカルタ – Transformasi untuk Keadilanインドネシア(TUKインドネシア)、Walhi(FoEインドネシア)、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、及びシエラクラブ等の70以上の市民社会組織による幅広い国際的な連合体は、インドネシア、マレーシア、シンガポール、日本、中国、欧州、米国の金融規制当局に対して、毎年東南アジアの多くの人を苦しめる森林火災危機を引き起こしているとされた企業から資金を断ち切ろうとする取組として主要な商業銀行への緊急制裁措置を適用することを求めます。共同レターは、世界でトップ銀行の最高経営責任者(CEOs)や金融サービス規制当局を含めて、50以上の国際組織に送付します。

紙パルプとパーム油生産のために土地を安く一掃して焼き払う目的で意図的に放たれて急速に広がった炎は制御不能となり、有害な煙がインドネシア、シンガポール、マレーシアを覆うこととなった2015年の煙霧危機の再来に対して、これらの地域では身構え始めています。煙霧危機は地域全体の避難、学校や空港の閉鎖、数十万人の呼吸器疾患や少なくとも19人の死亡を引き起こしました。2015年の火災シーズンの災害ピーク時には米国の一日平均よりも多くの温室効果ガスが毎日排出され、史上最悪となりました。そして、誰に聞いても、環境と人間への災害であった2015年の火災シーズンはインドネシアの雨期到来によって終わりました。

「これは、時計仕掛けのように毎年やってくる恐ろしい人災だ」。レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)のスポークスパーソンのトム・ピケン氏は述べています。「大手銀行は、この回避可能な火災危機を引き起こしている産業の発展に火に油を注ぐように多くの資金を提供している。銀行は防火法に違反する企業を支援すべきではないのに、支援を行っている。金融規制当局は一歩踏み込んで、顧客企業の有害な違法行為を可能にし、その行為から利益をあげている、これらの金融機関に適切な管理や予防措置を適用する必要がある。」とピケン氏は述べました。

共同書簡で述べたように、2015年の森林火災に関連した熱帯林リスク商品(例えばパーム油、パルプ・紙、木材、ゴムなど)の生産企業は413社でした。これらの企業は、20以上の商業銀行から金融サービスや投資を受けており、その額は2009年以降17億米ドルを超えると推定されます。

2016年の火災シーズンが始まり、現在、インドネシアとマレーシアで新たな火災が起きていることが報告されています。

以上

金融庁へのレター(日本語) 英文レター